第1333日目 〈アモス書第9章:〈第五の幻〉、〈全世界の神〉&〈後の日の回復〉with南木佳士、讃〉 [アモス書]

 アモス書第9章です。

 アモ9:1-6〈第五の幻〉
 わたくしに示された幻、――主が祭壇の傍らに立っている。
 祭壇の柱頭を打って敷石を揺り動かせ。すべての者の頭上で祭壇を砕け。下敷きとならずに済んだ生き残りの者皆を、わたしは剣で殺す。誰も逃れられない。陰府へ、天上へ、カルメルの頂へ逃れても、探し出して引きずり出す。海の底へ逃げたら蛇に追わせて咬み殺させよう。敵に捕まっていたら敵に殺させよう。わたしの目は生き残った者の上にあるが、それは幸いではなく災いのためだ。そう主がいった。
 主なる神が触れれば大地は大きく震えて盛り上がり、或いは沈む。民はその御業と被害に泣き叫び、悲しみの声をあげる。それを行うはイスラエルの万軍の主。

 アモ9:7-10〈全世界の神〉
 主の目は悪に染まった王国へ向けられる。わたしはそれを地上から絶つ。しかし、ヤコブの家は滅ぼさない。篩に掛けられてもその網目から小石一つ落ちないように、わたしはイスラエルの家を滅ぼさない。
 但し、罪ある者は除く。かれらはわたしが剣で殺す。かれらは自分たちに災いが及ぶとは、わずかにも考えていない。

 アモ9:11-15〈後の日の回復〉
 その日、わたしは倒れたダビデの家を復興させて、昔日の繁栄をかれらに与える。エドムの生き残りと、わが名で呼ばれるすべての国を、回復したダビデの家に治めさせる。――その日、地の実りは人を潤す。
 「わたしが与えた地から/ふたたび彼らが引き抜かれることは決してない。」(アモ9:15)

 専ら後半についての話になりますが、やがて訪れる北王国イスラエルの滅亡のみならず、ここではその先にある南王国ユダの滅亡までをも視野に入れた預言がされているのにお気附きいただけるでしょうか。そこでは同時に、全イスラエルの回復も預言されています。
 分断された2つの王国の滅亡と、ユダ即ちダビデの家の復興を見据えて出された主の言葉の数々を、ここで立ち止まって改めて顧みることがいちばんの鑑賞となりましょう。第9章は「アモス書」のあちこちにちりばめられた主の言葉を集約した章であります。
 ――「アモス書」は本日を以て終わりになります。お読みくださってありがとうございました。明後日から次の「オバデヤ書」、間を置かず「ヨナ書」に入ります。



 好きだが単行本は買わず文庫になるまで待つ作家の一人が南木佳士。氏の作品には飾り気ない治癒力が宿る。火事で家と父を失ったあと氏の小説にどれだけ慰められたろう。煤と煙と水のなか残った文庫は悪夢と喪失感から立ち直る杖となった。短編集『先生のあさがお』が文春文庫から今月出た。これから読む。◆

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