第0371日目 〈列王記上第5章2/2:〈神殿建築の準備〉〉 [列王記・上]

 列王記上第5章2/2です。

 王上5:15-32〈神殿建築の準備〉
 ティルス(※1)の王ヒラムはイスラエルの前王ダビデと変わらぬ友好を保っていた。ヒラムはソロモンがダビデを継いで即位したと知ると、家臣を遣わしてこれを寿いだ。ソロモンも家臣を遣わして返礼し、こういった、━━
 ━━イスラエルは平定され、周囲の敵もいなくなった。主は私にやすらぎを与えられた。いまこそ、主の御名による家(神殿)を建てるとき。ついてはヒラム王よ、貴国のレバノン杉と糸杉を切り出すよう、あなたの民に命じてはいただけないだろうか。むろん、私の家臣も一緒に働かせるゆえ……。
 ヒラムはこれを諾ったが、一旦はイスラエルの民を自国に入れるのを拒んだ(※2)。ヒラム王はこういったのである━━、切り出した木材はティルスの国から海路で運搬させ、ソロモンが指定した港(※3)に荷揚げしよう、その後はそちら(イスラエル)で作業してほしい、と。そして、私の家のためにイスラエルは食糧を用意してほしい、とも。
 双方は合意した。「ヒラムとソロモンの間には平和が保たれ、二人は条約を結んだ。」(王上5:26)

 イスラエルの男子30,000人が動員された。また、荷役の労働者70,000人と石工80,000人も。それを3,300人の現場監督が仕切った。
 神殿の土台(基礎)となる切石は、海路を必要としない場所で、ソロモンの石工、ヒラムの石工、ゲバル人が共同で切り出した。
 「こうして、神殿建築用の木材も石材も整った。」(王上5:32)

 ※1「ティルス」→地中海沿岸に位置する、フェニキヤの主要都市の一つ。イスラエル国境にいちばん近く、知事バアナが治めるアシェル北境(王上4:16)を流れるリタニ川河口にある。原語では「ツロ」、現在のスール(ティル)であろうか。
 ※2「拒んだ」→大型のイカダを組んで海路を運搬する技術は、当時高度なものであった。それをヒラムは、いわば「社外秘」にしておきたかったのである。ゆえにイスラエル人の協力を部分的に断ったのであろう。同様に、石材の切り出しが共同で行われたのは、陸路で運搬できる場所が石切り場に選ばれたからである、と想像できる。
 ※3「港」→ベン・ヘセドが知事を務める地域(王上4:10)、沿岸にある街ヤッファの港と思われる(歴代誌下2:15)。



 「打倒、IME!」とか叫んでいたら、プロバイダのメンテナンス時間に突入。忘れていた自分が悪いとはいえ、こんな時間に更新とはね!? なんだか敗北感を感じるぜっ!
 こほむ、えっと……、
 今日の記事に 触発されて(?)ドヴォルザークの《糸杉》を、弦楽四重奏ヴァージョンで聴いています。レイモンド・カーヴァーの短編を読むのにぴったりのBGM……。◆

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