第1568日目 〈エステル記(ギリシア語)第A章:〈モルデカイの夢〉with今年度の本ブログを回顧して来年度の展望の助けとする。〉 [エステル記(ギリシア語)]

 エステル記(ギリシア語)第A章です。

 エスA:1−17〈モルデカイの夢〉
 アケメネス朝ペルシアの王アルタクセルクセスの御代第2年、かつてバビロニア帝国により旧南王国の王ヨヤキンと共に捕囚となったユダヤ人で、いまは帝都スサに住むベニヤミン族の者モルデカイは、こんな夢を見た。即ち、⎯⎯
 「見よ、叫びと騒ぎ、雷と地震、そして混乱が地上に起こった。見よ、二頭の大きな竜が現れて互いに戦いを挑み、大きな叫び声をあげた。その声を聞いてすべての国民は戦いの準備をし、義の民に戦いを挑んだ。
 見よ、闇と暗黒の日、苦しみと憂い、虐げと大いなる混乱が地上に起こった。すべての義の民はうろたえ、ふりかかる災いを恐れ、滅ぼされることを覚悟して、神に助けを叫び求めた。その叫びは、小さい泉が、やがて水を豊かにたたえる大河となるように、大きくなった。
 すると光が現れ、太陽が昇り、卑しめられている人は高められて、高貴な者を食い尽くした。」(エス・ギA:4−10)
 モルデカイはこの夢を胸に留めた。この夢のなかに神の意図が込められている、と知ったからである。
 その日の夜。かれは王宮の警備に当たっていた。王に仕える2人の宦官ガバタとタラが、一緒に警備に当たっていた。モルデカイはその折2人の密談、即ちアルタクセルクセス王の暗殺計画を小耳に挟み、王に上奏した。2人の宦官は取り調べられて、暗殺計画を企てていたことを自白した。ガバラとタラは死刑となった。
 これによってモルデカイは王宮への出仕を許された。しかし、ハマンという貴族はこのことを快く思わず、モルデカイとユダヤ人の虐待を心に誓った。

 モルデカイの見た夢は「ダニエル書」のなかにあってもさしたる違和感を感じません。それ程に黙示的な内容です。これをそのまま敷衍してゆけば「エステル記」の本質を語るに等しいわけですが、そんな風に考えると、「ダニエル書」と「エステル記」は来るべき歴史への不安を背景とする書物である、といえるのかもしれません。
 そういえばモルデカイ(とエステル)とダニエルはほぼ同時代人でもあるのですよね。ダニエルはヨヤキン王の一代前、ヨヤキム王と一緒にバビロン捕囚となったのでした(王下23:36ー24:7、代下36:5ー8、ダニ1:1ー6)。



 2013年度もあと2週間ちょっとで終わります。休んだりすることはあったが、いろいろ書いてきました。よくもまぁ、これだけ日々のエッセイ(と呼ぶのも躊躇われるものもありますが)を量産してきたなぁ、と我ながら感心し、また、よくもこれだけ書くネタを見附けてきたなぁ、と呆れてしまいます。
 が、これだけ書いてきても様々な理由と事情により、書くには書いたけれど今ひとつ踏ん切りがつかないで公開を断念したものや、情熱とタイミングを逸して書かずに済ませてしまったものもある。
 いちばん慚愧の念に耐えないのは、なんというても昨年9月に予定していた<特集・9.11>であります。下準備はそれなりに進めていたのですが、いざ書こうとするとどうしても筆が進まなかった。あのテロ事件についてなにかを語る資格が自分にあるのか。なんだか自分の意志の在処を試されているような気がしてならない。でもどこかで区切りをつけなくてはならない、ならばたとえ不完全であっても一個の文章を仕立て上げるより他ないのだ。公開を迷ったり破棄を検討するのは、或いは今年こそ<特集・9.11>を集中公開するか否かは、そのあとに考えるべきこと。
 書こうとしていて結局書きそびれているものでもう一つ、心に引っ掛かっているのは<読んでいるブログの紹介>です。これを読んでいます、とブログのタイトルと管理人名、URLを列記するのは簡単だけれど、それは同時にひどく無責任で、なによりも道義に反していますよね。では各管理人の方々に紹介許可を求めるメールを打てばいいのだろうが、そこは腰の重いさんさんかの面目躍如というところですね。いつもいつもうっかり忘れてそれっきりです。もっとも、本ブログに於いて紹介記事など書いたところでどれだけ先方へのアクセスが増えるのか、なんの貢献も出来ないなら却って失礼ではないか、と考え過ぎてしまったり、ね……。
 他にも幾つか書きそびれたまま来年度を迎えることはもはや必至ですが、ならば来年度はいま抱えているエッセイの案を出し切って文章にすることを、まずは目標にしたいと思います。⎯⎯出来るかなぁ……?◆

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