第1576日目 〈エステル記(ギリシア語)第5章&第6章:〈エステル、王とハマンを招待する〉&〈モルデカイ、王から栄誉を受ける〉〉 [エステル記(ギリシア語)]
エステル記(ギリシア語)第5章と第6章です。
エス・ギ5:3−14〈エステル、王とハマンを招待する〉
腕のなかで目覚めたエステルへ王が訊いた。なにを憂うのか、なにを望むのか、と。今日はわたしにとって特別な日です、とエステルは答えた。今日、王様のために酒宴を催したく思います。どうぞハマン殿と一緒にお出でください。アルタクセルクセス王はそうした。
夜、酒宴の席で、王が再びエステルに問うた。なにを憂うのか、なにを望むのか。
わたしの願い、わたしの望みは、明日も同様に酒宴を催し、お2人をおもてなしさせていただきたい、ということです。そうエステルはいった。
この王妃の言葉に、ハマンは殊の外喜んだ。なんというても、王のための酒宴に臣下の者で招かれたのは、かれだけだったからである。ハマンは帰宅するや、さっそくこのことを妻ゾサラに吹聴した。ただ王宮でユダヤ人モルデカイを見掛けることだけが不愉快なのだ、と愚痴りつつ。
そのとき、ゾサラが、ならば高さ50アンマの木を切り出して、そこへモルデカイを吊り下げさせればよいではありませんか、と提案した。これを気に入ったハマンは、家の者に木の準備をさせた。
エス・ギ6:1−14〈モルデカイ、王から栄誉を受ける〉
その夜、主の働きかけがあり、王は眠りを奪われた。その折、王は宮廷日誌を持ってこさせた。するとそこには宦官2人による王暗殺計画がユダヤ人モルデカイによって阻止された旨、記されていた。
王は侍従たちに、このときモルデカイにどのような栄誉ないし恩典が与えられたのか、と訊ねた。なにも与えられていません、と侍従たち。
そこで王はハマンを呼んで、栄誉を与えようと思う者がいるが、どのようにしてやればよいだろうか、と訊いた。それを自分のことと思い込んだハマンが曰く、⎯⎯
まず王がお召しになる衣服をその者へ着させましょう。そうして馬に乗らせて都の広場へ導きます。そこでかれを讃えて、王の御意に適う者は斯様な栄誉を賜ることができるのだ、と宣誓するのです。
⎯⎯と。
王はそれを気に入り、さっそくユダヤ人モルデカイに対してその通り実行して王の栄誉を与えよ、とハマンに命じた。取り敢えずいまは屈辱を胸にしまって王の命令を実行したハマン。
うなだれて帰宅した夫を妻が叱咤する、もし本当にモルデカイがユダヤ人なら、あなたはかれの前で卑しめられ、失脚するのみで、仕返しをする機会はやって来ませんよ、と。なぜならかれには生ける神が共にいるからです。
そこへ宦官たちが来て、ハマンを王妃の酒宴に招いた。
エステルから酒宴の招きを受けたハマンは、おそらく無上の喜びを感じたことであろう。自分が唯一無二、他に比肩するものなき存在と錯覚するには十分な、なににも代え難き喜び……「歌おう、感電する程の喜びを!」というところでしょうか。
その喜び/栄誉に影を落とすモルデカイを首吊りにしちゃえ、というノリは、なんとなくああハマンらしいな、と思いますね。読書体験を通してハマンという人物に付き合ってきて、そんな風に思うのであります。
ところで。宮廷日誌に記されたモルデカイの功績(エス・ギ6:1−2)はエス・ギA12−16なのか、同2:21−23なのか。「王宮の警備をしていた宦官2人」とあるから前者かな、と推察されますが、今一つ断定できません。
第5章、第6章は物語が大きく転換するところです。急転直下の結末へ読者は導かれます。
