第1348日目 〈ミカ書第5章:〈終わりの日の約束〉2/2with早朝の草刈り〉 [ミカ書]

 ミカ書第5章です。

 ミカ5:1-14〈終わりの日の約束〉2/2
 「エフラタのベツレヘムよ/お前はユダの氏族の中でいと小さきもの。/お前の中から、わたしのために/イスラエルを治める者が出る。/彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。」(ミカ5:1)
 「彼は立って、群れを養う。/主の力、神である主の御名の威厳をもって。/彼らは安らかに住まう。/今や、彼は大いなる者となり/その力が地の果てに及ぶからだ。/彼こそまさしく平和である。」(ミカ5:3-4)

 ――アッシリアが来襲して国土を荒らし、町を壊し、城郭を踏みにじろうとしても、われらイスラエルは立ち向かってこれに抗う。そうして7人の牧者、8人の王が立てられる。かれらは剣でアッシリアを、ニムロドの国を牧す。外敵来たると雖もかれらによってわれらは救われる。
 ヤコブは獅子、羊の群れのなかにいる若獅子のよう。進めば相手を踏みつぶし、引き裂けば相手は助からない。敵へ手をあげれば、すべて倒れる。

その日が来たら、と主はいう。イスラエルのなかから軍馬と戦車を滅ぼし、町と砦を撃ち壊す。一切の偶像崇拝と異教信仰がイスラエルから絶たれる。祭壇も祭具も皆一様に。
 それを主が行う。斯くしてイスラエルは清らかとなり、回復する。

 行政単位としての町や砦は、もはや神の前になんの意味も持たない。先日の繰り返しになりますが、ただ主により統治される永遠の神の国があるだけだ、と、預言者ミカは主張するのであります。かれの主張が当時の人々にとってどれだけ耳を傾ける価値があったか知る術はありません。が、アモスやエゼキエルのような激烈さを欠く分、エレミヤのような嗚咽と湿っぽさを孕んでいない分、それを聞く土地の人々にはわかりやすく、却って信じられるものを感じたかもしれない、と思うのであります。
 ベツレヘムに関して少々。エフラタはベツレヘムの旧名か、或いは近郊にあった町だが伝承が進むにつれて2つは同一視されるようになった、とされます。引用もしたミカ1:1はメシア預言であるのはお読みいただけばわかりますが、メシアがベツレヘムで生まれる、と記すのは「ミカ書」だけであります。その人は永遠の昔に存在した王の再来である。即ちメシアは第2のダビデ王である。ミカの故郷からそれ程遠くない村ベツレヘムに生まれるその人は、名をイエスをいいます。
 ニムロドの国とはどこか? この文脈にあれば、アッシリアの神ニムルタである、とする考え方が自然でありましょう。その上で「ニムロドの国」を「神ニムルタを崇めるアッシリア」と判断して文章を作りました。また、アッシリアとの並記によりこれをバビロニアの神ヌ・マラドとする考えもあるらしい。ミカの時代、バビロニアはアッシリア領であったから、その後の歴史展開を視野に入れれば頷けなくもないが、あまりに史実へ引き寄せた穿った見方のように思えます。
 ミカ5:4にある「7人の牧者、8人の王」がなにを指すのか、わかりませんでした。メシアの僕とか、そんなあたりをいうのかな、と思うのですが……。

 「ヤコブの残りの者は/多くの民のただ中にいて/主から降りる露のよう/草の上に降る雨のようだ。/彼らは人の力に望みをおかず/人の子らを頼りとしない。」(ミカ5:6)



 梅雨の間にすっかり背丈を伸ばして、天に向かってぐんぐん育ってゆく草、草、草。別称を雑草と総括される植物の群れ。膝丈ぐらいまである。ジャングルのミニチュアです、といっても通るのではないか、と危惧する一角に早朝から、鎌を片手に足を踏み入れて、しゃがみ、根っこから絶やさんと殆ど土をほじくり返すにも似た作業を開始した。なにやら気分は土地の造成、開発業者。
 朝5時半頃から始めて朝日を存分に浴びながらの作業は、滴り落ちる汗には参ったけれど、とっても清々しくて、草に触れて土とまみれている喜びが全身を満たしてゆく。
 心が洗われるようだ、とまでは流石にいわないけれど、やはり人間は土と触れ合って生きるべき生物なのかな、とは考えさせられた。コンクリートと同胞、異邦人に囲まれた街中で生きる空虚さを思うと、土の臭いと草の臭いにまみれているこの短な時間がなによりも貴重に思えてくる。
 刈った草はその場に寝かせて枯れさせてからゴミ袋へ入れる。草を刈ったその場所にさっきまで射していた朝陽はもうない。天頂を目指す太陽はだいぶ高いところにいた。その場所には柿と梅の木が残る。どちらもわたくしが生まれる前からここにあり、祖父母が両親が大切にしてきた木だ。青くて小さい柿が6つ生っている。秋になったら熟した柿が、今年は幾つ食べられるかな……。
 一時はここでバラを育てようか、と真剣に考えたりしたものだが、その思いは未だ諦められない。柿と梅の木を取り巻くように育ち、咲くバラ。なかなかオツではありませんか?
 そういえばバラを愛する女の子と留学帰りの男子、その元カノの三角関係を描いた久美沙織『薔薇の冠、銀の庭』(集英社コバルト文庫)という小説がありました。好きだったなぁ。またヘルマン・ヘッセ『庭仕事の愉しみ』(草思社文庫)も良かったな。◆

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