第0250日目 〈ルツ記第4章:〈交渉〉、〈人々の祝福と神の祝福〉&〈ダビデの系譜〉〉 [ルツ記]

 ルツ記第4章、最終日です。

 ルツ4:1-10〈交渉〉
 ボアズは町へ上ってゆき、長老たちから十人を選び、ルツの夫に考えている親類の若者を前にして、いった。未亡人ナオミの土地を買い取ってほしい、その責任を果たせないならそういってほしい、と。
 若者は諾ったが、同時にルツを妻にしなくてはならない、と聞かされると、辞退した。
 そこでボアズがナオミの持っていた嗣業の地を買い取り、ルツを妻とすることにした。長老十人とその他の人々は、この交渉の証人となった。
 ※ルツ4:7「かつてイスラエルでは、親族として責任の履行や譲渡にあたって、一切の手続きを認証するためには、当事者が自分の履き物を脱いで相手に渡すことになっていた。」とあるが、これは申25:5-10に該当する文言である。

 ルツ4:11-17〈人々の祝福と神の祝福〉
 すべての民と長老が祝福した。ルツが、かつてヤコブが妻としてイスラエルの祖となったラケルとレア(創29-30,35)の如く主にしていただけるように、と。そして、━━
 「どうか、主がこの若い婦人によってあなたの子宝をお与えになり、タマルがユダのために産んだペレツの家のように、御家庭が恵まれるように。」(ルツ4:12)
 やがてルツは男の子を産み、オベドと命名された。オベドは後にエッサイの父となりダビデの祖父となった。なお、タマルとユダの物語は創世記第38章に拠る。

 ルツ4:18-22〈ダビデの系譜〉
 ユダとタマルの間に生まれたペレツ(創38:29)の七代あとの子孫がオベドである。父はボアズ、母はルツであった。
 オベドの孫がダビデ、偉大なダビデ王であり、その系図の先にいるのはナザレの大工ヨセフ。ヨセフは新約の時代に在ってマリアの夫、イエスの養父。ルツはイエスの祖である。

 ルツ記は新約聖書につながる系譜の物語でもある、と「ルツ記前夜」で書きました。その理由は、最後の小見出し〈ダビデ王の系譜〉を読めばおわかりいただけるでしょう。
 系譜で終わることに諸説あるようですが、さんさんかは単純に、ルツの祝福を強調するためである、と思うております。
 ノートは章数に従う原則ゆえ4日に分けましたが、むろん、実際に読まれる際はぜひ1日で読み通し、何度も反読してほしく思っております。



 来年用の年賀状小説を執筆中。全体像を把握したいので分量は気にせず進めていますが、どうかこれが、第一の円環が閉じられるにふさわしい物語となりますように。◆

共通テーマ:日記・雑感