第1818日目 〈エズラ記(ラテン語)第3-5章1/2〈第一の幻〉:〈エズラの問い──この世の罪について〉他with「エズラ記(ラテン語)」舞台裏その1〉 [エズラ記(ラテン語)]

 エズラ記(ラテン語)第3-5章1/2〈第一の幻〉です。

 エズ・ラ3:1-2〈第一の幻〉
 都の陥落後三十年目のこと、わたしサラティエル、すなわちエズラはバビロンにいた。わたしは寝床に伏していて胸騒ぎを覚え、さまざまな思いが心をよぎった。それは、シオンの荒廃とバビロンに住む人たちの豊かさを見たからである。

 エズ・ラ3:3-36〈エズラの問い──この世の罪について〉
 わたしの霊は激しく揺り動かされ、わたしはいと高き方に恐る恐る話しかけた。
 「すべてを治められる主よ、世の初めに地を形づくられたとき、──あなたのみ、これがおできになりました──あなたは塵にお命じになりました。 塵はまだ命のない体、アダムを生じました。しかしそれは、あなたの御手によって造られたものであり、あなたはそれに命の息を吹き込まれ、体はあなたの御前に命あるものとなりました。そして、陸が現れる前にあなたが力ある手でお造りになった楽園に、彼を置かれました。あなたは彼に一つの掟を与えられましたが、彼はそれに背きました。そこであなたは直ちに、彼とその子孫とに死をお定めになりました。彼からは数知れない種族や部族、民族や家族が生まれました。それぞれの種族は思いのままに歩み、御前に悪を行い、あなたの戒めを軽んじましたが、あなたはそれをとどめようとはされませんでした。しかし時が来ると、あなたは世の人々の上に洪水を送り、彼らを滅ぼされました。彼らは皆、同一の運命に遭ったのです。アダムに死が臨んだように、彼らには洪水が臨みました。
 あなたは民の中からノアとその家族だけを残されました。また、彼から生まれるすべての義人をも。地の面に住む人々が増え始め、子供たち、民族、多くの種族が増えたとき、人々は以前にも増して神に背く業を重ね始めました。彼らが御前で悪を行うと、あなたは一人の人、アブラハムを御自分のために選ばれました。あなたは彼を愛し、夜ひそかに、彼一人に時の終わりをお示しになりました。あなたは彼と永遠の契約を結び、彼の子孫を決して見捨てることはないと約束されました。そして、彼にイサクを与え、イサクにヤコブとエサウを与えられました。あなたはヤコブを選び、エサウを遠ざけられ、こうして、ヤコブは大きな民となりました。
 あなたはヤコブの子孫をエジプトから連れ出し、シナイ山に導かれました。あなたは天を傾け、地を固め、世界を揺り動かし、深淵をおののかせ、世を震え上がらせました。あなたの栄光は火と地震と風と氷の四つの門を通り過ぎ、ヤコブの子孫に律法を、イスラエルの子らに掟をお与えになりました。しかし、あなたは彼らからよこしまな心を取り除くことはせず、彼らが律法によって実を結ぶように計らわれました。よこしまな心の重荷を担う最初の人アダムは掟に背いてその心に打ち負かされましたが、彼から生まれた人々も皆同様でした。こうして弱さは永久に人々のうちにとどまり、律法もまた、悪の根を持つ人々の心とともにとどまるようになりました。こうして、善いことは消えうせ、よこしまなことが残るようになったのです。
 そして時がたち、年が過ぎて、あなたはダビデという名の僕を起こされました。あなたは彼に、御自分の御名のために都を建て、受けた賜物のうちから供え物を献げるようにと、お命じになりました。これは長年にわたって行われましたが、都に住む人々は罪を犯し、あらゆる点で、アダムとそのすべての子孫と同じことを行いました。彼らもよこしまな心を持っていたのです。そこであなたは都を敵の手に渡されました。わたしはそのとき、心の中で言いました。『バビロンに住む人たちは、わたしたちよりも善いことをしているのだろうか、それゆえ、彼らがシオンを支配するのだろうか』と。
 しかし、わたしはここに来たとき、数知れない神に背く業を見、この三十年間わたしの魂は、多くの罪人を見てきました。わたしの心はめいりました。罪を犯す彼らをどれほどあなたが耐え忍び、神に背く者たちを放任し、御民を滅ぼして御自分の敵を守っておられるかを見たからです。どのようにしてこの道を捨て去るべきかを、あなたはだれにも何も示されませんでした。いったいバビロンはシオンよりも善いことをしているのでしょうか。また、イスラエル以外に、あなたを知っている民があるのでしょうか。あるいは、どのような部族が、このヤコブの部族のように、契約に信頼したでしょうか。しかもヤコブの部族は何の報いも受けず、彼らの苦労も実を結びませんでした。わたしは諸国を経巡り、あなたの戒めを心に留めていないのに繁栄している人々を見ました。今、わたしたちの悪と世に住む人々の悪とを、秤にかけてください。そうすれば、秤がどちらに傾くかが明らかになるでしょう。地に住む人々が、御前に罪を犯さなかったことがあったでしょうか。また、あなたの戒めをこのように守った民がほかにあったでしょうか。あなたの戒めを守った人は個人としてはいるでしょう。しかし、民全体としては見つからないでしょう。」

