第1690日目 〈知恵の書第17章&第18章1/2:〈光と闇〉with暑さゆえにわが灰色の脳細胞は活動を拒絶する。〉 [知恵の書]

 知恵の書第17章と第18章1/2です。 

 知17:1-1-18:4〈光と闇〉
 あなたの言葉、あなたの教えを拒んだ者らは皆、夜の迷いに陥った。かれらはあなたの聖なる民を制圧できると踏んだが、そうはならなかった。その企みゆえにかれらは闇に縛られ、夜に囚われ、不変の摂理から外された。
 かれらは自分たちの罪のなかに隠れることができる、と思うた。が、かれらは恐怖に取り憑かれて、幻覚に怯えるようになった。隠れ処もかれらの守りにはならなかった。
 かれらのまわりではさまざまなことが起こる。いと恐ろしげな音がまわりで鳴り響き、かなしい顔をしたぶきみな亡霊が現れた。幻覚が生んだ光景を現実のものと思い、それに怯えた。目の前の現実の光景にもいっそうの恐怖を抱いた。まわりで起こる取るに足らぬ事象にかれらはおののき、そうして死んでいった。
 「恐れとは、まさに理性の助けを捨てることである。/ 理性の助けに頼る心が弱ければ弱いほど、/苦しみの原因がますます分からなくなる。」(知17:12-13)
 かれらは、深い陰府から出てきたあの夜の間、皆一斉に眠りこみ、奇怪な亡霊に悩まされたり、気力をなくして身動きできなくなるかして、予想だにしていなかった恐怖に取り憑かれた。斯くしてかれらは鉄格子のない牢獄に監禁されたのであった──農夫であれ、牧者であれ、人里離れた場所で苦労して働く人であれ、あなたの言葉、あなたの教えを拒んだ者は皆、夜の迷いに陥ったのである。それは、かれらを見舞った避けられぬ運命だった。
 勿論、世界はそんなときでも輝かしい光に照らされていた。常の通り、妨げるものもなく活動していた。ただかれらの上には闇が重くのしかかっていた。それは前奏だった、やがてかれらを完全に捕縛する夜の訪れの前奏だった。「しかし彼らは闇よりも、/自分自身を重荷に感じていた。」(知17:21)
 ──一方で、あなたの言葉、あなたの教えに従い、あなたに清められる人々の上には、常に変わることなく大いなる光が輝いていた。夜の迷いに陥った者たちは、あなたの聖なる民に感謝し、これまでの不和を詫びた。
 「あなたは、御民には燃える火の柱を与えて、/未知の旅の案内者とし、/栄えある放浪の旅の、/彼らを苦しめることのない太陽とされた。/他方敵どもは、当然なことに光を奪われ、/闇につながれた。/あなたの子らをとりこにしたからである。/あなたの子らこそ律法の不滅の光を/世に伝えるはずであった。」(知18:3-4)

 夜の迷いに陥った者たちが光り輝く世界のなかで闇に囚われ、苦しむ様を説くのが本章であります。若干の改訂さえ施せば、中世に流行った説話物語の一編というても信じてしまえそう。
 理性の助けをなくした者らに襲いかかるのは、実はありふれた事象で、普通なら特になんとも思わぬことなのだが、既に夜の迷いに陥っているがゆえに取るに足らぬことにさえ、恐れを抱き、怯えるのだ。
 敢えて疑心暗鬼に陥るてふ表現を用いる気はないけれど、本章が淡々と説く事柄はだいたいのところで今日を生きるわれらの行いと重なる部分が多々あり、己を顧みてしまうこと頻々なのではないでしょうか。わたくし自身、夜の迷いに陥った者でありますから、本章が語る同類を見舞った恐れや怯えに想いを重ねるところ大なのでありました。今後も折に触れて読み返したく一章であります。



 流れる汗と照りつける暑さに不快感が、早くも沸点を極めんとしているためか、通勤電車内ので読書はまったくというて構わぬ程進んでいない。
 職場にいてはお昼休みは皆とご飯、帰りはスタバ等で原稿を書いたり映画を観たりしたあとは電車に乗っても、ぼう、とするばかりでリュックから文庫の一冊さえ取り出す元気もなくしている。<灰色の脳細胞>を動かす燃料も、帰るときには尽きかけているわけだ。いったい村上春樹『東京奇譚集』(新潮文庫)を読了するのはいつなのであろう。
 では、なけなしの燃料をなにに使うか、といえば、妄想と空想以外にあり得ぬ。そのくせ、自宅近くのマンションの広場で波状攻撃を仕掛けてくる蚊と戦いながらビールを飲む習慣だけは守っているのだから、何をか況んや、というところかもしれぬが。でも、それが自分を取り戻すためには必須な時間でもあるのですよ。それを知ってください、あなた(モナミ)。
 余談ですが、或る晩同じ場所でビールを飲みながらiPodで聴いていたAKB48のアルバム《次の足跡》。これに収められるなかでは〈君のために僕は…〉と〈So long!〉が好きです。◆

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