第0337日目 〈サムエル記下第19章2/3:〈ヨアブ、ダビデを非難する〉、〈エルサレムへの帰還〉他〉 [サムエル記・下]

 サムエル記下第19章2/3です。

 サム下19:2-9〈ヨアブ、ダビデを非難する〉
 自軍の勝利をダビデ王は喜べず、敵将アブサロムの死を嘆くばかりだった。戦勝にうしろめたさを感じながら、ダビデの勇兵たちはエルサレムへ入った。「すべての兵士にとって、その日の勝利は喪に変わった。」(サム下19:3)
 これに憤然としたヨアブは王を責めた。王は自分を愛する者を憎み、自分を憎む者を愛するのか、と。「アブサロムが生きていて、我々全員が死んでいたら、あなたの目に正しいと映ったのでしょう。」(サム下19:7)
 続けていった、勝って帰還した兵、家臣たちへ語りかけてほしい、と。主に誓って言いますが、とヨアブはいった、━━
 「それがあなたにとって、若いときから今に至るまでに受けたどのような災いにもまして大きな災いとなるでしょう。」(サム下19:8)
 これを聞いてダビデ王は城門に出た。家臣たちは城門の前に集まってきた。

 サム下19:9-15〈エルサレムへの帰還〉
 敗れたイスラエル諸部族の長老たちは、今後について合議した。我々が油を注いで王としたアブサロムは死んだ、ダビデ王は荒れ野を彷徨っておられる、ゆえに王にエルサレム帰還を請うべきではないのか、と。
 その声はダビデ王の耳に届いた。祭司ツァドクとアビアタル経由で、ダビデはヨルダン川西岸のイスラエル諸部族にいった。王を連れ戻すのになぜ遅れを取るのか、と。
 ダビデの言葉はユダの人々の心を一つにした。そこでユダの人々は使いを出して、王へ嘆願した。家臣全員を連れてご帰還ください、と。

 サム下19:16-21〈ヨルダン川を渡る〉
 王は帰還の途に就いた。ヨルダン川のほとりまで来た。ユダの人々がギルガルまでやってきた。渡河を助けるためである。
 そのなかに、あのバフリム出身のベニヤミン人、サウル一族の出であるゲラの子シムイの姿もあった(ex:サム下16:5-14)。彼はベニヤミン人の内1,000人を連れてきていた。王が渡河しようとしたとき、シムイは王の前にひれ伏していった、━━
 「主君、王がエルサレムを出られた日にこの僕の犯した罪をお忘れください。心にお留めになりませんように。わたしは自分の犯した罪をよく存じています。」(サム下19:20-21)
 ダビデ軍の将軍の一人、アビシャイの言葉を退けて、王はシムイを赦した。
 また、サウルの孫で足の不自由なメフィボシェトも、王を出迎えるためにやってきた。王はメフィボシェトに訊ねた、なぜ一緒に来なかったのか、と。メフィボシェトは答えた、あの僕(ツィバ。ex:サム下16:3)に欺かれたのです、と。
 そうしてから、しかし、と続けた、━━
 「王の目に良いと映ることをなさってください。父の家の者は皆、主君、王にとって死に値する者ばかり」(サム下19:28-29)だから、と。
 王はメフィボシェトを許した。

 サム下19:32-40〈王とバルジライ〉
 バルジライはサム下17:27に登場、エルサレムを脱出してマナハイムへ到着したダビデ王一行に食糧や飲み物を提供した、ロゲリム出身のギレアド人である。
 バルジライは高齢で既に80歳になっていた。共に来てほしい、という王の招請を、彼は高齢を理由に断った。バルジライはいった、━━
 「どうか僕が帰って行くのをお許しください。父や母の墓のあるわたしの町で死にたいのです。」(サム下19:38)
 自分の代わりにバルジライはキムハムを王に同道させた。
 キムハムを新たに含めた一行がヨルダン川を渡り、ダビデ王もヨルダン川を渡った。
 「王はバルジライに口づけして彼を祝福した。バルジライは自分の町に帰って行った。」(サム下19:40)

 ダビデ王の帰還を合議したのがイスラエルで、ダビデ王に帰還を嘆願したのがユダであることに、若干の注意を払ってください。サム下19の残りと次章にてこの件にまつわる悶着が語られます。が、それはむろん、明日のお話と致しましょう。
 今日の箇所で個人的に好きなのは、ダビデとバルジライの別れのエピソードです。



 希望を。愛を。平和を。絶えることなき悠久の希望を。我は伏して願い奉る。

 ♪さんさんななびょーし♪◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。