 エズ・ラ4:1-21〈天使の答え〉
 すると、わたしのもとに遣わされたウリエルという天使が答えた。「あなたの心は、この世のことに、すっかりうろたえている。それでもあなたは、いと高き方の道を理解したいと思っているのか。」
 わたしは、「はい、わが主よ」と答えた。
 すると天使はわたしに言った。「あなたに三つの道を示し、三つのたとえを提示するためにわたしは遣わされた。あなたがもし、この中の一つでも解き明かしたなら、わたしも、あなたが見たいというその道を示し、よこしまな心とは何のことかを教えよう。」
 そこでわたしは言った。「わが主よ、おっしゃってください。」
 すると天使はわたしに言った。「行って、炎の重さを量り、吹く風の大きさを計り、あるいは過ぎ去った日を取り戻して来なさい。」
 わたしは言った。「人の世に生を受けた者のうち、いったいだれにそのようなことができるでしょう。」
 そこで天使は言った。「もしわたしが、海の底にはどれだけの住まいがあるか、地下の海の源には幾つの流れがあるか、大空の上には幾つの流れがあるか、あるいは楽園の出口はどれか、といったことを尋ねたならば、恐らくあなたは言ったであろう。『わたしは今まで、地下の海に下ったことも、陰府に降りたことも、天に昇ったことも一度もない』と。だから今、わたしは、火と風とあなたが過ごした日々についてだけ、それなしには片ときもいられないものに限って尋ねたのである。しかしあなたはこれについて何も答えられなかった。」そして天使は言った。「あなたは、生涯自分にかかわりをもつ事柄さえ知ることができないのだ。それなのにどうしてあなたの力量で、いと高き方の道を理解できよう。腐敗した世にさえ恐れおののく者が、どうして不滅なものを理解することができようか。」
 これを聞いたとき、わたしは地上に伏して、言った。「この世に生まれて神を恐れぬ人々の中に住み、苦しみを味わい、しかもこの苦しみが何なのか分からずにいるよりは、むしろ生まれなかった方がよかったのです。」
 すると天使は言った。「わたしは、野の森の中に分け入ったことがあった。そのとき、木々ははかりごとをめぐらして、言った。『さあ、行って海と戦いを交え、海を我々の前から退かせて、別の森を作ろうではないか。』ところが、海の波も同様にはかりごとをめぐらして、言った。『さあ、上って行って、野の森に戦いを挑み、そこを我々の領分にしよう』と。しかし、森のはかりごとは失敗した。火事になって森は焼き尽くされたからである。また、海の波のはかりごとも同様に失敗した。砂が隆起し、海を阻んだからである。ところで、もしあなたが両者を裁くとすれば、どちらを正しいとし、どちらを罪に定めるだろうか。」
 わたしは言った。「どちらのはかりごともむなしいことです。森には陸が与えられ、海には波を運ぶ場所がそれぞれ与えられているのですから。」
 そこで天使は言った。「その判断は正しい。ではどうして、あなた自身について同じように判断しないのか。陸が森に与えられ、海が波に与えられているように、地上に住む者は地上のことだけを理解し、天上界の者は、天上界のことを理解するのである。」

