第1166日目 〈エレミヤ書第51章2/2:〈バビロンの滅亡の巻物〉with I'm Proud of You.〉 [エレミヤ書]

 エレミヤ書第52章2/2です。

 エレ52:59-64〈バビロン滅亡の巻物〉 
 ユダ最後の王ゼデキヤが即位して四年目。王と共にバビロンへ、ネリヤの子セラヤが宿営の長として随伴することになった。その際、エレミヤはかれを呼んで、主の言葉を書き記した巻物一巻を渡して命じた。曰く、━━
 これにはバビロニアにまつわる事柄が書いてある。あなたはバビロンへ到着したら捕囚となった同胞(はらから)の前で、注意深くこの巻物を朗読しなさい。そうして、こういいなさい。主はこの場所を滅ぼして人も獣も住まない永久の廃墟とする、と仰った、と。
 そのあと、巻物を直して石を結わえ、ユーフラテス川へ投げこみなさい。そうして、こういいなさい。このようにしてバビロニアは沈んで再び現れることがない、わたし主が降した災いゆえに、と仰った、と。

 ……以上が、主により召命されて、ユダ王国滅亡/エルサレム陥落とユダヤ人の離散、捕囚となる様子を目撃し、残存した同胞のエジプト亡命に巻きこまれてかの地にて寄留を余儀なくされた、〈哀しみの預言者〉エレミヤが語った言葉である。

 「エレミヤ書」事実上の終わりであります。
 セラヤの父はネリヤ。即ちセラヤは、巻物を書き記したバルクと兄弟であります。兄弟であるかれがバイロンへ行くことも奇なら、巻物を朗読・沈める役を任せたのも奇といえましょう。セラヤ・バルクの父ネリヤ、かれらの祖父マフセヤは共に、兄弟の紹介の折に名が登場するに留まります。ちなみに、バルクの系図が旧約聖書続編(外典)の一、「バルク書」1:1に出ております。こちらも年経て後の日に読む機会が出てくるでしょう。
 エレミヤがセラヤに渡した巻物は、バルクに二度目に書き留めさせた巻物と同じでしょうか。件の巻物については誰彼が破損させた、とか、そんな記述はないので、同じだと考えてよろしいかと思います。

 預言者エレミヤの読み物はここに終わります。中断を挟んだので実感はなかなか得られませんが、旧約聖書でも特に読み応えがあり、胸深く響くものを持つ一巻であります。「創世記」や「出エジプト記」、「ルツ記」、「ヨブ記」、「詩編」などと共に何度も繰り返して読んでとても感銘を受けること大で、その度に違った発見がある奥の深い一冊であります。
 旧約聖書を全部読み終えた後、再びこの書物に戻ってくるのもいいかもしれないな、と見果てぬ夢に似た思いを抱いているさんさんかでありました。
なお、エレミヤはエジプトにそのまま寄留して、最後は原住民によって鋸で挽かれて殺害された、との伝承があります。諸説あるようですが、いずれにせよ、エレミヤの晩年や最後についてははっきりわからない、というのが本当のところであるようです。



 あなたが健康で、しあわせでいてくれると良いな。この道を守らば君を守るらむ……、か。あなたを愛したことがわたくしの誇りです。◆

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