第1311日目 〈ホセア書第9章2/2:〈預言者への憎しみ〉&〈ペオルとギルガルにおける罪〉〉 [ホセア書]

 ホセア書第9章2/2です。

 ホセ9:7-9〈預言者への憎しみ〉
 イスラエルの犯した不義、不貞は目に余る。かれらが神の家や預言者に抱く敵意は激しい。為に預言者は愚か者と、霊の人は狂っていると罵られる。エフライムは神と共にある預言者を罠にかけ、行く手を邪魔しようとする。往古、ギブアの地でベニヤミン族がしでかした姦淫と犯行の日々のように、イスラエル/エフライムの堕落は根深い。主はかれらの不義、不貞を心に留め、その罪を裁く。裁きの日が来る。決裁の日が来る。

 ホセ9:10-17〈ペオルとギルガルにおける罪〉
 荒れ野でぶどうを見附けたのに似た思いで、わたしはイスラエルを見出した。が、かれらは蕃神(バアル・ベオル)を敬い、依り頼んだ。そうすることで、ますます恥に身も心も溺れさせ、忌むべき者となった。
 ギルガルこそかれらの犯す悪の中心。そこは偶像崇拝の中心(の一)。わたしから心を離したかれらの向かう先。その地でわたしはイスラエルを憎み、わたしの家から追放する。わたしはもうかれらを許しておけない。
 いまやエフライムの栄光は去り、女が子を産んで人口が増えることもない。誰かが子を育てるようなことがあれば、わたしは残らず奪ってゆく。「その胎の実、愛する子をわたしは殺す。」(ホセ9:16)
 かれらは神に聞き従わなかったせいで退けられ、諸国を彷徨う者となる。哀れと思うな、情けをかけるな。すべて自業自得のなせる業。

 ふりがなを振ったバアル・ベオルは「ベオル(地)のバアル神」の意味であります。
 ギブアの地でベニヤミン族がしでかした姦淫と犯行について述べますと、これはまず「士師記」第19章に載る出来事が基になっております(第0243日目)。即ち、
 ――ギブアの地でベニヤミン族のならず者が、滞在中であったレビ人の側女を犯し、そこに住むエフライム出身の男の娘を犯した。レビ人は家に帰ると側女の遺体を12に切断して全部族に送り付けた。「イスラエルの人々がエジプトの地から上ってきた日から今日に至るまで、このようなことは決して起こらず、目にしたこともなかった。このことを心に留め、よく考えて語れ。」(士19:30)――
 堕落はこの一事を以ても明らかである。なにやら神はそういいたげです。
 ギルガルは、主がヨルダン川の流れを塞き止めて渡河を助けてくれたことに感謝したイスラエルが12個の石を川のなかに置いた場所でした(ヨシュ4:19、24)。またここは、イスラエル王国初代王サウルがサムエルに油注がれて即位した場所であり(サム上11:14-15)、サウル王が2度にわたって主の命令、サムエルの指示に反した行いをした場所であります(サム上13:1-15、同15)。これはサウルの命運を分ける行為でもありました。
 地名の後ろには必ず歴史があります。億劫がらずに都度、前のページに戻って読み返すと、聖書は面白く読めると思います。これは聖書に限らず、史書や歴史物語などに於いても然りであります。
 反復読書するたび新たな発見がある。これも聖書読書の愉しみの一つだと思います。◆

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