第1745日目 〈シラ書第26章&第27章1/3:〈悪妻と良妻〉2/2「良妻編」&〈不正〉withiTunesにてドミンゴを観る。〉 [シラ書〔集会の書〕]

 シラ書第26章と第27章1/3です。

 シラ26:1-27〈悪妻と良妻〉2/2「良妻編」
 身持ちが悪く、ふしだらな女は淫靡な眼差しで男を誘う。男であれば誰彼の見境なく体をゆだね、衣服を脱いで相手の指と舌に悶え、脚を開いて迎え入れる。そうした女は己の行為を、詭辯を弄して正当化する。自分を諫める正しい男を口で返り討ちにして傷附け、かれの心により深い悩みと苦しみを刻む。
 あなたは知るべきだ。売春婦は唾棄すべき存在であることを。浮気性な人妻は死に値する存在であることを。
 あなたは知るべきだ。あなたの心をいちばん痛めつけるのは、妻の、他の女への嫉妬であることを。嫉妬深い妻の口は周囲に災いをもたらすだけであることを。
 良い女を伴侶とした男は幸いである。かれの寿命は倍に延び、穏やかに生涯を過ごすことができるからだ。良妻は、主を畏れ敬う男への、主からの賜物。彼女は富める時も貧しい時も、心安らかで、晴れやかな顔をしている。
 夫を幸せにする妻とはどのような女か。わたしイエススが倩思うにこんな性質の女ではあるまいか。即ち、──
 一、心の優しい女。
 一、聡明な女。
 一、物静かな女。
 一、しとやかな女。
 一、慎みある女。
 一、見目麗しい女。
 一、健康な女。
 一、信仰篤い女。
 一、主を畏れる女。
 一、貞節な女。
 一、夫を尊敬して仰ぐ女。
 一、心の健全な女。
──と。加えていえば、両親にきちんと育てられた女。健康な体を備えた女は、顔も美しく性格も信心も申し分ない。
 「すべての平地を巡って、肥沃な土地を求めよ。/家を誇りとし、お前の種を蒔き続けよ。/そうすれば、お前の子孫は、末永く続き、/立派な家柄を誇って大いに繁栄する。」(シラ26:20-21)

 シラ26:28-27:3〈不正〉
 わたしイエススは、貧しさゆえに事欠く兵士に、心の痛みを覚える。
 わたしイエススは、思慮があるにもかかわらず軽んじられる者に、心の痛みを覚える。
 わたしイエススは、正しい行いを棄てて罪へ走る者に、激しい怒りを覚える。──主はこの者を死に至らしめる。
 成る程、商売人が不正と縁を切ることはおよそ無理な話だ。かれらが罪を免れるのは困難である。商売に或る程度の不正は付き物だ
 「多くの者たちは、利益を求めて罪を犯し、/裕福になろうと躍起になっている者は、/悪いことにも目をつぶる。」(シラ28:1)
 ──が、たとい商売と不正が切り離せぬ関係にあるとしても、心から畏れ敬うことなければ、その家は驚く程急速に見る影もないぐらいに落ちぶれることだろう。

 悪妻とはこういうものである、というモデルケースを提示するのは容易い。道徳や秩序から外れた者の姿を、やや誇張して描写すればいいからだ。読者はたいていの場合、そうした人物を周囲の誰彼に当てはめて、ふむふむ、と首肯する。
 が、良妻の場合はそうもいかない。著者の示すような人物像を想起することに若干の抵抗を感じるからだ。悪妻のように周囲の誰彼を思い浮かべるのが容易ではないから、という理由だけではなく、良妻とはこのような人物である、という具体的イメージの提示が観念的、抽象的なものになるからだ。だから読者はこうしたところを読むとき、想う人をフィルターをかけた眼差しで心に描くのである。──誰しも身に覚えはあるでしょう? ふふ。



 iTunesにてiTunes Festivalを観る。期間限定で視聴できるプラシド・ドミンゴのライヴ映像が目的。これは、30日間にわたって開催されたiTunes Festival Londonの最終日、2014年9月30日にクロージング・アクトとして登場した際のもの。
 この、不世出のテノール歌手の朗々たる歌声に聞き惚れる雨降りの午後! 久しぶりにドミンゴの歌声を聴いたけれど、この人の声は(容姿もだけれど)年を重ねるにつれてどんどん若くなっているような気がする。70代半ばにもかかわらす未だレパートリー拡大中という貪欲な探究心と旺盛なチャレンジ精神が、このキング・オブ・テノールを若々しく魅せているのかなぁ。
 不満があるとすれば、iTunesのページに主役であるドミンゴの名前があるのは当たり前として、共演するアーティストの情報/紹介がグルジア出身のピアニスト、カティア・ブニアティシヴィリ以外になんの記載もないこと。
 検索すれば他のHPにて確認することができるけれど、調べる手間を省いてあげるのも提供する側の役目なのではないか、と思う。──この曲のタイトルはなんていうんだろう? そんな風に知的好奇心を刺激されたときに情報提供できるページが用意されていれば、それだけでクラシック音楽への筋道は用意されたと思うんですよね。期間限定で配信されているものだからこそ、他アーティストのライヴ映像を観た帰りの立ち寄り組への配慮が欲しいんだ。
 それにしても、ラストのドミンゴ父子による「Perhaps Love」は何度視聴しても微笑ましく、うっとりさせられますね。この映像がストリーミング配信ではなく、ダウンロードして保存できるものだったらなぁ……。◆

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