第0312日目 〈「サムエル記下」前夜〉 [サムエル記・下]

 進め。満身創痍であろうと胸を張って、高らかに英雄のごとく凱旋せよ。

 ギルボア山でのサウル王とヨナタン戦死を以て幕を閉じたサムエル記上。明日からの「サムエル記下」はまさにその直後から物語が開幕します。
 ダビデは彼らの死を嘆き、ヘブロンにてユダの王となり、サウルの軍司令アブネルの働きかけも手伝って遂にイスラエル王へ即位します。斯くして統一王国の時代が到来します。
 が、ダビデ王の身辺は常にキナ臭い匂いが立ちこめ、国家運営の前途は多難の要素を孕んでいます。やがてソロモンが誕生し、アブサロムの反逆が描かれ、合戦の後に人口調査が行われて「サムエル記下」は幕を閉じます。
 いってみれば「サムエル記下」は統一王国が如何にして運営され、その過程でダビデ王がどう変貌してゆくか、にスポットを当てられた書物。これは人間ドラマとしてとても面白い書物でもあります。
 そんな「サムエル記下」の読書ノートを、明日から更新してゆきます。

 進め、死臭が漂い亡者のうめきが聞こえる戦場を。積み重ねられた屍を乗り越えた先にある栄光を目指して。
 
 With such confusions don't it make you wanna scream,
 Your bash abusin' victimize within the scheme.
 (from M.J&J.J“Scream”)



 キング&ストラウブ『ブラック・ハウス』(新潮文庫)をようやっと読了。事情あってなかなか毎日読むこと叶わずいまになってしまったが、久々に楽しい気分で物語の世界に浸れました。◎デス。◆

共通テーマ:日記・雑感