第0208日目 〈ヨシュア記第24章:〈シケムの契約〉、〈ヨシュアの死〉&〈ヨセフの埋葬、エルアザルの死〉〉 [ヨシュア記]
ヨシュア記第24章です。
ヨシュア記、結びの一章です。
ヨシュ24:1-28〈シケムの契約〉
死の少し前、ヨシュアは全イスラエルの民と、長老や役人たちをシケムへ呼び集めた。
主はこういった、とヨシュアはいう。イスラエルの祖アブラハムがユーフラテス川の向こうからカナンへ移住し曾孫ヨセフが理由あってエジプトへ下った事を、預言者モーセを遣わしてエジプトを脱出させてから再びこのカナンの地に入った事を、多くの先住民を攻めて絶やしその土地へ定住した事を、主はヨシュアを通していった。
イスラエルはだから、真心もて主に仕えよ。それを望まぬ者は異神を崇めるがよい。ヨシュアはいう、「ただし、わたしとわたしの家は主に仕えます。」(ヨシュ24:15)
これを聞いた民は、そんな真似は決してしない、と誓った。エジプトを脱出させ、アモリ人の土地を与えてくれた主に背こうはずがない、と。
「わたしたちも主に仕えます。この方こそ、わたしたちの神です。」(ヨシュ24:18)
ヨシュアは更にいい、民は更に誓った。
ヨ)主は聖なる神で熱情の神、背きと罪を赦しはしない。「外国の神々に仕えるなら、あなたたちを幸せにした後でも、一転して災いをくだし、あなたたちを滅ぼし尽くされる。」(ヨシュ24:20)
民)「いいえ、わたしたちは主を礼拝します。」(ヨシュ24:21)
ヨ)「あなたたちが主を選び、主に仕えるということの証人はあなたたち自身である。」(ヨシュ24:22)
民)「そのとおり、わたしたちが証人です。」(ヨシュ24:22)
ヨ)「(では異神を崇める心を捨てて)イスラエルの神、主に心を傾けなさい。」(ヨシュ24:23)
民)「わたしたちの神、主にわたしたちは仕え、その声に聞き従います。」(ヨシュ24:24)
以上の信仰告白を踏まえて、ヨシュアは民とシケムで契約した。再び当該箇所を引用する。
「その日、ヨシュアはシケムで民と契約を結び、彼らのために掟と法とを定めた。ヨシュアは、これらの言葉を神の教えの書に記し、次いで、大きな石を取り、主の聖所にあるテレビンの木のもとに立て、民全員に告げた。
『見よ、この石がわたしたちに対して証拠となる。この石は、わたしたちに語られた主の仰せをことごとく聞いているからである。この石はあなたたちが神を欺くことのないように、あなたたちに対して証拠となる。』」(ヨシュ24:25-27)
【このような誓いの証拠の石は、創28:18-22,創31:43-54に見られ、ヨシュ4:1-4でも類似の証拠の石が登場している[ヨルダン渡河]。この伝統が継承されているのだろう。】
この契約の後、ヨシュアは集まっていた全イスラエルを、それぞれの嗣業の土地へ帰還させた。
【だが、我らは忘れず記憶に留めるべきである。ヨシュ24:24にて民は主に仕えると誓ったが、主とヨシュアの求めのすべてに応じて主を崇めるわけではない、ということを。これが、「士師記」での大きなモチーフになる。】
ヨシュ24:29-31〈ヨシュアの死〉
モーセ亡きあとイスラエルを指導し、主が父祖と交わした約束を成就させるに功あったヨシュア。彼は遂にみまかった。享年110。その遺体は彼に与えられた嗣業の土地ティムナト・セラ(ヨシュ19:50)に埋葬された。
ヨシュア亡きあとも長老たちが存命している間は、イスラエルは主に仕えた(この意味深長な一節はヨシュ24:24と呼応する)。
ヨシュ24:32-33〈ヨセフの埋葬、エルアザルの死〉
ヨセフはアブラハムの曾孫にしてヤコブの息子、理由あってエジプトへ下りその国で出世して兄弟並びに父と再会し、彼らをエジプトへ呼び寄せた(創37:1-47:12)。彼の遺骨はモーセが携えてエジプトを出、その後はイスラエルが持ち歩いていた。いまヨセフの遺骨は、嘗て創33:19にてヤコブがシケムの地に買った野の一角に埋められた。
