第2746日目 〈おーい、『エリア随筆抄』はどこへ行った?〉 [日々の思い・独り言]

 つい先日、部屋を掃除中にダンボール箱のなかで見掛けたチャールズ・ラム『エリア随筆』(みすず書房)を探すも、どこにもない。「傘がない」ならぬ「『エリア』がない」という(※)。困った事態に陥っている。
 もう1冊、別の『エリア随筆』があるから、当面はそれで事足りるのだけれど、弱ったなぁ。その平井正穗訳の八潮出版社版はたしかにその後、みすず書房版を買うまで枕頭へ侍らせた書の1冊ではあるけれど、如何なる経緯か判断か、集中の名品と謳われる「古陶器」と「豚のロースト談義」を欠く。「煙突掃除人の讃」も、ない。これはまいった。そうだ、枕頭に侍らせるも不満があったのは、削られた諸編を讃える文章が目について、架蔵のものにはそれらがなかったことに由来するのだった。
 この1冊のために部屋を大捜索せねばならない。嗚呼、なんたることか。備忘も兼ねて断っておくと、この本は処分したなかに入っていない。査定明細を見ても明らかだ。もっとも、買取値の付かなかったものが全部で10数点あることから、そのうちの1冊になっていないとは限らぬ。が、今世紀に出版されたみすず書房の本を裁断本に回すなど、新古書店もそこまで馬鹿であるまい。
 いまわたくしの脳裏を、或る映像がずっと過ぎっている。開梱したダンボール箱、文庫が2列になって収まり、その上に単行本が数冊乗っており、そのなかに水色をベースにした落ち着いた装丁の<大人の本棚>シリーズの1冊、ラム著山内義雄訳庄野潤三解説『エリア随筆抄』のある光景が。それを追い求めて先程まで積みあげられたダンボール箱を片っ端から汗かきながら開梱し続け、念のためと称して整理終わっている書架を点検し続けた。が、どこにも『エリア』はいない。
 斯様な次第により、昨日のエッセイにて呟いた「家庭」にまつわるそれの執筆はしばし棚上げだ。残念。捜索には全力を挙げる(つもり)。発見したら、改めてここでお知らせしよう。
 それにしても、あるはずの本が忽然と姿を消す、って、わたくしの部屋は四次元空間と繫がっているとでもいうのか?◆

※「傘がない」を変換したら「嵩がない」と出た。うん、たしかに「嵩がない」ってのは深刻なんだけどな。□

共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。