第0519日目 〈歴代誌下第23章:〈祭司ヨヤダとアタルヤ〉2/2〉 [歴代誌・下]
歴代誌下第23章です。
並行箇所は、王下11:4-20〈祭司ヨヤダとアタルヤ〉。
代下23:1-21〈祭司ヨヤダとアタルヤ〉2/2
……それから7年が過ぎた。祭司ヨヤダは決意した。百人隊の長たるエロハムの子アザルヤ、ヨナハンの子イシュマエル、オベドの子アザルヤ、アダヤの子マアヒヤ、ジクリの子エリシャファトと契約を結び、ユダを行き巡ってすべての町からレビ人とイスラエルの氏族の長を集めて、エルサレムに帰ってきた。すべての会衆は神殿のなかに集まり、前王アハズヤの遺児でやがて王となるヨアシュと契約を結んだ。
祭司ヨヤダは斯くいった、━━
「見よ、王の子を。主がダビデの子孫について言われた言葉に従って、彼が王となる。あなたたちがなすべきことはこれである。あなたたちのうち、祭司もレビ人も、安息日が出番に当たる者の三分の一は門衛となり、三分の一は王宮の中に、三分の一は礎の門にいなければならない。民は皆、主の神殿の庭にとどまれ。祭司と奉仕に当たるレビ人以外は、誰も神殿に入ってはならない。彼らは聖別されているので入ることができる。民は皆、主の戒めを守らなければならない。レビ人はおのおの武器を携え、王の周囲を固めなければならない。神殿に入る者は殺さなければならない。王が入るときも、出るときも、王と行動を共にせよ。」(代下23:3-7)
皆が皆、ヨヤダの言葉に従った。民は武装し、神殿は固められた。そうしてからヨヤダは王子ヨアシュを連れて来て、彼の頭上に戴冠し、掟の書を渡し、油を注いだ。斯くして━━
━━ここに新しいユダの王ヨアシュが誕生した。
民は歓呼した、「王様ばんざいっ!」と。
アタルヤは叫んだ、「謀反! 謀反だ!」と。
ヨヤダは命じた、「あの女を神殿から引きずり出せっ!」と。
新王ヨアシュの母、本来なら国母となるはずであった悪なるアタルヤは、神殿から引きずり出されると王宮の馬の門まで連れて行かれ、そこで殺された。
「ヨヤダは、自分とすべての民と王との間に、主の民となる契約を結んだ。すべての民はバアルの神殿に行き、それを祭壇と共に破壊し、像を打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。祭司ヨヤダは主の神殿の監督を祭司とレビ人に委ねた。」(代下23:16-18)
「(王が王宮に入り)国の民は皆喜び祝った。アタルヤが剣で殺された後、町は平穏であった。」(代下23:21)(「町」はエルサレムを指す)
引用箇所、代下23:16「ヨヤダは~契約を結んだ」が意味するのは、その直後に記されるバアルの残党狩りとその神殿の徹底破壊であります。
アタルヤは死にました。その支配は国中に及びましたが(代下22:12)、その効力は実は王都にのみ限定されていたのではないか(代下23:21)、と並行箇所を読んだときから思っています。ダビデの家の者の権力と威光だけがユダを隅々まで支配し、アタルヤ風情の権勢など、所詮は広く隈なく国内に及ぶとは到底思えぬからであります。
それもエルサレムのなかにあってもアタルヤとその一派の監視の目が届く範囲には、主のための神殿が入っていなかったことは確実でありましょう。すなわち彼女らは悪の道を歩んで主に背いたイスラエルの諸王の流れを汲む者であるがゆえに、神殿内部の捜索を怠った、と考えてしまうのです。もっとも、アタルヤたちにヨアシュ生存を疑う材料が果たしてあったかどうか、大いに疑問ではありますけれど。
それにしてもヨアシュと乳母たちは、よく7年も神殿のなかで堪え忍んでいられたものだ、と感心します。例え祭司ヨヤダやレビ人たちの救い手があったとしても。
迷った末に、樹海を舞台にした長編へ立ち帰ることとしました。変化に富んでいて、物語の全体像がはっきりと見えている。あとはラストの瞬間まで工夫を凝らして運んでゆくだけ。
なによりももう一方の長編を書いているときでも、こちらは一日たりとも自分のなかから忘れることがなかった。つまり、発表のアテもなく書き続けることを苦と思わず、楽しんで筆を進めることができるのであります。◆
