第1529日目 〈トビト記第14章:〈トビトの最後の勧め〉&〈その後のトビア〉with「トビト記」終了のご挨拶〉 [トビト記]

 トビト記第14章です。

 トビ14:1-11〈トビトの最後の勧め〉
 かれトビトが失明したのは62歳のときである。その状態がどれだけ続いたのかは定かでないが、視力を回復後は以前にも増して慈善の業に励んだ。むろん、神の偉大なることを讃え、感謝をささげることも忘れなかった。
 いよいよ臨終というときである。かれは息子を呼んで、母ハンナも身罷ったらばわたしの隣へ埋葬したその後、妻子を伴いニネベを離れよ、といった。というのも、預言者ナホムが預言したニネベ滅亡の日が近附いていたからである。
 「わたしは確信しているが、神の語られることはみな成就し、神の言葉は一つとして無駄になることはない。」(トビ14:4)事実、われらの国イスラエル、王都サマリア、いずれも滅びて民は皆捕囚となった。
 が、定められた時、その時が来れば、すべての民は捕囚の軛を解かれてエルサレムへ帰り、神の宮を再建する。そうしてすべての偶像を棄て、ただイスラエルの神のみを畏れる。「神を心から愛する者は喜び、罪を犯し不正を行う者は地のすべての場所から消え失せる。」(トビ14:7)
 この都は罪と不正に満ちている、誰もがそれを旨としている。育ての親アヒカルにナダブがしたことを思い返すがよい。トビア、お前たちはここを去って、辿り着いた地で善く暮らせ。

 トビ14:12-15〈その後のトビア〉
 母ハンナを父の隣へ埋葬したトビアは、父の遺訓に従い、その日のうちに妻子を連れてニネベを去りエクバタナへ移った。当時、義父ラグエルがまだ存命であった。が、その死後はトビアが両家を継いだ。
 晩年、トビアはニネベの滅亡を見聞きし、捕虜たちがメディアの王キアクサルスに連行されてきた様子も見た。そうして117歳で天寿を全うするに際してかれは、神がアッシリアとニネベに対して行ったすべてのことのゆえに神を讃美して、逝ったのである。

 預言者ナホムは旧約聖書の12小預言者の1人、ナホムのこと。即ち、<警告>は「ナホム書」の内容をいうものと思われます。かつてヨナの執り成しにより延命を果たしたニネベはナホムの時代に再び滅亡を預言され、今度は不幸にもそれは成就した。止める存在はなかった。ちなみにニネベ滅亡は前612年の出来事。本ブログでも「ナホム書」については触れておりますので、お手隙のときに興味ある方は第1357-60日目の記事を閲読いただけると嬉しいです。
 トビ14:10にてトビトが語る、育ての親アヒカルに対してナダブがしたこと、とはなにか? 「トビト記」はそれについてなにも語りません。他の書物にはあるのかもしれないけれど、わたくしはそれらについて知るところはなにもありません。ただ本章が語るのは、アヒカルは慈善の業に励んでいたので、ナダブの仕掛けた死の罠を逃れ、再び陽の目を見ることができたこと、ナダブは神の御前で行った卑劣な行為ゆえに罰を与えられ、永遠の暗闇に落ちたこと、であります。ここからいろいろ推察するよりないのですが、これはなかなか関心をそそる記事であります。
 なお、アヒカルはトビ1:21-22、2:10にてトビトの甥として登場、政府高官となりエラム転属までの間失明したトビトの世話をしたことが語られ、アヒカルとナダブ両名はエクバタナから帰還したトビアの婚礼の宴に列席するために訪ねてきた旨記されております(トビ11:18)。



 本日で「トビト記」は終わります。今日までお読みいただき、ありがとうございました。1週間近く遅れての最終日となったことをお詫びします。
 次は「ユディト記」。読書ノートの再開は2月9日の予定です。◆

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