第1638日目 〈マカバイ記二第2章:〈エジプト在住のユダヤ人への第二書簡〉2/2&〈序〉with村上春樹『TVピープル』読了報告、AppleStore表参道店オープン協力のメール。〉 [マカバイ記・二]

 マカバイ記二第2章です。

 マカ二2:1-18〈エジプト在住のユダヤ人への第二書簡〉2/2
 記録に拠れば、祭壇から聖火を持ち出すよう指示したのは、時の預言者エレミヤであった、といいます。エレミヤは、捕囚として連れてゆかれるユダヤの人々に律法の書を与え、主を想い忘れぬよう諭し、異国の風習に染まらず偶像を崇めず、心を律法からゆめ離さぬように、皆を励ましました。
 また、エレミヤは自分への託宣に従って、エリコの向かい、ヨルダン川東岸にあるネボ山へ登りました。幕屋と契約の箱、香壇を携えていました。この山はずっと昔、モーセが死の直前に登り、“乳と蜜の流れる地”カナンを望み見た場所であります(ex;申34:1)。預言者はここに人が住めそうな洞窟を見附け、そこへ携えてきた物を隠し、入り口を塞ぎました。
 このとき、エレミヤに従っていた人々があとになって、この場所がわかるよう道標を作ろうと思い立ち、行動しましたが、果たすことはできませんでした。エレミヤはかれらを呼び出して叱責して曰く、──
 「神が民の集会を召集し、憐れみを下されるときまで、その場所は知られずにいるだろう。そのときになれば、主はそこに運び入れたものを再び示してくださり、主の栄光が雲と共に現れるだろう。」(マカ二2:7-8)
──と。
 以上のことはネヘミヤ時代の諸文書にも記されているところです。それらには、たとえばネヘミヤが書庫(図書館)を建てたことや、「歴代の王と預言者に関する書物、ダビデの諸文書、更には奉献物についての王の勅令を集めたこと」(マカ二2:13)も書かれています。また、ユダ・マカバイも戦争によって散逸した諸文書を収集し、保管しました。これらはいずれもエルサレムにあります。もしあなた方がこれらの文書、書物を見たい、読みたいとお思いならば、どうぞこちらまでお出でください。
 さて。
 この手紙の冒頭でわれらは、清めの儀式を執り行おうとしている旨、お伝えしました。斯様なことを申し上げるのは、あなた方がこれらの日を祝う以上は立派に執り行っていただきたいからです。なぜならば、──
 「神こそは、ご自分の民全体を救い、それぞれに約束の地を与え、王制と祭司制、聖所を与えてくださった方である。我々は今、律法を通して約束されたように、神が我々を憐れみ、速やかに天が下すべての地から、我々を聖なる所に集めてくださることを希望している。実に神は、過酷な災禍から我々を救い出し、この場所を清められた」(マカ二2:17-18)からであります。

 マカ二2:19-32〈序〉
 これからあなた方が読むマカバイ戦争にまつわる物語は、キレネ人ヤソンの著書から抜粋、要約したものであります。なぜこのようなことを行ったか、といえば、このヤソンの著書が5巻より成るあまりに大部なものであり、純粋に物語を楽しみたい人、これをぜひ暗誦してみたい人などの用に供したい、と願うからであります。
 ヤソンの著書の要約に取り組んではみたものの、その作業はとても心を削り、身を削ぐ仕事で、容易な作業ではありませんでした。が、多くの人が楽しんでくれるなら、この程度の労苦は大したことではありません。われらは、ヤソンの著書を要約して簡潔であることを心掛け、煩雑にならぬよう努めましょう。それが義務であります。
 ──前置きはこれぐらいにして、本文を始めましょう。いつまでも入り口に留まって本題に入らぬは愚かな行いでありますから。

 昨日読んだ第1章でも、旧約聖書では語られなかったネヘミヤのエピソードが披露されました。本章に於いても「エレミヤ記」では語られなかった預言者エレミヤのエピソードが、同じように披露されます。しかもそれはエルサレム陥落直後の、いままさにバビロニア軍がユダヤ人を捕囚として連行しようとしていたり、都や神殿で略奪等を繰り返していたりする混乱の時に、エレミヤは信仰を次の時代へつなぐためにも、祭壇の聖火を隠させたのでした。
 ネヘミヤの件といいエレミヤの件といい、われらはかれらのエピソードを旧約聖書以外で読むことはできなくなっている。しかし「マカバイ記二」或いはエジプト在住ユダヤ人へ宛てられた書簡が書かれた時代には、かれらの言行を留めた文書が存在していたのは、ほぼ間違いないことでありましょう。第1章、第2章はそうした資料を典拠として書かれたものであります。ふむぅ、読みたかったですね。
 <序>では要約者の作業態度が真摯に語られ、そうであろうと努める姿が描かれております。なんだかそのままわたくし自身に跳ね返ってきて、刺さりまくるような文言のオンパレードなんですよ。苦しいというか、辛いというか、……んんん、反省して向上に勤めます。──まさか聖書を読んでいて、本ブログの態度を顧みる言葉に出会すとは思いもしませんでしたよ。えへ。



 一昨日、村上春樹の短編集『TVピープル』(文春文庫)を読了しました。感想はまた後日。しかし、読み終わるまでに1ヶ月近くかかるとは思わなかったなぁ。読み応えがあった? まぁ、それもあるけれど、読めなかった日がずっと多かったのが主たる原因でしょうね。でも、これまで読んできた短編集のなかでいちばんずっしりとした読書経験でした。
 間髪入れず、昨日からは『夜のくもざる』(新潮文庫)を読み始めました。すごく肩の力を抜いて読み進められる、シュールでポップな超短編集。でも、これの感想を書くのは難しそうだ。来週あたりには『TVピープル』と併せて感想をお披露目できたらいいな、と思います。

 あ、来週といえば、13日の金曜日にAppleStoreの新店舗がオープンしますね。今度は表参道店です(横浜にはAppleStore来ないのかしら?)。今朝突然メールで<ご協力のお願い>なんて来たのにはびっくりし、ちょっと可笑しかった。しかし、こんなメールをもらうと、改めて自分がAppleユーザーになったのだなぁ、と実感しますね。結構うれしい。◆

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