 エズ・ラ4:22-52〈人の思いと神の計画〉
 そこでわたしは答えた。「主よ、お願いです。わたしには理解力が与えられているのです。わたしは、高遠な道を尋ねているのではありません。常日ごろ、わたしたちの目の前に起こっている事柄について問いたかっただけなのです。なぜイスラエルは不名誉にも異邦人に渡されたのか、なぜあなたが愛された民を、神を恐れぬやからに渡されたのか、なぜわたしたちの先祖の律法は滅び去り、書き記された契約はうせたのか、ということなのです。わたしたちは、この世からいなごのように移り行き、わたしたちの生命は朝もやのようになりました。もはやわたしたちは、憐れみを受ける資格もありません。しかし、わたしたちに与えられた御名のために、神は何をなさろうとするのでしょうか。わたしはこのことを尋ねているのです。」
 天使はわたしに答えた。「もしあなたが生きているならば見るであろうし、生き永らえるなら、度々驚くであろう。世はたちまち過ぎ去るということを。時に適って約束されたことを、この世は実現できないであろう。それは、この世が悲しみと弱さに満ちているからである。あなたがわたしに尋ねているその悪は既に蒔かれた。しかし、その摘み取りはまだである。蒔かれたものが刈り取られ、悪の蒔かれた畑が消え去らなければ、善が蒔かれた畑は来ないであろう。悪の種が最初にアダムの心に蒔かれたために、今までどれほど多くの不信仰を実らせたことだろう。それは、脱穀の時が来るまで実らせ続けるだろう。考えてみなさい、この悪の種がどれだけ多くの不信仰を実らせたかを。数知れないもみが蒔かれた場合、どれほど大がかりな脱穀が始まるであろうか。」
 そこでわたしは言った。「それはいつ、どのようにして起こるのですか。なぜわたしたちの年月は短く、不幸なのですか。」
 天使は言った。「いと高き方を差し置いて、心をせかせてはならない。あなたは自分のために心をせかせるが、かの優れたお方は多くの人のためを考えておられるのである。このことについては、義人の魂も、陰府の住まいで尋ねたではないか。『いつまでわたしは、このように待てばよいのですか。わたしたちの報いの収穫の実は、いつ来るのですか』と。彼らに、大天使エレミエルが答えている。『あなたたちのような人の数が満ちるときである。神は世を秤で量り、時の大きさを測り、時の数を数えておられる。それゆえ、予定された升目が満たされるまで、神は動ずることも、焦られることもないのである』と。」
 そこでわたしは言った。「しかし統べ治められる方、主よ、わたしたちも皆、不信仰な者です。わたしたちのため、地上に住む者の罪のために、義人の収穫が妨げられてはいませんか。」
 すると天使は言った。「行って、身重の婦人に尋ねてみなさい。九か月が満ちたとき、胎児をなお胎の中にとどめておくことができるのか、と。」
 そこでわたしは言った。「主よ、とどめておくことはできません。」
 すると彼は言った。「陰府の魂の住まいも、女の胎と似たものである。産婦が産みの苦しみを早く終わらせようとするように、この陰府の住まいも同じで、世の初めから預けられた人たちを早く返したいのである。その時には、あなたが見たいと望んでいることが示される。」
 わたしは言った。「もし御好意にあずかっているのでしたら、またそれが可能であり、わたしがふさわしいとお思いでしたら、お示しください。これからの時は過ぎ去った時よりも長いのですか、それとも、大半の時はもう過ぎたのでしょうか。なぜなら、わたしは、既に過ぎた時のことは知っていますが、未来のことは何も知らないからです。」
 すると天使は言った。「右側に立ちなさい。あなたにたとえの意味を示そう。」
 そこでわたしは立って、見ていると、燃え盛るかまどが目の前を通り過ぎた。炎が通り過ぎた後に、幾らか煙が残ったのを見た。この後、更に水をいっぱい含んだ雲が目の前を通り過ぎ、激しい雨を降らせていった。激しい雨が通り過ぎた後、そこに滴が残った。
 そこで天使は言った。「自分で考えてみなさい。雨が滴よりも多く、炎が煙よりも多いように、過ぎ去った時の量ははるかに多い。しかし、まだ滴と煙が残っている。」
 わたしは願った。「その日まで、わたしは生き永らえるとお思いですか。その日に居合わせるのはだれでしょうか。」
 天使は答えた。「あなたが次々と尋ねるしるしについてならば、ある程度のことはあなたに言うことができる。しかし、わたしは、あなたの生命について告げるため遣わされたのではない。わたしはそれを知らないのだ。」