本日は特に付記することもありませんので、じっくり物語を(できるならば直接新共同訳聖書・旧約聖書続編付きにあたって)楽しんでください。
今日のエッセイはお休みです。◆
エス・ギ5:3−14〈エステル、王とハマンを招待する〉
腕のなかで目覚めたエステルへ王が訊いた。なにを憂うのか、なにを望むのか、と。今日はわたしにとって特別な日です、とエステルは答えた。今日、王様のために酒宴を催したく思います。どうぞハマン殿と一緒にお出でください。アルタクセルクセス王はそうした。
夜、酒宴の席で、王が再びエステルに問うた。なにを憂うのか、なにを望むのか。
わたしの願い、わたしの望みは、明日も同様に酒宴を催し、お2人をおもてなしさせていただきたい、ということです。そうエステルはいった。
この王妃の言葉に、ハマンは殊の外喜んだ。なんというても、王のための酒宴に臣下の者で招かれたのは、かれだけだったからである。ハマンは帰宅するや、さっそくこのことを妻ゾサラに吹聴した。ただ王宮でユダヤ人モルデカイを見掛けることだけが不愉快なのだ、と愚痴りつつ。
そのとき、ゾサラが、ならば高さ50アンマの木を切り出して、そこへモルデカイを吊り下げさせればよいではありませんか、と提案した。これを気に入ったハマンは、家の者に木の準備をさせた。
エス・ギ6:1−14〈モルデカイ、王から栄誉を受ける〉
その夜、主の働きかけがあり、王は眠りを奪われた。その折、王は宮廷日誌を持ってこさせた。するとそこには宦官2人による王暗殺計画がユダヤ人モルデカイによって阻止された旨、記されていた。
王は侍従たちに、このときモルデカイにどのような栄誉ないし恩典が与えられたのか、と訊ねた。なにも与えられていません、と侍従たち。
そこで王はハマンを呼んで、栄誉を与えようと思う者がいるが、どのようにしてやればよいだろうか、と訊いた。それを自分のことと思い込んだハマンが曰く、⎯⎯
まず王がお召しになる衣服をその者へ着させましょう。そうして馬に乗らせて都の広場へ導きます。そこでかれを讃えて、王の御意に適う者は斯様な栄誉を賜ることができるのだ、と宣誓するのです。
⎯⎯と。
王はそれを気に入り、さっそくユダヤ人モルデカイに対してその通り実行して王の栄誉を与えよ、とハマンに命じた。取り敢えずいまは屈辱を胸にしまって王の命令を実行したハマン。
うなだれて帰宅した夫を妻が叱咤する、もし本当にモルデカイがユダヤ人なら、あなたはかれの前で卑しめられ、失脚するのみで、仕返しをする機会はやって来ませんよ、と。なぜならかれには生ける神が共にいるからです。
そこへ宦官たちが来て、ハマンを王妃の酒宴に招いた。
エステルから酒宴の招きを受けたハマンは、おそらく無上の喜びを感じたことであろう。自分が唯一無二、他に比肩するものなき存在と錯覚するには十分な、なににも代え難き喜び……「歌おう、感電する程の喜びを!」というところでしょうか。
その喜び/栄誉に影を落とすモルデカイを首吊りにしちゃえ、というノリは、なんとなくああハマンらしいな、と思いますね。読書体験を通してハマンという人物に付き合ってきて、そんな風に思うのであります。
ところで。宮廷日誌に記されたモルデカイの功績(エス・ギ6:1−2)はエス・ギA12−16なのか、同2:21−23なのか。「王宮の警備をしていた宦官2人」とあるから前者かな、と推察されますが、今一つ断定できません。
第5章、第6章は物語が大きく転換するところです。急転直下の結末へ読者は導かれます。
本日は特に付記することもありませんので、じっくり物語を(できるならば直接新共同訳聖書・旧約聖書続編付きにあたって)楽しんでください。
今日のエッセイはお休みです。◆