第0333日目 〈サムエル記下第17章1/2:〈アヒトフェルとフシャイ〉2/2〉 [サムエル記・下]
サムエル記下第17章1/2です。
サム下17:1-23〈アヒトフェルとフシャイ〉2/2
アヒトフェルはアブサロムへ進言した。わたしに12,000人の兵を選ばせてください、それを率いてダビデの軍を攻撃します、と。そうすれば平和が訪れるでしょう、とも。
アブサロムはアルキ人フシャイの意見も聞きたい、と彼を召して、新たな提案があれば示せ、と命じた。
フシャイはアヒトフェルの進言に、「否」といった。ダビデ王とその軍がどれだけ勇敢かは知っているはず、「最初の攻撃に失敗すれば、それを聞いた者は、アブサロムに従う兵士が打ち負かされた、と考え」(サム下17:9)戦意は失われてしまうだろう、と。
それよりも、と彼は代替案を示した。全イスラエル軍を召集して、アブサロム自身がこれを率いて、隠れ場に潜むダビデ王を襲うのがいちばん良い、と。
アブサロムもイスラエルの長老たちもフシャイの案がより優るものと思い、そちらを採択した。「アヒトフェルの優れた提案が捨てられ、アブサロムに災いがくだることを主が定められたからである。」(サム下17:14)
━━フシャイはダビデ追討の計画を祭司ツァドクとアビアタルへ知らせた。そして、いった。「急いで、使者をダビデに送り、こう告げなさい。荒れ野の渡し場で夜を過ごさず、渡ってしまわなければなりません。王と共に従う兵士が全滅することのないように。」(サム下17:16)
事前に王が決めていたように、それぞれの祭司の息子、ツァドクの息子アヒアマツとアビアタルの息子ヨナタンによって報は、途中アブサロムの部下に見附って危ない目に遭ったと雖も、追討計画は荒れ野の渡し場で滞留中のダビデ王にもたらされた。
王はすぐさま移動を開始した。夜明けまでに一人残らずヨルダン川を渡り、東岸への移動を完了した。
一方アヒトフェルは自分の提案が退けられたので、ギロの町に帰り、家のなかを掃除して、首を吊って自殺した。
アヒトフェルの進言は、冷静に考えれば、あまりに太平楽な考えだろう━━素人が軍を率いて錬磨のダビデ王軍を奇襲するとはっ! 馬鹿にも程がある。
が、これが実行されれば、アブサロムの命は永らえただろう。
フシャイの意見を採択したことは即ち、アブサロムを戦場に向かわせ、アブサロム戦死のシナリオを具体化させる以外の何物でもなかったのである。そんな意味でアヒトフェルの進言は失敗し、フシャイの進言は見事に功を奏したのである。
サム下17はアヒトフェルの自殺を持って終わる。彼を自殺に至らせたのは「悔恨」だろうか、それとも「怨恨」だろうか。おそらく前者であったろう。アブサロムを死地へ赴かせたのは、自分の力不足も手伝ってのことだろうから。
ともあれ、アヒトフェルの自殺によりフシャイに課せられていた役割は果たされた、と捉えてよかろう。
日本映画専門チャンネル(707ch)で映画『ハッピー・フライト』を観ました。映画館に足を運ぶべきだった!!
あー、やっぱり空や海に携わる仕事っていいなぁ。このせせこましい地上で俺はいったいなにをやっているんだろう? そうか、小説を書いたりドラマを書いたりする理由の一つはそれかもな。
空港と機内で働く人たちの生態がおもしろ可笑しくかつ真摯に描かれ、仕事へのプライドをも画面の外まで伝えてこさせる。これはやはり積み重ねられたリサーチとANAの協力あってこその真実味なのだろうな、と、ケタケタ笑ってほのかにジンワリしながら感じました。
ゲストは矢口史靖監督。さまざまに裏話が飛び出て興味深い。既にwikiなどで取得できる情報ながら、やはりこうして当事者(監督!)の口から語られると些細な事柄でも生々しく感じられますな、いやまったく。軽部支配人のトークの炸裂に閉口する一場面あれども、それは知識と映画への愛ゆえじゃ。
余談ながら竹中直人はこれで矢口監督作品3作連続出演。次も出るのかなぁ……。
本編後は全5話のサイドストーリーが放送。タイトルと監督・脚本、出演者は以下の通り(放送順)。
・「アイハブ・ユーハブ」 監督:矢口史靖 出演:田辺誠一
・「パイナップル」 監督:石井普一 出演:菅原大吉
・「細野が恋をした場合」 監督:山本大輔 出演:佐伯新
・「歯医者発、しあわせ便」 監督:松岡良樹 出演:平岩紙
・「What's your name ?」 監督:山口晃二 出演:綾瀬はるか
なかでも紙ちゃん主演の切ない(ん?)ラヴストーリー「歯医者発、しあわせ便」がよかった。
名バイブレーヤーでありながら、否、それゆえにメインスポットを我が身に浴びることほぼ皆無であった平岩紙の魅力が120%の勢いで炸裂した、記憶に残る一作でした。
この衝撃、敢えていうなら、1913年パリで世界初演されたストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》クラス。◆
