第2018日目 〈富岡ハルクさん&ひびきはじめさん「二人怪談会」に行ってきました。〉 [ヨハネによる福音書]

 本日は予定を変更して、先日お話しした<2人怪談会>の報告。話者は富岡ハルクさんとひびきはじめさん。わたくしは昼の部と夕方の部に参加させていただいたのですが、これが実に心に残るすてきな会であったのです。
 話者がいて聴衆がいる怪談会というと、会場の照明を暗くしたり、墓場や廃屋のセットがしつらえられていたり、またBGMもそれっぽいのを流して雰囲気を高めたりするのですが、今日の<2人怪談会>はそれとは真逆の会場。
 つまり、陽光は燦々(さんさん)と射し、セットなんてなにもなく貸切のバーの内装そのまま、BGMは昼の部、夕方の部それぞれが始まる際の低弦によるファンファーレ、時折話の合間にわずかな喧噪と笑い声、誰かが息を呑む音がきこえるぐらいでした。
 それは本当に怪談会なのか。そんな疑問を持たれる方も居られよう。然り、怪談会なのである。話者のお2人が語る実話怪談はそうした雰囲気の場所であってこそ、その怖さがわかる話であります。ムードたっぷりの会場でお話ししたら、怖い、と思うても、その怖さは雰囲気に呑みこまれて抱いた怖さなのか、本当に聞き手の心がその話に恐怖を感じたのか、わからないでしょう。
 わたくしも怪談実話は平井呈一翁の遺した文章に触発され、また江戸時代の実録などをきっかけにして興味を持った口でありますが、富岡ハルクさんとひびきはじめさんの淡々とした、それでも不意とした拍子に話のキモへ迫っていた話術には思わず身を乗り出して聞いたものばかりでありました。
 個人的な好みは、富岡ハルクさんの話のなかでは五寸釘の話と神社の白装束の女性の話、ひびきはじめさんの話のなかでは故郷へ帰った女性の話と、琵琶湖で水泳授業を行う生徒たちに先生がかけた一声。
 あれこれ迷って本日のベストを2つずつ挙げさせていただいたが、いずれも後者の話が正直なところ、いちばんゾッとした。思い出せば思い出す程恐怖は鮮明になり、心に浮かぶ光景は現実に近付いてゆく……いや、なんていうものを聞いてしまったのかな、自分は、という気持ちであります。
 夕方の部では神山三平太さんもサプライズで登場。一席披露されたのだが、これもまた震える話でしたね。裏社会の方宅への届け物にまつわる怪談ですが、これにもまたゾクリ、とさせられました。神山三平太さんは富岡ハルクさんとひびきはじめさんの先輩にあたる方だそうだだが、この3人の怪談を生で、間近で聞くことができることの幸運を、話を聞いて怖いと感じる一方で噛みしめたことであります。
 ──怪談会が終わったあとは、同じ会場でnote発のクリエイターズ・ユニオンのプレ・パーティーが行われた。わたくしは当然周囲に知った方はなく、孤立しかけていたのだけれど、と或る男性が話しかけてくださったのを機に、ひびきはじめさんや司会の女性、Twitterでこの会を教えてくださった女性、会の実現に向けて奔走してくださった男性らと歓談することができました。出された料理はどれも美味しくて、これだけのためにパーティー代以外のお金も支払っていいとまで思うぐらいだったのですが、なかでもキーマカレーとタマネギのオリーブ揚げ、お肉や卵他の煮物は絶品!
 そのあと2次会も催されたのだが、驚くなかれ、このわたくしはそちらにも参加したのだ。初対面の方々とどれだけ話せたのか、周囲は既に見知っているなかに自分がどれだけ入ってゆくことができたのか、正直なところ怪しいものだけれど、とても楽しかったことに変わりはありません。
 市内のホテルに宿泊するひびきはじめさんともう1人の女性を横浜駅まで見送ったあと、つい先程わたくしは帰宅した。即ち興奮まださめやらぬ頃、なのである。いま諸兄がお読みいただいている文章は暫定稿として、少しく時間を割いて後日更なる改稿を施そうと検討している。
 ますは本日の報告まで。◆

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