第0331日目 〈サムエル記下第16章1/2:〈ダビデとツィバ〉&〈ダビデとシムイ〉〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第16章1/2です。
 この第16章は後半〈アヒトフェルとフシャイ〉が次章にまたがる一流れのエピソードとなるため、2回に分けることといたします。ご了承ください。

 サム下16:1-4〈ダビデとツィバ〉
 オリーブ山の山頂を少し下ったところで、ダビデ王はツィバの歓迎を受けた。彼はメフィボシェトの土地で収穫された食糧を持ってきていた。急いでエルサレムを離れたので、ろくに食料や飲料の準備ができていなかったダビデ王一行はこれを大いに喜んだ。
 ツィバが持ってきた食糧他は以下の通りであった。
 1:2頭の鞍を置いたろば、これは王の家族の乗用に。
 2:200個のパン、
 3:100房の干しぶどう、
 4:100個の夏の果物、2-4は従者の食用に。
 5:1袋のぶどう酒、これは荒れ野で疲労した者の飲用に。
 ところで、とダビデ王は訊ねた。お前の主人即ち亡きサウル王の息子メフィボシェトはどうしているか、と。ツィバは斯く答えた、━━
 「エルサレムにとどまっています。『イスラエルの家は今日、父の王座をわたしに返す』と申していました。」(サム下16:3)
 それはメフィボシェトの裏切りを意味する言葉であった。
 かつてダビデは亡きサウル王の遺族があれば教えよ、とツィバに訊ねてこの両足が不自由なメフィボシェトの存在を知った。王はサウルの遺児を召して、エルサレムへ住めるよう計らった。ツィバはメフィボシェトの耕地を耕す役目としてメフィボシェトに侍った(サム下9)。そうしたダビデ王の好意をすべてメフィボシェトは踏みにじった、とツィバは暗に伝えたのである。
 ダビデ王はメフィボシェトに属する物の一切をツィバに与えた。

 サム下16:5-14〈ダビデとシムイ〉
 ダビデ王一行はオリーブ山をあとにし、東へ向かっていた。バフリムにさしかかったときである。
 サウル王家の一族の出身ゲラの子シムイが、ダビデを呪いながら現れ出でて、王とその家臣たちの列に石を投げつけ、投げ続けた。
 ツェルヤの息子アビシャイの進言━━行って殺してきましょう━━を、ダビデ王は退けた。放っておけ、主が、ダビデを呪えとシムイに命じているのだろうから、と。続けて、━━
 「わたしの身から出た子がわたしの命を狙っている。ましてやこれはベニヤミン人だ。勝手にさせておけ。主の御命令で呪っているのだ。主がわたしの苦しみを御覧になり、今日の彼の呪いに代えて幸いを返してくださるかもしれない。」(サム下16:11-12)
 シムイは相変わらず王とその家臣たちに石を投げ、塵を浴びせた。呪いの言葉を吐きながら。
 「王も同行の兵士たちも皆、疲れて到着し、そこで一息ついた。」(サム下16:14)

 前章にてわれわれは、エルサレムを放棄して急遽撤退するなか、ガド人の立場を憂慮するダビデ王の姿を見ました。ここではサウル王家の生き残りシムイがストーカーの如く付きまとってくるのを、寛大に扱うダビデ王の姿が描かれています。こうした火急の場にあってダビデ王の賢人ぶりがにわかにクローズアップされる。かと思えば姦通の罪を犯し、数々の失態失策を繰り返すダビデ王の姿も、われわれは見てきました。〈賢王ダビデ〉よりも〈王位に在る人間ダビデ〉が、実に冷静な視点で記されているところに、或る意味で慄然とするのであります。
 なお、ダビデがオリーブ山をあとにしてシムイの襲撃を受けたバフリムとは、サム下3:16に既出の谷間の町━━エルサレム北東にあってエリコへ向かう街道の付近にあった、とされる町。北王国イスラエルと南王国ユダの境界線の手前(ユダ側)に位置していました。



 こんな週末の夜は、朝までOさんとお話ししたりご飯食べたりお酒飲んだりしたいなぁ、と妄想<希望を抱くのであった。◆

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