サム下17:1-23〈アヒトフェルとフシャイ〉2/2
アヒトフェルはアブサロムへ進言した。わたしに12,000人の兵を選ばせてください、それを率いてダビデの軍を攻撃します、と。そうすれば平和が訪れるでしょう、とも。
アブサロムはアルキ人フシャイの意見も聞きたい、と彼を召して、新たな提案があれば示せ、と命じた。
フシャイはアヒトフェルの進言に、「否」といった。ダビデ王とその軍がどれだけ勇敢かは知っているはず、「最初の攻撃に失敗すれば、それを聞いた者は、アブサロムに従う兵士が打ち負かされた、と考え」(サム下17:9)戦意は失われてしまうだろう、と。
それよりも、と彼は代替案を示した。全イスラエル軍を召集して、アブサロム自身がこれを率いて、隠れ場に潜むダビデ王を襲うのがいちばん良い、と。
アブサロムもイスラエルの長老たちもフシャイの案がより優るものと思い、そちらを採択した。「アヒトフェルの優れた提案が捨てられ、アブサロムに災いがくだることを主が定められたからである。」(サム下17:14)
━━フシャイはダビデ追討の計画を祭司ツァドクとアビアタルへ知らせた。そして、いった。「急いで、使者をダビデに送り、こう告げなさい。荒れ野の渡し場で夜を過ごさず、渡ってしまわなければなりません。王と共に従う兵士が全滅することのないように。」(サム下17:16)
事前に王が決めていたように、それぞれの祭司の息子、ツァドクの息子アヒアマツとアビアタルの息子ヨナタンによって報は、途中アブサロムの部下に見附って危ない目に遭ったと雖も、追討計画は荒れ野の渡し場で滞留中のダビデ王にもたらされた。
王はすぐさま移動を開始した。夜明けまでに一人残らずヨルダン川を渡り、東岸への移動を完了した。
一方アヒトフェルは自分の提案が退けられたので、ギロの町に帰り、家のなかを掃除して、首を吊って自殺した。
アヒトフェルの進言は、冷静に考えれば、あまりに太平楽な考えだろう━━素人が軍を率いて錬磨のダビデ王軍を奇襲するとはっ! 馬鹿にも程がある。
が、これが実行されれば、アブサロムの命は永らえただろう。
フシャイの意見を採択したことは即ち、アブサロムを戦場に向かわせ、アブサロム戦死のシナリオを具体化させる以外の何物でもなかったのである。そんな意味でアヒトフェルの進言は失敗し、フシャイの進言は見事に功を奏したのである。
サム下17はアヒトフェルの自殺を持って終わる。彼を自殺に至らせたのは「悔恨」だろうか、それとも「怨恨」だろうか。おそらく前者であったろう。アブサロムを死地へ赴かせたのは、自分の力不足も手伝ってのことだろうから。
ともあれ、アヒトフェルの自殺によりフシャイに課せられていた役割は果たされた、と捉えてよかろう。
日本映画専門チャンネル(707ch)で映画『ハッピー・フライト』を観ました。映画館に足を運ぶべきだった!!
あー、やっぱり空や海に携わる仕事っていいなぁ。このせせこましい地上で俺はいったいなにをやっているんだろう? そうか、小説を書いたりドラマを書いたりする理由の一つはそれかもな。
空港と機内で働く人たちの生態がおもしろ可笑しくかつ真摯に描かれ、仕事へのプライドをも画面の外まで伝えてこさせる。これはやはり積み重ねられたリサーチとANAの協力あってこその真実味なのだろうな、と、ケタケタ笑ってほのかにジンワリしながら感じました。
ゲストは矢口史靖監督。さまざまに裏話が飛び出て興味深い。既にwikiなどで取得できる情報ながら、やはりこうして当事者(監督!)の口から語られると些細な事柄でも生々しく感じられますな、いやまったく。軽部支配人のトークの炸裂に閉口する一場面あれども、それは知識と映画への愛ゆえじゃ。
余談ながら竹中直人はこれで矢口監督作品3作連続出演。次も出るのかなぁ……。
本編後は全5話のサイドストーリーが放送。タイトルと監督・脚本、出演者は以下の通り(放送順)。
・「アイハブ・ユーハブ」 監督:矢口史靖 出演:田辺誠一
・「パイナップル」 監督:石井普一 出演:菅原大吉
・「細野が恋をした場合」 監督:山本大輔 出演:佐伯新
・「歯医者発、しあわせ便」 監督:松岡良樹 出演:平岩紙
・「What's your name ?」 監督:山口晃二 出演:綾瀬はるか
なかでも紙ちゃん主演の切ない(ん?)ラヴストーリー「歯医者発、しあわせ便」がよかった。
名バイブレーヤーでありながら、否、それゆえにメインスポットを我が身に浴びることほぼ皆無であった平岩紙の魅力が120%の勢いで炸裂した、記憶に残る一作でした。
この衝撃、敢えていうなら、1913年パリで世界初演されたストラヴィンスキーのバレエ音楽《春の祭典》クラス。◆
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