第0329日目 〈サムエル記下第14章:〈ダビデ、アブサロムを赦す〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第14章です。

 サム下14:1-33〈ダビデ、アブサロムを赦す〉
 ヨアブはダビデ王の心がアブサロムへ向けられているをの知っていた。そこでベツレヘム北西約8キロの位置にあるテコアに住む、一人の知恵ある女に依頼して、王とアブサロム恩赦と帰還の調停役を委ねた。ヨアブは女に長く喪に服す役を演じさせ、調停のシナリオを渡した。結果からいえば、テコアの女は見事にこの大役を果たした。
 テコアの女はダビデ王の前に出た。自分は夫を亡くしたやもめで他に2人の息子がいる、と。が、兄弟は畑で諍いを起こして一方がもう一方を殺めてしまった、親族は加害者を差し出すように求め夫の血を断たんとしている。だが私は母親ゆえに生きている方の息子も愛しているのだ、と。
 するとダビデ王はいった、お前のために命令を出そう、と。が、否とテコアの女はいった。「王様、どうかあなたの神、主に心をお留めください。血の復讐をする者が殺戮を繰り返すことのありませんように。彼らがわたしの息子たちを断ち滅ぼしてしまいませんように。」(サム下14:11)
 前述した通り、これはヨアブのシナリオであった。女の台詞にはアブサロムへの恩赦と帰還の希望が込められていた。続くテコアの女の台詞はこうであった、━━
 「なぜ、神の民に対してあなたはこのようにふるまわれるのでしょう。王様御自身、追放された方を連れ戻そうとなさりません。(中略)わたしたちは皆、死ぬべき者、地に流されれば、再び集めることのできない水のようなものでございます。神は、追放された者が神からも追放されたままになることをお望みになりません。」(サム下14:13-14)
 この会見に裏がある、と察したダビデ王は、テコアの女に、これはヨアブの差し金であるな、と確かめた。テコアの女は王の明晰を称えてから首肯した。王はヨアブを前にして、アブサロムの恩赦と帰還を命じた。が、アブサロムを自分の前に召そうとまではしなかった。

 アブサロムはエルサレムで2年を過ごしたが、一度も召しがないのに憎悪を募らせていた。2人を結ぶヨアブも、アブサロムの招請を退けていた。それは、アブサロムの憎悪に拍車をかけた。
 遂にアブサロムはヨアブの地所に火を放った。両者の地所は隣り合っていたのである。
 非を唱えやって来たヨアブに、アブサロムはいった。王に、俺はなんのためにゲシュルから戻ってこさせられたのか、と訊いてほしい、と。エルサレムへ帰ってきてもう2年、ただの一度も王の御前に召されないとはどうしたことか、これではゲシュルにいた方がマシだった、と。「王に会いたい。わたしに罪があるなら、死刑するがよい。」(サム下14:32)
 それを聞いてダビデ王はアブサロムを召した。父子は和解した。
 が、それは表面上の和解でしかなかった。

 ダビデ王の治世の後半━━もっとはっきりいえばアムノンとタマルの一件以来ということですが━━は、政権が安定したせいでもあったのか、王宮内、家庭内の出来事に焦点が移されました。そこで我々が見るのは、或る意味でサウル王時代よりも生々しい人間模様でした。
 その中心にあるのは、なんというてもダビデ王とアブサロムの確執。サムエル記下の主軸にあるのは両者の対立と顛末であります。それを裏付けるようにサム下14は不穏な空気を漂わせて幕を閉じ、次章へ、更なる先へ我々の興味関心を誘います。が、それはそのときになってお話しすることにしましょう。
 それにしても、「わたしたちは皆、死ぬべき者、地に流されれば、再び集めることのできない水のようなもの」、か……。



 横浜市の新市長に民主党推薦の林某子が就任。だいじょうぶか、ホントに。
 選挙カーの前を走る買い物帰りの主婦の自転車に向かって、「ちょっとそこの自転車、どきなさいッ!!」とマイクで叫んだ(ゆえに本人かどうかは定かでないが女声であったのは事実)、我が耳を疑う行状を曝してくれた場面を目撃してしまいましたからねぇ……。
 この方、中田市政の継承を訴えておりましたが、どれだけの実行力があるのか、甚だ疑問。この人がどれだけの指導力を発揮し、政策を実行に移せるのか、しばし静観するより他なさそうです。ちなみにさんさんかは中西氏に投票しました(実に接戦だった!)。
 果たして新市長が、この港湾都市からも奪われた生活と雇用の安定を回復し、なによりも某元市長によって破壊された秩序を回復させられるのか。飛鳥田-細郷-中田に次ぐ名市長のリストに名を連ねられるか否か。
 興味津々かつ戦々恐々、加えて冷ややかに見守ることといたしましょう。まぁ、せいぜい最初の任期を全うできるようがんばってくれ。
 だけど、本当に市民の声を取り入れた市政なんて実現できるのかなぁ。まぁ、東京よりはずっとマトモな街に「復活」させてくれればいいか。でもこの人は、横浜市とそんなに縁が深いというわけでもないんだね。◆

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