第0562日目 〈エズラ記第8章:〈バビロンから上って来た人々〉、〈旅の初めの祈り〉、〈エルサレムに到着〉他〉 [エズラ記]

 エズラ記第8章です。

 エズ8:1-14〈バビロンから上って来た人々〉
 ここではエズラに連れられてバビロンから上って来た家長とその家系が記録されている。これはエズ1にてゼルバベルに連れられてユダ/エルサレムへ上って来た人々に合わせて、〈第二次帰還〉と位置附けられる。
 エズラに連れられて上ったのは、総計1,514人であった。

 エズ8:15-20〈レビ人の勧誘〉
 アハワ(という地/町。現在地不明)に向かって流れる川のほとりで、<わたしたち>一行は野営した。すると、一行のなかにはレビ人がいないのがわかった。
 そこでエズラはカシフヤ(という場所)の頭イドの許へ使いを出し、神殿での奉仕に仕えるレビ人を寄越してほしい、と依頼した。イドはこれを諾い、レビの子マフリの一族のシェレブヤという有能な者をその兄弟18人と共に寄越し、他にも全部で240人のレビ人がエズラの許へ寄越されてきた。

 エズ8:21-23〈旅の初めの祈り〉
 アハワ川のほとりにて、エズラとその一行は旅の無事を祈って断食した。
 自分たちの護衛役を彼らは求めなかった。出立前、王に断った手前もあるからだ。
 いずれにせよ、願いは聞き入れられた。

 エズ8:24-30〈神殿の祭具を寄託〉
 エズラは祭司長のなかからシェレブヤとハシャブヤ以下10名を選び、出発に際してペルシアの人々(その地に残ったユダの民を含む)から神殿への礼物としてささげられた一切のものを、きちんと量って彼らに寄託した。
 それらはエルサレムに到着して、その地にいる祭司とレビ人の長、イスラエルの家長たちに渡されるまで厳重にあずかっているように、とエズラは命じた。

 エズ8:31-36〈エルサレムに到着〉
 エズラとその一行は第1の月の12日にアハワ川を出発し、やがてエルサレムに到着した。3日間休息を取り、4日目に寄託された礼物を祭司メレモト(ウリヤの子)に渡した。続けて彼らは、焼き尽くす献げ物をささげた。
 アルタクセルクセス王からの命令書は地方総督たちに手渡された。イスラエルの神殿と民は彼らの支援を受けられるようになったのである。

 ペルシアの後ろ盾を得て、ユダはいわば自治州として機能し始めたかに見えます。が、これは政治的には隷属を強いられた代償でもありました。
 つまりそれって、ギヴ・アンド・テイク、ということ。ペルシアとしても自分たちに得るところがなくては、捕囚を解放して先祖の地に帰らせ、神殿の再建に代表される信仰の回復を許可したりはしなかったでしょう。
 捕囚の子らの一人と雖もペルシア政府の高官であったエズラやネヘミヤを帰還させた理由は、専ら政治的理由によるのであります。



 ドストエフスキー読書計画、現在は『悪霊』上巻を読んでいます。
 地の文の語り口、その狡猾さは、『白痴』を超えているのでは?◆