第1305日目 〈ホセア書第4章:〈主の告発〉withR.E.ハワード《コナン》シリーズ、ようやく完結!〉 [ホセア書]

 ホセア書第4章です。

 ホセ4:1-19〈主の告発〉
 イスラエルよ、聞け。わたしはこの国の住民を告発し、一掃する。この国には秩序も礼儀もなく、蛮行が蔓延り、流血に流血が重ねられているからだ。
 祭司は神を知ることがなく、知識を退け、律法を忘れた。それゆえにわたしはお前を退け、忘れる。
 わたしへの罪を重ね、贖罪の献げ物を食べ、淫行に耽る。それがためにわたしはレビ族の栄光を恥に変え、妻と目合(まぐわ)っても子供が出来ないようにする。
 淫行の霊に惑わされた祭司たちは、偽りの言葉を託宣と思いこむ。かれらは丘の上のポプラの木陰でバアルのために香を焚く。妻と娘は貞淑を捨てて淫婦となるが、わたしはそれを咎めない。
 どこまでも堕ち行け。悟らぬ民は滅びよ。
 イスラエルよ、お前たちは罪を犯しても、ユダには罪を犯させるな。
 ゆめ、主は生きている、などというな。
 イスラエルは頑なにわたしを拒む。エフライムはバアル神の虜だ。かれらはもう放っておこう。
 「彼らは酔いしれたまま、淫行を重ね/恥知らずなふるまいに身をゆだねている。/欲望の霊は翼の中に彼らを巻き込み/彼らはいけにえのゆえに恥を受ける。」(ホセ4:18-19)

 民のみならず祭司も断罪の対象となった。イスラエル=エフライムの道徳が崩壊した原因の一つは、祭司たちのモラルが崩壊したからだ、という理由で(ex;ホセ12-13)。
 秩序も正義も礼儀も、なにもかもが崩壊したイスラエルは、主に見捨てられた。もう放っておけ、あとは自滅の時を待つだけだ、といわんばかりに。
 イスラエルの轍をユダに踏ませるな。主はそういいます(ホセ4:15)。ユダはいまなおダビデ王朝であり続けるがゆえ。ユダがたびたびながら危険を回避できたのは、主の道を正しく歩んだ王もいたからです。王の信仰が確かならば、祭司の行う祭儀も偶像崇拝から離れる。そんな由縁もあって、ユダはイスラエルよりも長く存続できたのです。



 何年掛かったのか、創元推理文庫版《コナン》シリーズの完結までは? 最終の第6巻が4年ぶりに発売され、頓挫の悪夢が避けられたことを歓喜したファンは多かったはず。わたくしもその一人だ。
 これまでハワード自筆原稿から離れたところで親炙してきた《コナン》シリーズだが、21世紀になってやっとオリジナル尊重の校訂が施された真《コナン》シリーズが登場し(第1巻、第6巻解説参照)、わずかのときを隔ててわれら極東の島国に住まうヒロイック・ファンタシーを愛す者らへ届けられた贈り物が、完結した。わたくしはこのジャンルの良い読者ではないが、この慎ましやかな饗宴に祝辞を述べるぐらいは許されるだろう。
 完結編である第6巻は、作者R.E.ハワード自身の手になるシリーズ唯一の長編『龍の刻』(“The Hour of the Dragon”)。かつてハヤカワ文庫SFから団精二こと荒俣宏・訳で『征服王コナン』として刊行されていた。父アイザックからH.P.ラヴクラフトとE.ホフマン・プライスに宛てた書簡が資料編として載る。この2通の書簡がまた涙なくしては読めない逸品なのだ。大袈裟かな?
 未読で古本屋の棚にシリーズを見附けた方は躊躇なく買うべし。ここに本能へ訴えかける冒険の歴史が埋まっている。◆

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