第2276日目 〈ヘブライ人への手紙第2章2/2:〈救いの救世主〉withまさかこのシリーズを読書計画に入れ忘れるなんてね!?〉 [ヘブライ人への手紙]

 ヘブライ人への手紙第2章2/2です。

 ヘブ2:5-18〈救いの救世主〉
 お気附きでしょうか。神はわれらに語っている来たるべき世界については天使たちに話もしなければ語らせることもなかったことに。なによりも来たるべき世界を天使たちに従わせようともしませんでした。或る詩篇ではこのように触れられています。曰く、──
 「あなたが心に留められる人間とは、何者なのか。/また、あなたが顧みられる人の子とは、何者なのか。/あなたは彼を天使たちよりも、/わずかの間、低い者とされたが、/栄光と栄誉の冠を授け、/すべてのものを、その足の下に従わせられました。」(ヘブ2:6-8)
 となれば、すべては主の下にあらねばなりませんが、実際はそうではないのです。われらはすべてのものが主に従っている様子を見たことがないのですから。ただ、一時期天使たちよりも低くされていたイエスは、死の苦しみを経て栄光と栄誉の冠を授けられました。まこと、神の恵みによってイエスはすべての人のために(一度は)お隠れになったのです。
 万物の目標であり、源である方即ち神にとって、多くの子らを栄光へ導くためにはかれらの救いの創始者即ちキリストが数多の苦しみを経て完全な者となるのは予定されていたことであり、また神の目にかなう相応しい出来事だったのであります。実際のところ、人を聖なる者とする方も、聖なる者とされる人も、「一つの源」(ヘブ2:11)から出ているのです。それゆえにイエスはかれらを兄弟と呼ぶことをなんら恥とせず、集会に於いて人々と共に神の名を讃美したのです。
 聖なる者とされる人々、兄弟たち。かれらは皆血と肉を備えています。イエスも同様に血と肉を備えた存在として世に現れました。なぜならば、悪魔という死を司る存在を自分の死と引き換えに滅ぼして、死の恐怖ゆえに一生涯奴隷として使役される人々を解放するために──。イエスは天使を助けない、アブラハムの子孫を助ける。まさしく、と申せましょう。
 「それで、イエスは、神の御前において憐れみ深い、忠実な大祭司となって、民の罪を償うために、すべての点で兄弟たちと同じようにならねばならなかったのです。」(ヘブ2:17)
 ──イエス自身、試練を受けて苦しんだからこそ、試練を受けて苦しんでいる人々を助けることができるのです。

 キリストによる救いの性質が如何なるものか、簡潔ながら的を射た指摘のされた箇所と思います。きちんと読みさえすれば、ここはとてもわかりやすい。雲を摑むような思いで読んだ昨日とは打って変わって、一語一句なべてに首肯できるのであります。
 ヘブ2:11「人を聖なる者とされる方も、聖なる者とされる人たちも」、前者がイエスで後者がキリスト者を指すことは容易にわかりましょうが、同「一つの源」がなんなのか、一致した意見はありません。神であるともアダムであるとも、はたまたアブラハムであるともいわれます。ただこれは文脈によって如何様にも解釈できる点でもあるので、無理に断定する必要はない、と思います。
 引用したヘブ2:17にてイエスは大祭司である旨述べられますが、この命題については明後日読むヘブ4:14-5:10にて改めて取り挙げられる、本書簡のメイン・トピックの1つであることは、既に〈前夜〉にて触れた通りであります。
 なお、ヘブ2:10の文章は新共同訳よりもフランシスコ会訳や新改訳で読んだ方が、とってもよく意味が汲み取れると思います。なんというかですね、新共同訳ではこの箇所がいったいなにを語ろうとしているのか、しばし小首を傾げる羽目に陥るのです。やれやれ。

 本日の旧約聖書はヘブ2:6-8と詩8:5-7(但70人訳ギリシア語)、ヘブ2:12と詩22:23、ヘブ2:13aとイザ8:17(同)、ヘブ2:13bとイザ8:18。



 先日お話しした第二次〈有川浩祭り〉以後の読書計画について、専ら備忘のために修正報告。
 始まりと終わりについて変更はない。その途中で読むものについてもご退場願うものはなにもない。が、あのときはここに1つ、肝心なものを含めるのを忘れていた。谷川流<涼宮ハルヒ>シリーズ全11巻(角川スニーカー文庫)である。
 発売される毎に読んできたこのシリーズを──第1巻『涼宮ハルヒの憂鬱』から最終巻『涼宮ハルヒの驚愕』までの全11巻を、一回で構わないから一気読みしたかったのだ。おそらくいまがそのとき。好機到来、いまを逃せば永遠に機会は巡ってこないだろう。為に此度の実行なのだ。
 では、果たしてこれがどのような影響を後々に至るまで及ぼすことになるだろうか。答えは明らかである;新潮文庫版太宰治作品集の読破とそのあとに訪れる<福音>スティーヴン・キング三昧の日がその分遠離る、ということ。なんてこったい。
 さて、他にご質問は?◆

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