第0654日目 〈ヨブ記第32章:〈エリフの言葉〉1/6〉 [ヨブ記]

 ヨブ記第32章です。

 ヨブ32:1-22〈エリフの言葉〉1/6
 3人の友は口を閉ざした。どれだけ反駁を試みても、ヨブに翻意を促すのは不可能だ、と悟ったからであった。
 代わってエリフが現れ、口を開いた。彼はいままで後ろへ控えて、4人の議論に耳を傾けていた。が、ビルダドらが沈黙してしまったのに遂にしびれを切らし、表舞台へ進み出ることとしたのである。
 エリフはまず、ヨブの見舞いに来て翻意を試み挫折した3人に怒りの言葉をぶつけた。
 ━━年長者ゆえの経験と知恵と分別を尊び、自分はこれまで発言を控えてきた。自分が出る幕はない、と思っていたからだ。
 しかし、実際はどうか。なにもできなかったではないか。相手をますます頑なにしただけだ。相手の言葉を否定し、神の道へ立ち帰らせるだけの論拠がなかったせいで。
 あなた方は「気を挫かれて、答えようとせず/言うべき言葉を失っている。」(ヨブ32:15)それゆえに自分は自らの言葉の言い分を述べよう。己の言葉と論法でヨブに語りかけ、翻意を計ろう。いうべきことは多くあり、腹の内で霊が自分を駆り立てている。
 「いや、わたしはだれの顔を立てようともしない。/人間にへつらうことはしたくない。/気づかずにへつらうようなことを言ったら/どうか造り主が/直ちにわたしを退けてくださるように。」(ヨブ32:21-22)



 突然登場したエリフは「ブズ出身でラム族のバラクエルの子」(ヨブ32:2)。ブズはアブラハムの弟ナホルの次男。ラムはヤコブ/イスラエルの12人の息子の一人ユダの息子ペレツの孫、ラムの系図を辿るとボアズ(ルツの夫)を経てダビデ王へ至る。エリフはアブラハムとイスラエルに縁ある者、という情報がここでは与えられている。が、このエリフ登場があまりに唐突ゆえ、この箇所が後代の差し込みである、との論もあるそうだ。
 ヨブ32にてエリフは、エリファズやビルダド、ツォファルを厳しく詰る。結局、<年の功より亀の甲>というわけか。ふむ。



 まだドストエフスキーには戻れない。熱中症にならないようにするためには、しばし太宰の世界に身を浸しておくより他はないのかもしれません。
 というわけで、現在は日本留学時代の魯迅を描いた中編「惜別」(新潮文庫『惜別』所収)を暇のまにまに読み進めている。こちらから手を着けたのは、同書所収の「右大臣実朝」はあとの楽しみにしたのと、魯迅『野草』(岩波文庫)を昨夜読んだせいです。
 仲秋あたりにはドストエフスキーに戻り、年明けには『未成年』と『カラマーゾフの兄弟』を消化しておきたいなぁ。そのあとは、トルストイとショーロホフだ!◆

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