第1769日目 〈シラ書第50章:〈大祭司シモン〉、〈シラの子イエススの知恵〉他〉 [シラ書〔集会の書〕]

 シラ書第50章です。

 シラ50:1-21〈大祭司シモン〉
 そうしてわれらの時代になり、オニアス2世の子、大祭司シモンが現れる。シモンは荒廃した都エルサレムの再建に着手した。主の家を修復し、聖所を補強した。聖所の中庭に高い石垣を巡らし、神殿の境内に高い壁を築いた。また、広い貯水池を造った。民が敵の剣によって滅びぬよう、包囲攻撃に備えて町の防備を固めた。
 ああ、シモンが「聖所の前を歩むその姿/主の家の垂れ幕を出て来る姿は、/なんと栄光に満ちていたことか。」(シラ50:5)
 たとえていうなら、かれは雲間に見える明けの明星、祭りの日の空に浮かぶ月、聖所に輝く太陽、きらめく雲に照り映える虹の如し。季節に咲く花、香炉にくべられた乳香、金器の如し。
 シモンが祭儀を執り行う。全能なるいと高き方にいけにえをささげ、供え物をささげる。やがてアロン子らが銀のラッパを斉奏し、会衆は地にひれ伏して主へ祈りをささげる。──祭儀が終わると、シモンは会衆の前に降りてきて、かれらの頭上に両手をかざし、自らの唇から主の祝福を与え、誇らかに主の御名を唱えた。民はシモンを通して、聖なる方の祝福を受ける。

 シラ50:22-24〈勧めと祝福〉
 主を誉め讃えよ。慈しみを以て主はわれらを恵む。
 われらの存命中、イスラエルに平和がもたらされ、続きますように。
 「わたしたちへの主の慈しみが確かなものとされ、/まだ生きている間にわたしたちを/主が救ってくださるように。」(シラ50:24)

 シラ50:25-26〈忌み嫌われる国々〉
 わたしイエススの魂は、エドム人とペリシテ人を忌む。シケムの愚者どもを嫌う。シケムの連衆は最早「民」とはいえない。

 シラ50:27-29〈シラの子イエススの知恵〉
 この、知識と知恵と悟りの教訓の書物を著したるは、シラ・エレアザルの子イエスス。エルサレムの人。
 かれは、知恵をその心から注ぎだして、一巻にまとめた。かれの知恵の言葉に従って歩む者は幸いである。というのも、それを行えば、すべてに対して力を得るからだ。
 主を畏れることこそかれイエスが歩む道である。主は信仰の深い人に知恵を与えたのだ──。

 本書の著者イエススは大祭司シモンと同時代を生きる人物であった。同時代の人物であらば斯様に礼賛するのも道理だろう。シモンの時代はおそらくマカバイ戦争(前167-142年 「マカバイ記」参照)以前と考えられる。
 エルサレムが破壊された形跡が、シラ50:1-4には記されている。その様子は、セレコウス朝シリア(アンティオコス3世)とプトレマイオス朝エジプト(プトレマイオス5世)との間に勃発した第5次シリア戦争(前202-200年)に基づくものだろう。これの勝利により、セレコウス朝はコイレ・シリア(シリア地方南部)の覇権を築いてこの地を領土とした。その後、前198年にはエルサレムへ侵攻、征服を果たしている。◆

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