また、ヨシュアと共にイスラエルを指導した、アロンの子祭司エルアザルも死んだ。彼は息子ピネハスへ与えられた土地、エフライム山地のギブアに葬られた。
創世記から続いてきた主の約束が、このヨシュア記で果たされ、完了しました。
また、これまでに登場してきた、大きな役回りを持った人々の死が相次いで語られたことからも、〈一つの時代〉の終わりが感じられます。即ち、新しい時代への転換を迎える準備が整った、ということです。
気になるのは、ノートでも触れたヨシュ24:24。極めて意味の深い一節です。これこそ新しい時代の人々の運命でした。
主への信心の乱れが描かれる、新しい時代の最初の書物が、次の「士師記」であります。ヨシュア記は歴史書の先頭に位置していますが、性格的にも律法(モーセ五書)の完結編という趣が濃い。「士師記」はまさしく歴史の始まりを象徴する最初の書物でもあるのです。
いずれ近いうちに再会しましょう。
あなたの悲しげな横顔がリフレインされる。これをどうすればいい?
アナトール・フランスの『舞姫タイス』(白水社uブックス)を読み出しました。
Just one kiss from you my brother
And we'll ride until we fall
We'll sleep in the friends
We'll sleep by the rivers and in the morning
We'll make a plan
Well if you can't make it
Stay hard,stay hungry,stay arive
If you can
And meet me in a dream of this hard land.
(兄弟よ、お前がキスしてくれたら、
落ちるまで一緒に風に乗ってゆこう。
野原や川辺に眠り、
朝になったら計画を立てよう。
もし来られないなら、
辛いかもしれないがしっかりと生きてほしい。
もし来られるなら、
この厳しい土地の夢のなかで待っていてほしい。)
━B.SPRINGSTEEN from「THIS HARD LAND」
また会おう。◆
ヨシュア記、結びの一章です。
ヨシュ24:1-28〈シケムの契約〉
死の少し前、ヨシュアは全イスラエルの民と、長老や役人たちをシケムへ呼び集めた。
主はこういった、とヨシュアはいう。イスラエルの祖アブラハムがユーフラテス川の向こうからカナンへ移住し曾孫ヨセフが理由あってエジプトへ下った事を、預言者モーセを遣わしてエジプトを脱出させてから再びこのカナンの地に入った事を、多くの先住民を攻めて絶やしその土地へ定住した事を、主はヨシュアを通していった。
イスラエルはだから、真心もて主に仕えよ。それを望まぬ者は異神を崇めるがよい。ヨシュアはいう、「ただし、わたしとわたしの家は主に仕えます。」(ヨシュ24:15)
これを聞いた民は、そんな真似は決してしない、と誓った。エジプトを脱出させ、アモリ人の土地を与えてくれた主に背こうはずがない、と。
「わたしたちも主に仕えます。この方こそ、わたしたちの神です。」(ヨシュ24:18)
ヨシュアは更にいい、民は更に誓った。
ヨ)主は聖なる神で熱情の神、背きと罪を赦しはしない。「外国の神々に仕えるなら、あなたたちを幸せにした後でも、一転して災いをくだし、あなたたちを滅ぼし尽くされる。」(ヨシュ24:20)
民)「いいえ、わたしたちは主を礼拝します。」(ヨシュ24:21)
ヨ)「あなたたちが主を選び、主に仕えるということの証人はあなたたち自身である。」(ヨシュ24:22)
民)「そのとおり、わたしたちが証人です。」(ヨシュ24:22)
ヨ)「(では異神を崇める心を捨てて)イスラエルの神、主に心を傾けなさい。」(ヨシュ24:23)
民)「わたしたちの神、主にわたしたちは仕え、その声に聞き従います。」(ヨシュ24:24)
以上の信仰告白を踏まえて、ヨシュアは民とシケムで契約した。再び当該箇所を引用する。
