第0753日目 〈詩編第061篇:〈神よ、わたしの叫びを聞き〉〉 [詩編]

 詩編第61篇です。

 詩61:1-9〈神よ、わたしの叫びを聞き〉
 題詞は「指揮者によって。伴奏付き。ダビデの詩。」

 お馴染みとなった主に依り頼む詩である。むろん、茶化しているのではない。ダビデがなんらかの事情で苦況に追いこまれた際の祈りとしては、最も緊密な空気を湛えた詩の一つというてよいだろう。
 予期せぬ出来事にあって崖っぷちに立たされるとき。四面楚歌に等しい状況に追いこまれ、心根が挫けそうになるとき。そういうときが、人生には何度もある。詩61はそんな経験を土台にして詠まれた作物だ。

 「神よ、あなたは必ずわたしの誓願を聞き取り/御名を畏れる人に/継ぐべきものをお与えになります。/王の日々になお日々を加え/その年月を代々に永らえさせてください。/王が神の前にあってとこしえの王座につき/慈しみとまことに守られますように。/わたしは永遠にあなたの御名をほめ歌い/日ごとに満願の献げ物をささげます。」(詩61:6-9)



 今日はやけに短いですね、と或る人はいうかもしれません。そうですね、本当にその通りだと思います。ご勘弁ください。頭痛に激しく悩んでいるのです。眠いのか、単に?
 でも、それを補うように今日(昨日ですか)は素晴らしい時間を体験した。新宿バルト9へ『シネ響 マエストロ6』を観に行ったのです。11時開始の回のみのため、ずいぶん久しぶりにラッシュ(も終わりかけた時間)の電車へ乗りました。今回はリッカルド・ムーティ=BPOの2009年ヨーロッパ・コンサート。舞台はイタリアのナポリ、ムーティの出身地。曲目はヴェルディの歌劇《運命の力》序曲、マルトゥッチの歌曲集《追憶の歌》(ヴィオレータ・ウルマナ:S)、シューベルトの交響曲第8番《ザ・グレート》の3曲。
 目当ては当然シューベルトだったのですが、ここで意外な掘り出し物が。おわかりでしょうが、マルトゥッチです。どれだけ意外だったかというと、帰りにタワーレコードで《追憶の歌》が収められたCD(NAXOS)を買ってしまったほど。感想の下書きは出来ているので、前回のアバド同様に「詩編」が終わったあと、完成稿を公開する予定でおります。
 いや、それにしても今回のノートには悩まされた。書いても書いても形にならず、濡れたティッシュが指のすき間からぼろぼろになってこぼれ落ちてゆくような感じ。これ、尊敬する殆ど唯一の存命作家スティーヴン・キングがライターズ・ブロックに陥っていた時を回想して述べた言葉の流用ですが、まさしく今回がこれだった。細かい字でびっしり書きつけたA5サイズのメモがPCのそばにありますが、同じ箇所を堂々巡りしている。文章や表現がまとまらぬだけでなく、話の筋道を立てようとするのに精一杯、という感じが、露骨に見て取れる。こんなことが続かないことを、切に願うばかりであります。
 ドストエフスキー『白痴』は未だ上巻ながら、じっくり呑気に読進中。いまP564。◆

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