第1570日目 〈エステル記(ギリシア語)第2章:〈エステル、王妃に選ばれる〉with驕ることなく、感謝を忘れず。〉 [エステル記(ギリシア語)]

 エステル記(ギリシア語)第2章です。

 エス・ギ2:1−23〈エステル、王妃に選ばれる〉
 怒りは収まった。が、酒宴への召し出しを拒んだときのワシュティの言葉、それにより彼女から王妃の位を剥奪して退位させたこと。それらをアルタクセルクセス王はいつまでも忘れることがなかった。
 侍従たちは空位となった后の位へ然るべき女性を就けんとして、国中から美しく汚れのない者を集めて、後宮を監督する宦官ガイへ委ねて化粧品や必要な物を与えさせましょう、と提案した。彼女たちのなかに王のお気に召す者がいたら、その者を王妃として迎えればよいでしょう。これは王の意に適う提案であった。そうして帝国の版図全127州へその旨が伝達された。
 さて。帝都スサに住むモルデカイにはエステルという名の、美しい姿をした養女がいた。彼女はモルデカイの伯父アミナダブの娘であるが、モルデカイはゆくゆくはエステルを自分の妻として迎えるつもりであった。が、そこへ<お妃候補募集>が公告され、エステルは後宮へ入ることになったのである。
 宦官ガイに好ましく思われたエステルは他の女性よりも篤く遇された。7人の女官が付き添いの者として与えられ、化粧品や食事を特別に支給されたりした、という具合に。
 1年が経ち、集められた女性たちはいよいよ王の許へ召されてゆく。重ねて呼ばれる者もあり、二度と呼ばれぬ者もあった。そのなかにあってエステルはやはり誰よりも優っていた。王の寵愛を被る光栄に預かった彼女は、やがてペルシア帝国の王妃エステルとして知られるようになった。7日間に渡る酒宴が催され、国民には恩赦が与えられた。時はアルタクセルクセス王の御代第7年、第12の月であった。
 モルデカイ登用を快く思わぬ宦官2人が王暗殺を企てたのは、エステル入内後の出来事である。モルデカイは暗殺計画のあることを事前に摑んだので、エステルを通じてこれを王に上奏した。結果、宦官2人は捕らえられて尋問され、処刑されたのである。王はモルデカイの功績を、かれへの讃辞附きで書き留めさせた。

 「エステルは自分の属する民族も祖国も明かさなかった。モルデカイがそれを言ってはならないと命じていたからである。モルデカイはエステルの安否を気遣い、毎日後宮の庭の辺りを歩いていた。」(エス・ギ2:10ー11)
 「エステルは自分の祖国を明かすことはなかった。モルデカイは、一緒に暮らしていたときと同様に神を畏れ敬い、その掟をおろそかにしてはならないと彼女に命じていた。それでエステルは生き方を変えることはなかった。」(エス・ギ2:20)

 美しき女性たちを集める、というのは強制力ある命令だったのだろうか。妻に、と望んでいたエステルをモルデカイが手放した理由はなんだったのだろう。そう考え始めると、強制招集というのがいちばん自然であるように思えてしまうのだ。それならば、エステルを心配して後宮の前をうろつくモルデカイの姿にも納得できてしまうのですね。自分たちの出自、即ちユダヤ人であることを明らかにしてはならない、といってはみたもののそれが果たして守られているのか不安になってはいたとしても、です。
 それにしても自分の妻にしようと望んで育て続けてきた、美しく成長した女性が王の寵愛を受けて王妃になるのって、いったいどんな気分なのだろうな……。



 スタッフが支えてくれているから管理者を務めていられるのだ。驕ることなく皆に感謝して毎日働こう。◆

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。