第1161日目 〈エレミヤ書第47章:〈諸国民に対する預言〉2/6withこれの原稿を書いていて口惜しいな、って思うこと。〉 [エレミヤ書]

 エレミヤ書第47章です。

 エレ47:1-7〈諸国民に対する預言〉2/6
 ペリシテ人に。
 ファラオがガザを攻撃する前に。

 ペリシテ人よ、お前たちの上に大きな災いが降りかかる。北から、大河の奔流の如くなって押し寄せるものがある。その勢いに呑まれて、男たちは叫び、住民たちは皆悲鳴をあげ、父親は力を失ってわが子を顧みることもできない。
 ティルスとシドンは最後の攻撃の援軍を断たれる。ガザは落ち、アシュケロンは破滅する。ペリシテ人は滅びる、カフトルの島にいる残りの者まで。かれらは主によって滅びる。━━平野に残る者よ、いつまでわが身を傷つけるのか。
 「災いだ、主が剣を取られた。/いつまで、お前は静かにならないのか。/鞘に退き、鎮まって沈黙せよ。/どうして、静かにできようか/主が剣に命じて/アシュケロンと海辺の地に向けて/遣わされたからには。」(エレ47:6-7)

 以前の繰り返しになりますが、もう一度、自分自身のためにも註釈を付けます。
 ティルスはカナン入植後、ヨシュアによってアシェル族に分配された土地にある、大海即ち地中海沿岸の町。城壁のある町としてヨシュ19:29で紹介されます。ティルスは、ダビデの王宮建設に際して杉材や石工、木工を提供し(サム下5:11)、エルサレムの神殿の備品作りで必要な青銅鋳造に必要な技術を教えました(王上7:13)。その後、アッシリアの侵攻はどうにか食いとめたものの、バビロニアの前には為す術もなく倒れることを余儀なくされ、ティルスの経済力・交易力は衰えてゆき、やがて地図からその町の名前は消えるのでありました。
 シドンはやはり地中海に面する漁業の栄えた町。ヨシュアによるアシェル族への土地分配にシドンも含まれていましたが、シドンから先住のフェニキア人を駆逐することはかなわず、その後、殊に北王国イスラエルとの宗教的交配が進み、アハブ王に至ってはシドン人の王女を妃に迎えるところまで堕ちた(王上16:31)。また、時の預言者エリヤは主の言葉に従い、シドンのサレプタに身を隠した(王上17:9-10 本ブログに於いては「第0384日目 〈列王記上第17章:〈預言者エリヤ、干ばつを預言する〉〉」をお読みいただければ幸いです。)。ティルスと並んでシドンは「富強を誇り、進んだ文化を誇るところがあったようで、イスラエルの預言者たちから非難されてい」た由(『新エッセンシャル聖書辞典』P457 いのちのことば社)。
 カフトルの島とは即ち今日のクレタ島。ペリシテ人とカフトル人は同一と見る意見もあるそうです。



 註釈を加えるに際して、100%自分の言葉で語ることができないのは口惜しい。対応する箇所をすぐに思い出したりできないこと、聖書辞典や注釈書、読み物などの力を借りないと難しかったりするのが口惜しい。
 日常的に聖書を繙いている人たちって、こういうことがすんなりできるのだろうか。わたくしは精々、「あ、これはどこかで読んだ/出てきたな/記憶にあるな」と思うが関の山ですからね……。◆

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