第1234日目 〈エゼキエル書第23章:〈オホラとオホリバ〉1/2with4月の楽しみ;スティーヴン・キング&村上春樹〉 [エゼキエル書]

 エゼキエル書第23章です。

 エゼ23:1-35(49)〈オホラとオホリバ〉1/2
 かつて母を同じうする二人の娘がいて、共にわたしのものとなり、それぞれに子供を設けた。姉の名をオホラ即ちサマリアといい、妹の名をオホリバ即ちエルサレムといった。彼女たちは揃って淫行に耽り、多くの男たちへ体を委ね、自らを汚した。姉は専らアッシリアの支配階級、富める者らへ身を任せた。「それゆえ、わたしは彼女をその愛人の手に、彼女が欲望を抱いたアッシリア人の手に渡した。彼らは彼女の裸をあらわにし、彼女の息子、娘たちを奪い、ついに彼女を剣で殺した。このように彼らは彼女を裁き、彼女は女たちの物笑いとなった。」(エゼ23:9-10)これが姉オホラの末路である。
 妹オホリバはどうであったか? 彼女は姉よりも非道かった。欲情は更に激しく、淫行はより放埒となった。彼女はアッシリア人のみならず、カルデア人にも目を留め、自ら使者を遣わしてかれらを呼び招いたのである。「バビロンの人々は愛の床を共にするために彼女のもとに来たり、淫行をもって彼女を汚した。彼女は彼らと共に自分を汚したが、やがてその心は彼らから離れた。彼女がこれ見よがしに姦淫を行い、裸をあらわにしたので、わたしの心は、姉から離れたように彼女からも離れた。彼女はかつてエジプトの地で淫行を行った若いころを思い起こして、淫行を重ね」(エゼ23:17-19)、「彼女はエジプトでその若い乳房を握られ、乳首を摘まれた若い日の不貞を再び味わった」(エゼ23:21)のである。
 オホリバよ、わたしはお前にこうする。お前が心を離した男たちを武装させ、立ち向かわせる。わたしがお前をかれらに委ねたので、かれらはかれらなりのやり方でお前を裁く。わたしは熱情を以てお前に向かい、かれらは憤りを以てお前をあしらう。かれらはお前の息子、娘たちを遠くへ連れてゆき、残った者は火に焼き尽くされる。連れてゆかれた者は、わたしによって不貞と淫行を止めさせられ、もはやエジプト以来のそれを思い起こすことはない。
 「わたしはお前が憎む者の手に、既にお前の心が離れてしまった者の手にお前を渡す。かれらは憎しみをもってお前をあしらい、労苦によって得たものを奪い、お前を裸にして捨てる。お前の淫行と不貞と姦淫は行い、裸にされて裁かれる。これらのことが臨むのは、お前が諸国民と姦淫を行い、彼らの偶像によって身を汚したためである。お前は姉の歩んだ道を歩んだので、わたしは彼女の杯をお前の手に渡す。」(エゼ23:28-31)
 「お前はわたしを忘れ、わたしを後ろに投げ捨てたのだから、不貞と淫行の責めを自分で負わねばならぬ。」(エゼ23:35)

 さんさんかのコメントは明日に廻します。書いてみたら意外と長くなってしまったので。
 あの。〈カルデア人〉=〈バビロンの人々〉、これはもうおわかりですよね?
 エゼ23:31他にある「杯」について僅かながら付記を。個々の文脈で若干意味合いは変わることありと雖も、杯は概ね神の裁きや主の怒り、或いは災いなどを象徴することが多い。引用箇所、また続く韻文の部分についても然りであります。ん、インディ? あれは聖杯(グラール)伝説でしょ。もうちょい先の時代のお話しだね、それは。
 うーん、韻文の部分も引いておきましょうかね、まだ時間はあるし。曰く、――「お前は嘲られ、侮られる。/杯は満ち溢れている。/お前は酔いと悲しみで満たされる。/恐れと滅びの杯/お前の姉サマリアの杯/お前はそれを飲み干して/杯のかけらまでかまねばならない。」(エゼ23:32-34)
――嗚呼、お前は酔いと悲しみで満たされる、か……。



 今月のお楽しみはプルースト『失われた時を求めて』第3巻と三上延『ビブリア古書堂の事件手帖』第4巻(出たのは先月だが買ったのは今月なので、ここでカウントさせてね!)、西崎憲編訳『短編小説日和 英国異色傑作選』、永野護他『F.S.S トレーサーEX.2』であった。あ、本の話ね。
 で、来月4月はどうか、というと、これもまた数的には心細くて、段々と買いたい本が消えてゆくような淋しさと、恐ろしさと侘びしさをも覚える昨今でありますが、それでも今月を遥かに上回るビッグ・タイトルが控えている(感じ方には個人差があります)、この無常のしあわせと喜び。
 ご承知の方もあろうが、1冊は村上春樹の新刊長編『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』、もう1冊は(やっと来た!)スティーヴン・キングの中編集『Full Dark,No Stars』から後半戦『ビッグ・ドライバー』である。
 村上春樹の新刊にまつわる情報はタイトルと著者コメントのみ。故にこれ以上はなにも書くべきことを思い付かぬ。が、それでも、と想像するのは書名にタイトルが紛れこんでいるからに他ならないのだが、『国境の南、太陽の西』の如く新作でもフランツ・リストの作品、その名も《巡礼の年》全3巻がモティーフとなるのかなぁ、ということ。うん、それだけです。
 もう一つのキング作品についてですが、……これは刊行されたときにまた騒ぐとします。前半戦である『1922』は未読なんだけれどねぇ……えへ。
 でも、発売日は同じだろうな? 村上春樹の新刊は4月12日刊行が決定された。キングも同じ日ですよね、単行本と文庫の違いこそあれ共に文藝春秋社ですものね……? ばらばらに買いたくないんじゃ! それだけの話。◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。