第0391日目 〈列王記上第22章1/2:〈預言者ミカヤとアハブ王の死〉〉 [列王記・上]

 列王記上第22章1/2です。

 王上22:1-40〈預言者ミカヤとアハブ王の死〉
 分裂した王国の間に戦いが止んで3年目、南王国ユダの王ヨシャファト(王上15:24,21:41-51)がサマリアを訪れた。折しもイスラエルはアラムの手に落ちたままのラモト・ギレアドを奪還しようと計略を練っているところだった。
 イスラエル王アハブはヨシャファトに共闘を持ちかけ、ユダの王はそれを諾った。但し、まず先に主の言葉を求めよう、と浮き足立つアハブに釘を刺し。
 約400人の預言者が召集された。アハブは彼らに、ラモト・ギレアドへ攻めのぼるべきか否かを主に問え、と。預言者らはみな一様に口を揃えて答えた、攻めのぼりましょう、主は敵を王の手に渡されます、と。
 ユダ王ヨシャファトはアハブに訊いた、他に主の言葉を伝える預言者はいないのか、と。居るには居るが、とアハブは口ごもった。「しかし、彼はわたしに幸運を預言することがなく、災いばかり預言するので、わたしは彼を憎んでいます。イムラの子ミカヤという者です。」(王上22:8)
 ヨシャファトの諫めを入れて、アハブ王は一人の宦官にミカヤを呼ぶよう命じた。ミカヤはサマリアに来て、二人の王の前に立った。
 イスラエル王アハブは預言者ミカヤに訊ねた、ラモト・ギレアドに攻めのぼるべきか否かを主に問え、他の預言者たちはみな攻めのぼれといっている、と。
 最初ミカヤは他の預言者たち同様に、攻めのぼるべきでしょう、主は敵を王の手に渡されます、と答えた。ここへ来る前に王の使者から、幸運を告げるよう言い含められていたためでもあった。
 アハブ王は憤った、何度誓わせればお前は主の言葉をその通りいうようになるのか、と。
 すると、預言者ミカヤはこういった、━━
 「主の言葉をよく聞きなさい。わたしは主が御座に座し、天の万軍がその左右に立っているのを見ました。主が『アハブを唆し、ラモト・ギレアドに攻め上らせて倒れさせるのは誰か』と言われると、あれこれと答える者がいましたが、ある霊が進み出て主の御前に立ち、『わたしが彼を唆します』と申し出ました。主が『どのようにそうするのか』とただされると、その霊は、『わたしは行って、彼のすべての預言者たちの口を通して偽りを言う霊となります』と答えました。主は、『あなたは彼を唆して、必ず目的を達することができるにちがいない。行って、そのとおりにせよ』と言われました。今御覧のとおり、主がこのあなたのすべての預言者の口に偽りを言う霊を置かれました。主はあなたに災いを告げておられるのです。」(王上22:19-23)
 が、アハブ王はそれを信じず、ミカヤを獄へつながせ、ユダ王ヨシャファトと共に軍を率いて、ラモト・ギレアドへ攻めのぼった。
 それは苦しい戦いだった。迎え撃つアラムの王の軍は、イスラエル王アハブただ一人を標的としてイスラエルに抗戦した。そして、偶然ながらも結果的にアラムの軍は、変装していたアハブ王に傷を負わせた。
 「その日、戦いがますます激しくなったため、王はアラム軍を前にして戦車の中で支えられていたが、夕方になって息絶えた。傷口から血が戦車の床に流れ出ていた。日の沈むころ、『おのおの自分の町、自分の国へ帰れ』という叫びが陣営を中を行き巡った。」(王上22:35-36)
 王の遺体はサマリアへ運ばれ、埋葬された。池で戦車にこびりついた血を洗い流すと、かつて王上21:19にて主が告げた通り、王の血を犬の群れが舐め、遊女がそこで身を洗ったのである。
 アハブ王の事績、行ったすべてのこと、王が建てた象牙の家、町のことなどは『イスラエルの王の歴代誌』に記されている。
 アハブ王の御代は22年続き、崩御して後はサマリアに埋葬された。その子アハズヤが父王の跡を継いでイスラエルの新王となった。 

 ユダ王ヨシャファトは戦場に出たあと、どうなったのか? 実はアハブ王と間違われてアラムの軍に攻撃されますが、これはイスラエルの王ではないと相手が気づいたために命拾いした旨、本章32-33節には記されています。
 自分は変装して戦場に出て、ヨシャファトには「あなたは自分の服を着てください」と指示したアハブ王に如何なる戦略があったのか? おそらく敵の司令官に攻撃を集中して敵の統一を乱す古来からの戦術に則ったのでしょう。が、穿った見方もできないこともない、読み手に想像を逞しくさせる一節でありましょう。ちなみにティンデル:ワイズマン『列王記』では好意的な解釈をしております(P222)。
 ラモト・ギレアドはヨルダン川東岸内陸部に位置するギレアド地方の町で、イスラエルとアラムの国境付近にある(現在のテル・ラミト)。アラム王ベン・ハダドの全イスラエル領返還に伴ってラモト・ギレアドもイスラエルに返されるはずであった(王上20:34)。が、未だそれが為されていないため、冒頭にある奪還の相談という挿話が生まれてくるのです。
 ソロモン王が定めた12の行政区のうち、ベン・ゲベルが知事を務めた第6区に、このラモト・ギレアドがありました(王上4:13)。また、王下9:1-13にて預言者エリシャはこの地でイエフに油を注ぎ、彼を北王国イスラエルの王とします。



 ミスドでドーナツとパイを買い、寒さをしのごうと店内でコーヒーを飲んだ祝日の午後。
 ここ(ミスド)でコーヒーを飲むのは久しぶり。うむ、昔よりも、ぐっ、と美味しくなりましたね。でもさ、価格上がってね?
 100円セールの初日のせいか、ちょっぴり混み気味のウィンドウ前を横目に、年賀状用の小説にどんな結末を付けるかを、けっこう真剣に検討したのでありました。◆

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