第0412日目 〈列王記下第8章:〈シュネムの婦人への返済〉、〈ダマスコでのエリシャの預言〉他〉 [列王記・下]

 列王記下第8章です。

 王下8:1-6〈シュネムの婦人への返済〉
 かつてその子供を生き返らせたシュネムの婦人の許を、エリシャは訪れた。これより7年間、主がこの地方を飢饉に襲わせるので他の、人間が住める土地へ移れ、と教えに来たのである。
 婦人は夫と子供と友にペリシテ人の土地に移り、そこで7年間暮らした。
 飢饉が終わった頃、エリシャの従者ゲハジがイスラエル王ヨラムに、預言者が行った大いなる業の数々について話していた。話がシュネムの奇跡に至ったまさにそのとき、件の婦人が子供を連れて王宮へやって来た。
 王は婦人の口から奇跡を聞き、当の子供を目の当たりにした。そこで王は婦人の訴え━━シュネムの家と畑の返還を聞き入れ、移住した日から今日までの畑の収穫も彼女に返すよう命じたのであった。

 王下8:7-15〈ダマスコでのエリシャの預言〉
 エリシャがアラムの王都ダマスコに滞在していたときのことである。
 アラムの王ベン・ハダドは病床にあった。エリシャが都にいると知った王は、腹心の将ハザエルに、自分の病気が治るかどうか、訊きに行かせた。
 王は回復する、とエリシャは答えた。が、やがて泣き崩れてしまった。
 理由を問うハザエルにエリシャは、それはあなたがベン・ハダドに代わってアラムの王となり、イスラエルに災いをもたらすようになるからだ、と答えた。
 「ハザエルは、『どうしてあなたは泣かれるのですか』と尋ねた。エリシャは答えた。『わたしはあなたがイスラエルの人々に災いをもたらすことを知っているからです。あなたはその砦に火を放ち、若者を剣にかけて殺し、幼子を打ちつけ、妊婦を切り裂きます』
 ハザエルは、『この僕、この犬にどうしてそんな大それたことができましょうか』といったが、エリシャは、『主があなたがアラムの王になることをわたしに示された』と答えた。」(王下8:12-13)
 ━━ハザエルはベン・ハダドのところへ戻り、王の病気は治ると預言者がいっていました、と報告した。
 その翌日、ハザエルは王を窒息死させ、代わってアラムの王となった。
 (ex:王上19:15預言者エリヤへの主の言葉)

 王下8:16-24〈ユダの王ヨラム〉
 北王国イスラエルがヨラム王第5年に、南王国ユダの王に即位したのはヨラムである。32歳で王となった彼の御代は、王都エルサレムにて8年続いた。父ヨシャファト王との共同統治で、父の御代第18年に即位した(ex:王上22:41-51、王下1:17、王下3:1)
 ユダ王ヨラムの妻はイスラエル元王アハブの娘。それゆえにヨラムもアハブの道を歩み、主の目に悪と映ることを行った。が、ヨラムがダビデの家の者であるため、主はユダを滅ぼさなかった。
 このユダ王ヨラムの御代に、植民国エドムが反旗を翻し、自分たちの王を立てた。ヨラムは軍勢を率いて夜襲をかけ、エドムを破った。しかしエドム兵は自分たちの天幕に逃げ帰って、態勢を立て直した。斯くしてエドムはユダの統治から脱して独立したのである。この頃、リブナもユダに反旗を翻した。
 ヨラム王の事績、行ったすべてのことは、『ユダの王の歴代誌』に記されている。
 崩御しては先祖と共に“ダビデの町”シオンに埋葬され、その子アハズヤが次王となった。

 王下8:25-29〈ユダの王アハズヤ〉
 北王国イスラエルがヨラム王第12年に、南王国ユダの王に即位したのはアハズヤである。22歳で王となった彼の御代は、王都エルサレムにて1年続いた。母は、イスラエル元王オムリの孫アタルヤ。彼女はこのあと第9章で再登場する。
 ユダ王アハズヤはイスラエル王と共にアラム王ハザエルの軍と戦った。ラモト・ギレアドでイスラエル王が負傷し、イズレエルに退いた。ユダの王アハズヤはそれを見舞うため、イズレエルへ向かった。

 王下8:16-24に短い補足を。
 「エドム」は支配者不在のためユダが暫定統治、植民国化していた地でありました。
 「リブナ」は、ユダ平野に位置するレビ人の町(ヨシュ21:13)で、南王国とペリシテ領の国境からあまり遠くない場所にあります。使っている新共同訳聖書の巻末地図で確認すると、ペリシテ領エクロンのほぼ真南にあります。



 村上春樹訳すスコット・フィッツジェラルドの短編集『冬の夢』が単行本で出されました(中央公論新社)。このまま買ってしまうか、ブック・オフに出るのを根気よく待つか、思案の為所であります。
 表題作は訳者がいちばんに惚れこんだ短編で、十代のみぎりに分析まで試みた程の作物。先般出版された『若者はみな悲しい』(小川高義・訳 光文社古典新訳文庫)で初めて読んでからというもの、「村上訳ではどうなるのだろう」と、心秘かに楽しみにしていた短編なればこそ喉から手が出る一冊。
 『グレート・ギャツビー』冒頭の一節をずいぶんと上手く訳してあったのがきっかけで、ずっぽりはまりこんだ村上訳フィッツジェラルド。それゆえ遅かれ早かれレジへ持ってゆく姿は想像できるのだが、その店が果たして新刊書店なのか新古書店なのか、決めあぐねている。他にもいろいろ予定が、ねぇ……。
 ふむぅ。◆

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