第0164日目 〈申命記第30章:〈モアブで結ばれた契約〉2/2〉 [申命記]

 申命記第30章です。
 前章第29章の、そのまま続きであります。

 申30:1-20〈モアブで結ばれた契約〉2/2
 主はすべてのイスラエルの民の前に、祝福(命と幸い)と呪い(死と災い)を置く。

 (申29:27に於いて)国から追われ彷徨の身となった民が、主が今日命じるように心を尽くし、御声に聞き従うなら、再び彼らは集められて嘗て父祖のものであった地へ入らせ、更に繁栄させてくれる。
 万が一心変わりして主に背くことあれば、あなた方は滅びる。三度(みたび)このカナンの地へ足を踏み入れることは、ない。
 主は、天と地を証人として、これを告げる。生と死、祝福と呪いをあなた方の前に置く。あなた方は主を愛し、聞き従い、生きなさい。

「主はあなたの先祖たちの繁栄を喜びとされたように、再びあなたの繁栄を喜びとされる。あなたが、あなたの神、主の御声に従って、この律法の書に記されている戒めと掟を守り、心を尽くし、魂を尽くして、あなたの神、主に立ち帰るからである。」(申30:9-10)

「わたしが今日あなたに命じるこの戒めは難しすぎるものでもなく、遠く及ばぬものでもない。(中略)御言葉はあなたのごく近くにあり、あなたの口と心にあるのだから、それを行うことができる。」(申30:11,14)

 前半では、追放された国(地)への帰還が示唆されますが、これは大戦後イスラエル国の建国の基盤になったテーゼでもありました。
 申30:14(「御言葉はあなたの」云々)はよくキリスト教や就中聖書入門の本に出てくる箇所で、どこかで同様のフレーズをお聞きになった方も多いかと思います。これは、特定の宗教の教典(経典)やその解説書、或いは説法に頻出するところでもある点、それぞれの宗教の伝播を担った人たちの精神的支柱でもあった、と考えるのは、決して間違いではないでありましょう。

 みなさんが今後、聖書を読む機会があって、たまたまでも申命記に立ち入ることあれば、(昨日も申したことですが)第28章から第30章までは一続きに、切れ目なく読まれてみることをお奨めします。
 そうすると、中東問題やヨーロッパ文学、思想について、より深くわかるところだと思う次第であります。



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