第0510日目 〈歴代誌下第14章:〈ユダの王アサ〉1/3〉 [歴代誌・下]

 歴代誌下第14章です。
 並行箇所は王上15:9-24〈ユダの王アサ〉、だが同15:9-12のみ本章では該当。

 代下14:1-14〈ユダの王アサ〉1/3
 41年に渡る御代、アサは主の目に正しいと映ることを行い、主と心を一つにしていた。異神信仰のためのすべての祭具を取り除き(異国の神の祭壇と聖なる高台を撤去しアシェラ像を破壊するなど)、「ユダの人々に先祖の神、主を求め、律法と戒めを実行するために命じた。」(代下14:3)
 「こうして彼の統治下で国は平穏であった。主が安らぎを与えられたので、その時代この地は平穏で戦争がなかった。」(代下14:4-5)
 この頃、ユダの各地に砦の町が築かれていった。

 「(アビヤの子アサの)治世になって十年間、国は平穏であった。」(代下13:23)
 平穏はクシュ人の将軍ゼラが軍勢を率いて、ヌビア・エチオピア地方からユダ領内の砦の町ラキシュ北東にあるマレシャの町へ到達したことで破られた。
 アサは、マレシャに程近いツェフェタの谷でクシュ人を迎え撃った。彼は主を呼び求め、助けを願った。曰く、━━
 「わたしたちはあなたを頼みとし、あなたの御名によってこの大軍に向かってやって来ました。あなたはわたしたちの神、主であって、いかなる人間もあなたに対抗することができません。」(代下14:10)
 主はアサとユダの陣営の前でクシュ人を討った。アサとユダの戦士たちは敗走するクシュ人をゲラルの地まで追い、これを一人も残さず倒した。ユダが得た戦利品は多かった。
 アサとユダの軍勢はゲラル周辺の町も襲い、そのすべての町で恣(ほしいまま)に略奪した戦利品の数々も、クシュ人のそれと一緒に王都エルサレムへ運ばれた。

 王上15では粗述程度でしかなかったアサの記事が、歴代誌では3章にかけてあります。
 これは、歴代誌の著者の姿勢であると思います。主への信仰に忠実であったアサ王を、正しいユダの王の一人としてクローズアップすることで、バビロンからイスラエルへ帰還した民に先祖の神、主と心を一つにせよ、と教える歴代誌著者の。
 むろん、北王国イスラエルの諸王の記事を具(つぶさ)に描いた列王記を、ユダの側から補完する目的だってあったでしょうけれど。



 日本映画専門チャンネルの岡本喜八特集で、テレヴィ映画『幽霊列車』(1978 土曜ワイド劇場)を観ました。原作は赤川次郎のデヴュー作。
 その後、だんだんと原作から離れていったと記憶する『幽霊』シリーズ。だが、初めて(ようやく)観ることのできたその第一作は、原作の飄々とした雰囲気そのままなのが、実にうれしかった。丁寧で練れた演出に加えて寸分の隙もない脚本の出来映え。テレヴィ用の作品としては、クオリティの高い一作であります。
 田中邦衛と浅茅陽子のコンビのナイス・キャスティングは言わずもがな、殿山泰司、小沢栄太郎、天本英世など、実力ある人々が脇を固めているあたり、いまにしてみればなんとも贅沢。斯くも役者とスタッフに恵まれた映像作品には、そう滅多にお目にかかれるものではないでしょう。
 DVD化もされているそう(2001)ですが、まだ流通しているのかわかりません。◆

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