「その日、ヨシュアはシケムで民と契約を結び、彼らのために掟と法とを定めた。ヨシュアは、これらの言葉を神の教えの書に記し、次いで、大きな石を取り、主の聖所にあるテレビンの木のもとに立て、民全員に告げた。
『見よ、この石がわたしたちに対して証拠となる。この石は、わたしたちに語られた主の仰せをことごとく聞いているからである。この石はあなたたちが神を欺くことのないように、あなたたちに対して証拠となる。』」(ヨシュ24:25-27)
【このような誓いの証拠の石は、創28:18-22,創31:43-54に見られ、ヨシュ4:1-4でも類似の証拠の石が登場している[ヨルダン渡河]。この伝統が継承されているのだろう。】
この契約の後、ヨシュアは集まっていた全イスラエルを、それぞれの嗣業の土地へ帰還させた。
【だが、我らは忘れず記憶に留めるべきである。ヨシュ24:24にて民は主に仕えると誓ったが、主とヨシュアの求めのすべてに応じて主を崇めるわけではない、ということを。これが、「士師記」での大きなモチーフになる。】
ヨシュ24:29-31〈ヨシュアの死〉
モーセ亡きあとイスラエルを指導し、主が父祖と交わした約束を成就させるに功あったヨシュア。彼は遂にみまかった。享年110。その遺体は彼に与えられた嗣業の土地ティムナト・セラ(ヨシュ19:50)に埋葬された。
ヨシュア亡きあとも長老たちが存命している間は、イスラエルは主に仕えた(この意味深長な一節はヨシュ24:24と呼応する)。
ヨシュ24:32-33〈ヨセフの埋葬、エルアザルの死〉
ヨセフはアブラハムの曾孫にしてヤコブの息子、理由あってエジプトへ下りその国で出世して兄弟並びに父と再会し、彼らをエジプトへ呼び寄せた(創37:1-47:12)。彼の遺骨はモーセが携えてエジプトを出、その後はイスラエルが持ち歩いていた。いまヨセフの遺骨は、嘗て創33:19にてヤコブがシケムの地に買った野の一角に埋められた。
また、ヨシュアと共にイスラエルを指導した、アロンの子祭司エルアザルも死んだ。彼は息子ピネハスへ与えられた土地、エフライム山地のギブアに葬られた。
創世記から続いてきた主の約束が、このヨシュア記で果たされ、完了しました。
また、これまでに登場してきた、大きな役回りを持った人々の死が相次いで語られたことからも、〈一つの時代〉の終わりが感じられます。即ち、新しい時代への転換を迎える準備が整った、ということです。
気になるのは、ノートでも触れたヨシュ24:24。極めて意味の深い一節です。これこそ新しい時代の人々の運命でした。
主への信心の乱れが描かれる、新しい時代の最初の書物が、次の「士師記」であります。ヨシュア記は歴史書の先頭に位置していますが、性格的にも律法(モーセ五書)の完結編という趣が濃い。「士師記」はまさしく歴史の始まりを象徴する最初の書物でもあるのです。
いずれ近いうちに再会しましょう。
あなたの悲しげな横顔がリフレインされる。これをどうすればいい?
アナトール・フランスの『舞姫タイス』(白水社uブックス)を読み出しました。
Just one kiss from you my brother
And we'll ride until we fall
We'll sleep in the friends
We'll sleep by the rivers and in the morning
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もし来られないなら、
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もし来られるなら、
この厳しい土地の夢のなかで待っていてほしい。)
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また会おう。◆
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