第0847日目 〈詩編第145篇:〈わたしの王、神よ、あなたをあがめ〉&MJ「クライ」補記〉 [詩編]

 詩編第145篇です。

 詩145:1-21〈わたしの王、神よ、あなたをあがめ〉
 題詞は「(アルファベットによる詩)」

 主の御業を語り継ぎ、主による<とこしえの主権>と永遠の統治を讃える詩。第四ダビデ詩集の掉尾を飾るに相応しく、外へ向かうよろこびと感謝の想いに満ちあふれた作品である。数あるダビデ詩篇のうちでも最上の一篇、と断言してよかろう。
 イスラエルという主により選別された嗣業の民で構成された国家の王として、またサムエルによって頭へ油注がれて神の主権・統治を代理する者として、臣下・国民にして主の御言葉を胸へ刻む会衆を率いて、自分たちの神、万軍の王たる主を讃えるダビデ。その信仰が十全に吐露された詩篇として、なによりもこの詩145を尊びたい。そうでなくともこの詩は、神への讃歌として非常に心のこもったものである。優れた詩、とはこういう詩だ。
 マイケル・ジャクソンに「クライ」という歌がある。特にそのうちの一節が問いかけとなって詩145の祈りの詩篇を想起させること、こんな読み方も近頃わたくしはよくやっている。牽強付会(けんきようふかい)と揶揄されようけれど、斯様にゆるいつながりを思うての鑑賞が許されることも、「詩編」の懐の深さの証しといえるのでないか。そのMJの歌詞とはこうだ、━━「And will the sun ever shine/In the blind man's eyes when he cries?」(光を失った人が涙を流す時/その頭上にも太陽が降り注ぐんだろうか? [泉山真奈美・訳])

 「主よ、造られたものがすべて、あなたに感謝し/あなたの慈しみに生きる人があなたをたたえ/あなたの主権の栄光を告げ/力強い御業について語りますように。/その力強い御業と栄光を/主権の輝きを、人の子らに示しますように。/あなたの主権はとこしえの主権/あなたの統治は代々に。」(詩145:1-13)

 「主の道はことごとく正しく/御業は慈しみを示しています。/主を呼ぶ人すべてに近くいまし/まことをもって呼ぶ人すべてに近くいまし/主を畏れる人々の望みをかなえ/叫びを聞いて救ってくださいます。/主を愛する人は主に守られ/主に逆らう者はことごとく滅ぼされます。/わたしの口は主を賛美します。/すべて肉なるものは/代々限りなく聖なる御名をたたえます。」(詩145:17-21)



 「クライ」は生前最後のオリジナル・アルバム『インヴィジブル』の13曲目だが、当時はあまり注意の向かない歌であった。火事のあとでしみじみ耳を傾けてすごく気に入った。いまでもこの歌を聴くと、涙が出て来る。そうでなくとも、想いは沈潜してゆく。
 「ユー・ロック・マイ・ワールド」や「バタフライ」などに較べると霞みがちな「クライ」。が、それらよりもこの歌を偏愛している。すっかり歌詞も暗記しているぐらいだ。それゆえか、詩145を幾度も読んでいるうちにその世界がわたくしのなかに浮かびあがり、しっくり馴染んだのは。よければ聴いてみてください。◆

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