並行箇所は、王下11:4-20〈祭司ヨヤダとアタルヤ〉。
代下23:1-21〈祭司ヨヤダとアタルヤ〉2/2
……それから7年が過ぎた。祭司ヨヤダは決意した。百人隊の長たるエロハムの子アザルヤ、ヨナハンの子イシュマエル、オベドの子アザルヤ、アダヤの子マアヒヤ、ジクリの子エリシャファトと契約を結び、ユダを行き巡ってすべての町からレビ人とイスラエルの氏族の長を集めて、エルサレムに帰ってきた。すべての会衆は神殿のなかに集まり、前王アハズヤの遺児でやがて王となるヨアシュと契約を結んだ。
祭司ヨヤダは斯くいった、━━
「見よ、王の子を。主がダビデの子孫について言われた言葉に従って、彼が王となる。あなたたちがなすべきことはこれである。あなたたちのうち、祭司もレビ人も、安息日が出番に当たる者の三分の一は門衛となり、三分の一は王宮の中に、三分の一は礎の門にいなければならない。民は皆、主の神殿の庭にとどまれ。祭司と奉仕に当たるレビ人以外は、誰も神殿に入ってはならない。彼らは聖別されているので入ることができる。民は皆、主の戒めを守らなければならない。レビ人はおのおの武器を携え、王の周囲を固めなければならない。神殿に入る者は殺さなければならない。王が入るときも、出るときも、王と行動を共にせよ。」(代下23:3-7)
皆が皆、ヨヤダの言葉に従った。民は武装し、神殿は固められた。そうしてからヨヤダは王子ヨアシュを連れて来て、彼の頭上に戴冠し、掟の書を渡し、油を注いだ。斯くして━━
━━ここに新しいユダの王ヨアシュが誕生した。
民は歓呼した、「王様ばんざいっ!」と。
アタルヤは叫んだ、「謀反! 謀反だ!」と。
ヨヤダは命じた、「あの女を神殿から引きずり出せっ!」と。
新王ヨアシュの母、本来なら国母となるはずであった悪なるアタルヤは、神殿から引きずり出されると王宮の馬の門まで連れて行かれ、そこで殺された。
「ヨヤダは、自分とすべての民と王との間に、主の民となる契約を結んだ。すべての民はバアルの神殿に行き、それを祭壇と共に破壊し、像を打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。祭司ヨヤダは主の神殿の監督を祭司とレビ人に委ねた。」(代下23:16-18)
「(王が王宮に入り)国の民は皆喜び祝った。アタルヤが剣で殺された後、町は平穏であった。」(代下23:21)(「町」はエルサレムを指す)
引用箇所、代下23:16「ヨヤダは~契約を結んだ」が意味するのは、その直後に記されるバアルの残党狩りとその神殿の徹底破壊であります。
アタルヤは死にました。その支配は国中に及びましたが(代下22:12)、その効力は実は王都にのみ限定されていたのではないか(代下23:21)、と並行箇所を読んだときから思っています。ダビデの家の者の権力と威光だけがユダを隅々まで支配し、アタルヤ風情の権勢など、所詮は広く隈なく国内に及ぶとは到底思えぬからであります。
それもエルサレムのなかにあってもアタルヤとその一派の監視の目が届く範囲には、主のための神殿が入っていなかったことは確実でありましょう。すなわち彼女らは悪の道を歩んで主に背いたイスラエルの諸王の流れを汲む者であるがゆえに、神殿内部の捜索を怠った、と考えてしまうのです。もっとも、アタルヤたちにヨアシュ生存を疑う材料が果たしてあったかどうか、大いに疑問ではありますけれど。
それにしてもヨアシュと乳母たちは、よく7年も神殿のなかで堪え忍んでいられたものだ、と感心します。例え祭司ヨヤダやレビ人たちの救い手があったとしても。
迷った末に、樹海を舞台にした長編へ立ち帰ることとしました。変化に富んでいて、物語の全体像がはっきりと見えている。あとはラストの瞬間まで工夫を凝らして運んでゆくだけ。
なによりももう一方の長編を書いているときでも、こちらは一日たりとも自分のなかから忘れることがなかった。つまり、発表のアテもなく書き続けることを苦と思わず、楽しんで筆を進めることができるのであります。◆
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