第2184日目 〈本は自分で読むもの、と思うのは時代錯誤な考えなのかな。〉 [日々の思い・独り言]

 iTunesにてオーディオブックをせっせと買いこんだり、Podcastを喜々としてDLしていると、いつの間にこんなに購入/DLしたんだろう、って青くなってしまう。それらは原則、外付けHDDへ格納しているのだが、つい先日、その中身を恐る恐る窺い見て、しばし後には顎に拳をあてて「うむむ」と唸って考えこんでしまった。
 わたくしがiTunesから取得するのは小説が多い。国内に限ったものではなく、原語朗読だが海外の作物だってある。外国語(ほぼ英語と同義)へ耳と脳みそを馴染ませる(ほぼ語学の勉強と同義)のが当初の目的の一、加えていえば好きな文学を書かれた言語で聴いてみたい、という願望もそこにはあり。
 しかし、わたくしは斯様にして入手した作品群のなかで最後まで聴き通したものが殆どない。聴き通していない、のではなく、聴き通すことができていない、という方がより正確だ。なぜか、要因はなにか。理由は結構シンプルで、聴き通すには作品が長すぎるのである。日本の場合以上に海外作品は厄介だ。短編ならいざ知らず、海外小説の長編ともなればただでさえページ数が辞典並みに分厚く、物語も長大となる。それに比例して朗読時間も長時間化の傾向を見せてゆく。厄介というのはそれだけの時間、朗読に耳を奪われてしまうことになるからだ。正直なところ、それって案外苦痛なんだよね。
 購入したりDLしたりする当座は、聴く意欲も聴きたいという欲望も、然るべき理由や目的もあって購入ボタンや購読ボタンをクリックするのだが、決して気紛れにそれを行っているわけではないのだ。が、いざ聴こうとするとそのトータル朗読時間に怯み、それでも青息吐息で折り返し点まで来るとそこから先はもうスイッチが切れたようになり、そのまま放置を決めこんだりする。オーディオ・カセットやCDの時代を含めても、最後まで聴き通して、なおかつそのあと何度も聴いた作品がどれだけあるかといえば、STEPHEN KING原作・朗読の『Gunslinger:The Dark Tower 1』を除けば五指に余る。それも日本人作家の手になる作品も込みでの話だ。
 ここで導き出される私的結論は、やはり本は他人に読んでもらうものではなく自分で読むもの、という昔ながらの固定観念だ。むろん、ここでは子供への読み聞かせや朗読会、障害者相手の朗読といった事例は考えに入れていない。あくまで五体満足な成人の、個人的営みとしての読書を念頭に置いている。残念ながら反対尋問には応じない。
 他人の朗読のペースと自分の読書のペースが合致すれば良いが、それを期待するのはちょっと虫が良すぎはしないか。換言すれば自分で読んだ方が早いし、心にも残るんじゃないのかな、と思うの。21世紀のIT時代、DL購入とモバイル端末での読書が市民権を得る時代になんと時代錯誤なことをいうのか、と失笑されようけれど、それはわたくしもじゅうぶん承知だ。
 とはいえ、紙の本の方がね、まあ重量はあるし、かさばりもしようけれど、読もうと思ったときすぐさま荷物から取り出して、そのまま読書を始めることができる。モバイル端末を操作するにはためらわれる環境であったとしても、紙媒体の書籍ならば特にお咎めなしというケースが専らだ。利便性としてはモバイル端末にはるかに優る。いうてみれば、起動時のWindowsとMacの立ち上がり時間の差に匹敵する。おまけに紙媒体はバッテリの心配や輝度の調整に神経を使うこともないからね。もっとも、照明など他の点で気を配ることは多くあろうけれど。
 勿論わたくしは電子書籍やオーディオブックを頭から否定しはない。外出先でと或る作品の一部を引用したり、もしくは確認するのに、電子書籍やオーディオブックになっていさえすれば参考させてもらっていることは、偶にあるからだ。便利だからというてそれに依存するつもりがないだけの話である。あれば便利だがそれ以上のものとはなり得ぬ。利用はしても依存はしないし、そちらへ読書の主軸を移すことも断じてない(獄中の人となり、本ではなくタブレットしか与えられないなら話は別だがね。呵々)。実際にiPadやKindleを手に入れたとしても、このあたりは変わらないだろう。
 ではそろそろ本稿の筆は擱き、外付けHDDからオーディオ・ブックやPodcastを幾作か削除するとしようか。さて、どれから手を着けようかな。◆


 追記
 スタバでのモレスキン初稿から難航、そこではMacBookAirを開くような時間はなかったので帰宅後、本稿のワープロ稿を作成。が、仕事の疲れか、キーボードを叩いているうちに舟を漕ぐこと数度、10数分の睡眠に陥ること2度もあり、いつ布団に入ったかも記憶がない。そんなことから休みの昼間に、どうにかこうにかお披露目できるようなものを完成させて、日中に公開させていただく次第だ。以上、こんな日も偶にはある、という釈明会見を終わる。□

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。