第1629日目 〈マカバイ記一第12章:〈ローマおよびスパルタとの友好関係の更新〉、〈ヨナタンとシモン兄弟の戦いぶり〉&〈トリフォン、ヨナタンを捕らえる〉with原稿入力時間の短縮を目指したい(2/2)。〉 [マカバイ記・一]

 マカバイ記一第12章です。

 マカ一12:1-23〈ローマおよびスパルタとの友好関係の更新〉
 現在のユダヤを脅かす最も大きな敵即ちデメトリオスを排除したヨナタンは、これを契機に以前結んでそのままだったローマとの同盟関係を更新、いっそう強化させようと思い立ち、2人の使者を選んで派遣した。使者は、アンティオコスの子ヌメユオスとヤソンの子アンティパトロスという。かれらはローマ元老院と、スパルタなどローマの属州に宛てた書簡を携えていた。
 ヌメユオスとアンティパトロスはローマに着いてすぐ元老院へ赴いた。かれらがヨナタンの言葉を伝えたところ、友好関係の更新と強化について元老院から同意を得られたのだった。元老院はかれらが無事に帰国できるよう、帰路にある属州を治める役人たちに当てて書簡を認め、2人に渡した。

 ヨナタンがローマに派遣した2人の使者に持たせたスパルタ宛ての書簡;
 「あなた方との兄弟としての友好関係を更新するため、あえて書簡を送ることにした。それはあなたがたと疎遠にならないようにするためであり、あなたがたからの書簡も、ひさしく絶えているから出る。」(マカ一12:10)と。
 この間、ユダヤはスパルタを思い、日々の献げ物をささげ、スパルタの栄誉をわが喜びとしてきた。この間、ユダヤは周辺にいる異邦の王たちとの戦いを余儀なくされ、艱難辛苦の末にこれを破り、退けた。しかしわれらはどれだけ苦境にあろうとも友好関係にあるあなた方に対して救援を求めたりしなかった。なぜらならば、われらには救い手である天の存在があるからだ。
 今回わたしは2人の使節をローマへ派遣した。ローマとユダヤの友好関係を確認し、更新し、強化するためである。わたしはあなた方スパルタの人々が同じように友好関係をより良きものとしてくれることを希望する。これについてどうか、良きお返事を頂戴したい。

 マカ一12:24-38〈ヨナタンとシモン兄弟の戦いぶり〉
 ヨナタンはデメトリオス軍の指揮官たちが結集して、大軍を率いてユダヤへ戦いを挑もうとしていることを知った。そこでかれはエルサレムを発ってシリアのハマト地方へ出陣、奮闘して敵をユダヤ国内へ一歩たりとも踏み込ませなかった。
 敵軍へ送り込んでいた密偵が戻った。かれらが報告することには、終結した敵は夜襲の計画を立て、その準備を着々と進めている由。ヨナタンは兵士に、「決して寝てはならぬ」と命じて、一晩中敵襲に備えさせた。
 敵はこの様子を知るや、自陣に篝火を焚いたまま、わらわらと逃げていった。ユダヤ軍は朝になって敵陣に踏み込むまでこれを知らなかった。知ったからにはもう追うより他なく、かれらは即座に追走を始めた。が、敵は既にエレウテロス川を渡ったあとだった。ヨナタンはこれ以上の追撃を諦める代わりに、ザバタイと呼ばれるアラビア人の集団を討って戦利品を得、ダマスコへ入ってしばしの休息を取った。
 ──その一方でヨナタンの兄弟シモンもエルサレムを発って、アシュケロンやヤッファで敵と戦い、これを破っていた。ヤッファではそこの住民たちが砦をデメトリオス側の者に引き渡そうとしているのを知った。
 ダマスコから帰ってきたヨナタンは、このことを聞くと、長老たちと相談してユダヤ領内に新たな砦を築き、また、エルサレムの城壁をさらに高くし、要塞と町の間に高い塀を造って要塞を孤立させることを決めた。要塞内の者たちが市内に出入りすることができないようにするためだった。一方で市民が集まり、崩れていた東側の渓流沿いの城壁を修復した。ヨナタンも、カフェナタと呼ばれる城壁を再建した。

