第1247日目 〈エゼキエル書第32章:〈ファラオに対する嘆きの歌〉with「私の声が聞こえますか?」〉 [エゼキエル書]

 エゼキエル書第32章です。

 エゼ32:1-32〈ファラオに対する嘆きの歌〉
 第12年12月1日、主の言葉。ファラオに向けての嘆きの歌、――
 滅びに定められた者、汝ファラオよ。お前はナイル川に生息する鰐のようだ。多くの民がお前に網を投げ、引きあげる。わたしはお前を大地に投げ出し、野に捨て、鳥と獣の食料とする。お前の血はエジプトの地に注がれる。
 汝ファラオよ、お前が倒れるとき、わたしは空のすべての光を暗くし、地を闇で覆う。剣を振り下ろしてお前が倒れるとき、諸国民は命に不安を感じて絶え間なく震える。
 諸国のうちで最も暴虐なるものをわたしは差し向ける。その名はバビロニア。かれらはエジプトの誇りを踏みにじる。お前の軍隊を滅ぼし、民を散らし、エジプトの地からは生きとし生けるものの姿がなくなる。ナイルの流れは清らかに澄み、静穏となる。
 「わたしはエジプトの地を荒廃させ/その地を満たしているものを荒れるにまかせる。/わたしがそこに住むすべての者を撃つとき/彼らは、わたしが主であることを知るようになる。」(エゼ32:15)
 ――これは嘆きの歌である。

 第12年12月15日、主の言葉。
 剣に倒れたエジプト/ファラオとその軍勢は、地の最も低い所、即ち陰府の世界へ下ってゆく。永遠の死者を道連れに、下ってゆく。陰府の暗闇のなかから、エジプトとその同盟者(国)へ語りかける者がある。その者はいう、男でありながら戦士ではない男と剣に倒れた者は等しくこの場所に横たわれ、と。
 陰府にはアシェルとその仲間たちがいる。(バビロニア勃興以前の)生ける者の地で最も恐れられたアッシリアは、陰府のいちばん深い場所に墓がある。また、そこにはエラムとそのすべての軍勢、メシェクとトバルの軍勢、エドムの王と君候たちがいる。北のすべての君主とシドンのすべての人々も然り。かれらは辱められ、男でありながら戦士でない男たち、剣に倒れた者たちと横たわっている。――ファラオはかれらを見て、失った軍勢について慰められる。
 まこと、わたしは生ける者の地に恐怖を置いた、と主はいう。

 第25章から始まった諸国への預言は本章を以て終了。エルサレムの経済的弱体化を喜ぶティルスの次に、主の憤りの矛先はエジプトに向けられた。全体を通じて、王権の弱体化と国力の衰退が語られる。本章にてファラオは陰府で、かつて自分たち同様イスラエルを苦しめた諸国の顛末を知って安堵した。
 ――斯くして円環は閉じられるのであります。
 ハーレイ他に拠れば、前585年3月、エルサレム陥落8ヶ月後の記事。


 あなたにわたくしの声は聞こえているだろうか。姿を見ることができないなら、せめて声だけでも届けたい。あなたが道に迷わないように、あなたが孤絶しないように、あなたが誰かを排斥しないように、見守ってゆきたい。◆

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