第0328日目 〈サムエル記下第13章:〈アムノンとタマル〉&〈アブサロムの復讐〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第13章です。

 サム下13:1-22〈アムノンとタマル〉
 アムノンはダビデ王の長男、母はイズレエル人アヒノアム。タマルはダビデ王の三男アブサロムの妹で、母はゲシュルの王タルマイの娘マアカ。アムノンはタマルを愛し、その愛は強靱で枯れることなく千尋の谷の底よりも深く、ゆえに病を患うやもしれぬ程に彼女を愛しその愛を求めた。
 アムノンは友ヨナダンの提案を入れて、見舞いに訪れた父王に、タマルを寄越してくれ、と懇願した。自分の前で料理を作ってもらい、手ずから食べさせてほしいのです、と。ダビデはその通りにした。
 臥すアムノンの前でタマルは、「心」という名のレビボットというお菓子を2つ作った。アムノンは人払いをして、タマルへ、床の横まで来てその手で食べさせてくれ、と頼んだ。タマルはその通りにした。
 が、アムノンは突然タマルを捕らえて、私と寝てくれ、といった。タマルはそれを拒んだ。「わたしを辱めないでください。イスラエルでは許されていないことです。(中略)どうぞまず王にお話ください。王はあなたにわたしを与えるのを拒まれないでしょう。」(サム下13:12-13)
 それでもアムノンはタマルの気持ちを斟酌せず、彼女を組み敷いて床を共にした。タマルは処女でなくなった。
 アムノンはタマルに愛以上の憎しみを感じ、追い出した。「わたしを追い出すのは、今なさったことよりも大きな悪です」(サム下13:16)というタマルの言葉をも無視して。彼女は上着を引き裂き、灰を頭からかぶり、手を頭に当てながら嘆き声をあげ、帰途に就いた。
 タマルの身に起きたことを知った兄アブサロムは、アムノンを密かに憎悪した。

 サム下13:23-39〈アブサロムの復讐〉
 復讐のため、アブサロムは言葉巧みにダビデの王子たちをバアル・ハツォルへ誘った。この地でアブサロムの羊の毛が刈られるので、それに招待する、という名目で、ダビデ王に謀ったのだ。
 アブサロムは家臣に命じて、アムノンを殺させた。酒で上機嫌になり、へべれけでいるところを襲わせたのである。他の王子たちは這々の体で逃げ出した。アムノンただ一人が討たれた。アブサロムは目的を果たした。復讐は果たされた。彼は祖父ゲシュルの王タルマイの元へ逃れて、そこで3年暮らした。
 一方ダビデの許には王子たち全員が殺された、という誤報がもたらされていた。王は嘆き悲しんだ。家臣らも皆━━否、一人を除いて。その一人とはヨナダブ。アムノンの友人にして、ダビデ王の兄弟シムアの息子である。彼は、殺されたのはアムノンただ一人、他の王子たちは生きておられます、と王に諭した。そのとき、山腹のホロナイムの道をたどって、生き残った王子たちがエルサレムへ帰着した。
 「アムノンの死をあきらめた王の心は、アブサロムを求めていた。」

 処女姦通の罪は出22:15に明示。犯したら結納金を支払って娶らなくてはならない(追い出してならない)、とも出22:15にあります。同様のことは申22:28-29にある。
 「ホロナイム」とは「二つのホロン」の意味。エルサレム北西約17kmの場所にある上ホロンと下ホロンの町を指す。
 この章の通奏低音をなすのは、「邪淫の妄執」と「アンヴィバレンツ」であるように思いました。愛と憎しみは古今東西問わずに紙一重。これ程心に添う章も珍しいです。
 曰く、“in unnutz toller Wut!/Hat keiner Lohn”(「結局は迷妄なのだ、その原因を極めてみると」)ということか。台詞はワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第3幕第1場より。ウムラウトは“unnutz”の2番目の“u”に付せられる。



 CSで『ウォーターボーイズ』(707ch 日本映画専門チャンネル)を観ました。いや、相変わらずこれ面白いな。前半は殆ど覚えていなかったのですが、本日の観賞で記憶からすっこ抜けていた箇所の補完ができました。
 明日は『スウィングガールズ』か。でも、同じ時間帯で『LOST』があるからな、これはさっくり諦めよう。◆

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