 マカ一12:39-53〈トリフォン、ヨナタンを捕らえる〉
 さて、トリフォンである。かれは自分がアジアの王となって覇権を握るには、ヨナタンの存在が極めて危険かつ目障りで邪魔である、と改めて認識していた。そこでかれを殺すため、軍勢を率いてエルサレムへ向かうが、トリフォン接近を知って出てきたユダヤの大軍に恐れをなし、却ってヨナタンを丁重に迎えてシリアの友人たちに紹介した。そうしてかれを友好の証として、プトレマイオスの町へ招待した。
 トリフォンは言葉巧みにヨナタンを誘導し、わずかの兵を除いて他は全員ユダヤへ帰還させることに成功した。プトレマイオスの町でヨナタン一行は住民の襲撃に遭い、ヨナタンは城門内に閉じ込められ、ヨナタンに従ってきた兵たちは殺された。
 トリフォンは歩兵隊と騎兵隊をガリラヤ地方へ展開させ、帰国途中のユダヤ軍を一掃しようと図った。プトレマイオスの町でヨナタンとかれに従っていった兵たちに起こったことを知ったユダヤ軍は覚悟を決め、命を賭して戦おうとしているのを知ったトリフォンの軍勢は、敢えて戦うことなくそのまま引き返した。為にユダヤ軍は全員無事に帰還することができたのである。
 ユダヤの人々はヨナタンの敗北/捕虜となったのを深く嘆き、かれに従った兵たちの冥福を祈った。全イスラエルが大きな悲しみに暮れた。そうして周囲の異邦人たちがそれに乗じてユダヤ人を滅ぼそうと狙っていた。

 これまでにもユダヤが軍事的な意味合いで、周辺諸国の目に脅威的存在と映ったことがたびたびありました。
 本章に於いてもそれは然りでありまして、アンティオコス6世を擁立したことで権力を掌握したトリフォンが、目の上のたんこぶのようにユダヤを扱い、その強さの根源というてよいヨナタンを捕縛したところからも、それは推察できましょう。プトレマイオスの町の住民が束になって襲いかかり、ヨナタンとかれに従うわずかの兵を捕らえ、殺したことを考えると、トリフォンが如何に弁舌巧みで人心操作に長けていたかが想像できましょう。ナチス・ドイツの総統ヒトラーも同じように弁舌巧みにして人心操作に長けた人物でありましたね。いつの時代も権力を握る者に必要な共通項は変わることがない、ということでありましょうか。
 スパルタについてご説明しておく方がよいでしょうか。世界史の授業でわれらは何度もこの名前を耳にしているはずですが、改めてスパルタがどのような町であったか、世界史小辞典のように簡潔に述べておくのも無駄ではないでしょう。──スパルタは、古代ギリシアの都市国家(ポリス)でした。軍事的に非常に強大かつ優秀であり、一時は周辺諸国に対して大いに影響力を持ったけれど、マケドニア王国の台頭と軌を一にするかのように没落してゆき、時代の覇者がローマに移ると共にこの属州として編入されたのでした。しかしそれでもかつての軍事大国スパルタは厳然と、その存在を周囲に知らしめて一定の自治権を認められていた、とのことであります。ヨナタンがローマ属州に宛てた書簡のうち特にスパルタ宛てのものが「マカバイ記一」で記録されているのは、そうした所以であるのかもしれません。
 エルサレムの町は未だシリアの手にあり、ヨナタンにとってこれの奪還は宿願であったことでしょう……。



 ここまでの所要時間は2時間弱、文字数は2,748語。通常よりもやや多め、しかし「マカバイ記一」になってからは当たり前になってきた分量です。
 とはいえ、斯くも時間がかかっているのは偏にミスタイピングが多いせいであろう。恥ずかしながらわたくしはブラインドタッチができる者ではない。習得しようとしてはいるが、なかなかどうして上手くゆかぬものである。タイピングのスピードは速いけれど、しばしば入力ミス、変換ミスを繰り返して、気附けば映画1本上映できちゃうぐらいの時間が経っていた。
 職場で暇な時間ができると、イントラ掲載のタイピングプログラムで練習し、自宅にいてもe-typingで各種パターンを試している。でも、どうしても特定のラインを超えることができない。むろん、K点だとかバッケンレコードなんていう記録を出すことはできないけれど、特定のライン/壁というべきか、それを超えられずにいるのだ。
 ブラインドタッチを習得することが急務、そうしてほとんど唯一の課題。そうすればもっと時間を短縮させられ、指の疲れも感じることなく、集中力が途切れることなく一本の原稿を仕上げることができるのかもしれない。普段なら、そうなればいいな、と呟いて終わるのだが、今回は違う。そうせねばならぬのだ。ブラインドタッチねぇ……パソコン使い始めたときからやや自己流でタイピングしてきてしまったからなぁ。今更悪習を絶つことはできるのだろうか? 否、絶たねばならない!◆

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