第1520日目 〈トビト記第7章:〈ラグエルとの出会い〉&〈トビアとサラの出会い〉with未だ無名なる物書きの心に、ちかごろ囁きかけるもの。〉 [トビト記]

 トビト記第7章です。

 トビ7:1-9 1/2〈ラグエルとの出会い〉
 エクバタナに到着したトビアとアザリアはラグエルの家に向かった。
 ……ニネベからの旅人を家の戸口で迎えたラグエル(かれはトビアを見て、この若者はわたしの知る人トビトになんと似ているのだろう、と妻にいった)。トビアらがニネベ捕囚の同胞と知るや、では兄弟トビトを知っていますか、元気でおりますか、と訊く。トビアは一々首肯し、わたしはそのトビトの息子トビアです、と名乗った。
 これに感激したラグエルはトビアを抱きしめた。「あなたの父親はすばらしい人です。施しに励む正しい人が失明するとは、なんと悲惨なことか。」(トビ7:7)
 ――ラグエルは家畜の群れのなかから雄羊を一匹選んで屠り、この若者を歓待した。

 トビ7:9 2/2-17〈トビアとサラの出会い〉
 トビアの希望を知ったラグエルは娘を妻に与える旨、約束した。あなただけがサラの夫になれるのです、すべて主が良きように取り計らってくれます。
 ラグエルはモーセの書の定めに従ってサラをトビアに与えた。曰く、――
 「今から後、あなたは娘の夫であり、娘はあなたの妻です。娘は今日からいつまでもあなたのものです。子よ、天の主が今夜、憐れみと平安のうちにあなたがたを守ってくださるように。」(トビ7:11)
 また、サラをトビアの前に連れてきて手に手を取り合わせて、「娘をあなたに妻として与えるよう命じているモーセの律法の定めに従って、彼女を連れてゆきなさい。彼女をめとり、無事にあなたの父のところへ連れてゆきなさい」(トビ7:12)と。パピルス紙に結婚の契約を書き記したのである。
 ラグエルは妻エドナに、新婚夫婦のために誂えた部屋へサラを連れてゆきなさい、と命じた。エドナはそうした。彼女は娘の不憫なること、花婿の末路を思うて泣いたが、やがて涙をぬぐい、同じように不安と恐れと哀しみを抱く娘を慰めて元気附けた。

 エジプトを原産とするパピルス紙が遠くメディアでも使われ法的文書の作成に用いられていること、ニネベから数100キロ隔たった地エクバタナにもアッシリア帝都にいる捕囚民の情報が得られることから、やはりこの時代、西アジアの交通網はよく整備され、かつ人の往来も頻繁に、しかもそれが日常の出来事であったことが窺えます。
 小国が乱立して頂点を目指して潰し合う時代よりも大国が地域の覇権を握って領内の交通を整備する時代の方が、却って民の生活は潤うものだ、ということを暗に伝える章と、わたくしは読みました。



 自分はなにを語れるのだろう。なにを発信できるのだろう。文章を書いていると時々そんな疑問に駆られます。
 いまこうして書いているブログ、或いは他で書いているエッセイ、筐底に秘したものが殆どな小説など、これまで30年近く文章を書いてきて一つも残すに足るものを書けていない。いつまでも生きていられるわけでないのに、こんなことでどうする、お前?
 もう人生折り返し点、道の先を見据えて行動した方がいいかもしれない。
 そんな声が囁きかけるちかごろの真夜中5分過ぎ。◆

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