第0583日目 〈エステル記第4章:〈モルデカイ、エステルを説得する〉〉 [エステル記]

 エステル記第4章です。

 エス4:1-17〈モルデカイ、エステルを説得する〉
 ペルシア全州のユダヤ人の間で大きな嘆きの声があがった。モルデカイも粗布をまとい、灰をかぶり、嘆きの叫びをあげ、王宮の門の前まで来たがなかへ入るのは許されなかった。
 エステルは伯父のことを女官たちから聞いた。事情を知るため、エステル附きの宦官ハタクが遣わされた。「エステル記」はこう伝える、━━
 「ハタクは王宮の門の前の広場にいるモルデカイのもとに行った。モルデカイは事の一部始終、すなわちユダヤ人を絶滅して銀貨を国庫に払い込む、とハマンが言ったことについて詳しく語った。彼はスサで公示されたユダヤ人絶滅の触れ書きの写しを託し、これをエステルに見せて説明するように頼んだ。同時に、彼女自身が王のもとに行って、自分の民族のために寛大な処置を求め、嘆願するように伝言させた。ハタクは戻ってモルデカイの言葉をエステルに伝えた。」(エス4:6-10)
 エステルの返事は躊躇いがちだった。なぜならこの国では、王の召しがない限りは何人も御前に出るのはまかりならず、現に自分さえ30日も召されていないのだ、と。
 モルデカイは説得を試みた。王宮のなかにいれば安全と思うな、「この時に当たってあなたが口を閉ざしているなら、ユダヤ人の解放と救済は他のところから起こり、あなた自身と父の家は滅ぼされるにちがいない。この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか。」(エス4:14)
 王妃エステルは決意した。スサの町にいるユダヤ人皆を集めて3日3晩、わたしのために断食してほしい━━定めに反して王(夫)の御前に出ることになるが、「このために死ななければならないのでしたら、死ぬ覚悟でおります」(エス4:16)といって。

 「この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか」とは、いやはや、なんとも凄味のある口説き文句であります。
 しかしこれは、別のいい方をすれば、もはや民族絶滅計画を挫くことができるのはエステルだけ、というユダヤ人社会の願望が極まった結果でもありましょう。
 このあとは、如何にしてエステルが王の前に出てハマンの計画を王に打ち明け、ハマンの野望を倒すことに成功するか否か、が物語の大きな焦点になってきます。



 すっきりしない気分を抱えたまま、なにとはなしに、叔母とおぐゆーさんの事を考える。
 で、そうしてからラヴェルとフォーレのピアノ曲を聴きながら、村上春樹を短編ばっかり読んだ。
 考えることは、様々にある。人生も同じだ。◆

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