第0410日目 〈列王記下第6章2/2:〈アラム軍の敗退〉1/2〉 [列王記・下]

 列王記下第6章2/2です。

 王下6:8-33〈アラム軍の敗退〉1/2
 アラムの王ベン・ハダドはイスラエル攻略の準備を着々と進めていた。そのため各地に陣を設けて敵を襲おうとしたが、イスラエルは預言者エリシャの警告を容れてそこを避け、警戒した。
 こんなことがたびたびあって、王は内通者があるのを疑った。家臣の一人がエリシャの存在を教えた。王が寝室で話す言葉まで神の人は知っている、と。ベン・ハダドは預言者エリシャの捕獲を命じ、部隊を差し向けた。エリシャのいるドタン(※1)の町を、捕獲隊が包囲した。
 それを見てエリシャの従者はおののいた。エリシャが主に祈って従者の目を開けさせると、彼の目には、エリシャを取り囲む火の馬と戦車が映った。
 アラムの捕獲隊がドタンを攻めた。エリシャは再び主に祈り、敵の目をくらませ、見えなくした。彼の曰く、「これはあなたたちの行く道ではない。これはあなたたちの求める町ではない。私についてきなさい。あなたたちの捜している人のところへ私が連れていってあげよう。」(王下6:19)
 彼ら捕獲隊の目が見えるようになると、そこはなんと、王都サマリアの中心であった。イスラエル王アハズヤは彼らを打ち殺そうとしたが、エリシャはそれを諫め、いまは捕虜となった彼らにじゅうぶんな食事を与えるよう指示。王は宴会を催し捕虜をもてなし、アラムへ帰した。かつて捕獲隊に属し、捕虜となった彼らは二度とイスラエルへ来なかった(※2)。

 その後、アラムの王ベン・ハダドは全軍でイスラエルを攻め、王都サマリアを包囲した。折からの飢饉に見舞われていたサマリアでは、物価が余計に高騰した。
 一人の女が、城壁の上を歩くアハズヤ王に訴えた。飢えをしのごうと、もう一人の女と互いの子供を食べようと約束しました、昨日はわたしの子、今日は彼女の子、なのに彼女は自分の子供を隠してしまったのです、と。
 王は衣を引き裂いた。民はそれを見た。
 王は叫んだ、━━
 「シャファトの子エリシャの首が今日も彼についているなら、神が幾重にもわたしを罰してくださるように。」(王下6:31)(※3)
 王はエリシャに使者を送った。それを既にエリシャは知っていた。彼は長老たちに、使者を門前払いするよう促した。あとからイスラエルの王アハズヤがやって来る、と知っていたからである。
 やがて使者が到着して、いった、━━
 「この不幸は主によって引き起こされた。もはや主に何を期待できるのか。」(王下6:33)

 ※1「ドタン」;王都サマリアの北方約14キロにある、イズレエル平野の要衝。ex:創37:17。

 ※2「二度とイスラエルへ来なかった」(原文「アラムの部隊は二度とイスラエルの地に来なかった」);何気ない短文だが背景を考えさせられる短文でもある。単に、彼らはその後のイスラエル攻略に参加しないでアラムの領内に留まったのか、エリシャ捕獲に失敗した上、捕虜となりアハズヤ王自らのもてなしを受けて帰国したことでなんらかの処罰(処刑など)が与えられたのか。
 個人的に引っかかりを感じ、そこに存在しただろう失われた物語を想像してしまう。

 ※3「シャファトの子エリシャの首が」云々;飢饉と敵の包囲をエリシャに責任転嫁している。うわべは預言者を糾弾しているが、その実、主自身に向けた王の悲痛な叫びに他ならない。
 また、王下6:33「この不幸は主によって」云々、新共同訳では使者がいったことになっているが、到着したアハズヤ王が口走った主への直接的な怒りの発露、と考える方が自然ではあるまいか?



♪Sunday Punch もうこれ以上
 ただ近くに いることさえ罪なんてね
 (中略)
 Sunday Punch キミの答え
 つらくないよ! 出逢えてホントに良かった♪
 (椎名へきる「Sunday Punch」より)
 ……おいら、だいじょうぶだよ。◆

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