 エズ・ラ5:1-13〈終末のしるし〉
 「では、しるしについて語ろう。見よ、その日が来て、地上に住む人々は大いなる恐怖に捕らえられ、真理の道は隠され、国土は信仰の不毛の地となるだろう。そして不義が、あなた自身が見ている以上に、また、あなたがかつて聞いた以上に増えるだろう。
 また、あなたが今見ているその国は世界を支配しているが、やがて乱れて廃虚となり、人はそこに荒れ地を見るようになる。しかし、もしいと高き方があなたに生き残るのをお許しになるなら、三日の後に天変地異を見るであろう。
 突如として夜中に太陽が輝き、真昼に月が照る。その上、木から血が滴り落ち、石が声を発し、人々は恐慌を来し、星は軌道を脱するだろう。そして、地に住む人の望まぬ人物が支配するようになり、鳥さえもみな渡り去るだろう。ソドムの海は魚を吐き出し、夜にはえたいの知れぬ妖怪が声を発し、すべての人がその声を耳にする。方々で深淵が口を開き、そこから繰り返し炎が吹き上がる。野獣はその住みかを捨てて移り歩き、月経中の女は怪物を産むだろう。淡水に塩が混じり、友人どうしがいがみ合うようになるだろう。分別は隠れ、知性は己の住みかに引きこもって、多くの人がそれを捜すが見いだせない。地上には不義と放縦がはびこる。
 一つの国は隣の国に、『だれか公正を行う人が、あなたの所を通りましたか』と尋ねる。するとその国は『否』と答えるだろう。
 その時には、人々は望んでも得られず、働いても道は整えられない。これらのしるしを、あなたに示すことは許されている。しかし、もしあなたが更に祈り、今のように涙をもって嘆願を続け、七日間の断食を行うならば、これよりも、更に大いなることが聞ける。」

 エズ・ラ14:20〈結び〉
 わたしは目を覚ました。わたしの体はひどく震えており、魂は疲労のあまり、消え入りそうになった。すると、わたしのもとに来て語ったその天使が、わたしを力づけ、足で立たせてくれた。
 二日目の夜、民の頭ファルティエルが来て、わたしに言った。「あなたはどこにいたのですか。なぜ、悲しそうな顔をしているのですか。この強制移住の地でイスラエルの民はあなたにゆだねられていることを忘れたのですか。さあ、起きて、少しパンを食べてください。羊飼いが自分の羊を見捨てて、どう猛な狼に渡してしまうかのように、わたしたちを見捨てないでください。」
 わたしは彼に言った。「わたしから離れていなさい。七日間、わたしに近寄ってはいけない。その後で来なさい。」
 彼は、言うことを聞いて離れ去った。そして天使ウリエルが命じたように、わたしは大声で泣きながら七日間の断食を行った。

 創造に伴う罪の問題について、エズラと天使が問答する。


 「エズラ記(ラテン語)」はけっきょく全文を引用して進めてゆくことになったが、勿論わたくしが一字一字入力しているわけではない。当たり前である。そんな労力を費やすぐらいなら、常の通りにうんうん唸ってノートを作成しておりますよ。
 新共同訳聖書を出版している日本聖書協会のHPから該当章をコピペ、章節を省き適宜改行して作成しております。気のせいか、いつもの読書を行うよりもずっと長く本文に目を曝し、じっくりと目を通し、読みこんでいるように思う。が、すくなくとも最後については強烈なる錯覚であることは間違いない。呵々。
 本書に於けるこんな舞台裏を、今後もお届けしよう。◆

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