第2849日目 〈お部屋のお掃除:これが完成形、かな。〉 [日々の思い・独り言]

 昨年から断続的に連載(ということにしませんか?)してきた、「お部屋のお掃除」シリーズですが昨日、ようやっと胸に描いた姿に、限りなく近附いたと自負します。
 壁に造り付けられた書架は、真ん中の構造壁で右と左に別れており、すべての棚が可動可能。雑誌も文庫も同じ書架に収められる、場合によっては同じ棚に収められるのが強みだが、一方で救い難い欠点も1つだけ、ある……奥行きがあり過ぎるのです。
 否、これは贅沢な悩みかもしれません。同じ量を収めるとしたら、本棚が何杯必要になるか、どれだけのスペースを喰うか、それを考えると、造ってくれた棟梁さんには感謝しかないはずなのだが……。まぁ、「本の重みで床が抜けるか」的な不安と焦燥と、まわりからの讒言には、ここは敢えて、東照宮のアイドル・モンキーに倣って耳を塞ぐとして、話を前に進めましょう。
 いちおうの完成を見たのはたしか年が明ける前後と記憶する。過去のブログやHDDにしまってある原稿を検めれば判明するが、いまは横着してそう書かせていただきます。その後、廊下に長いこと積んであったダンボール箱を開け、詰めこまれていた本をサルヴェージした後、ひとまず件の書架の前に積み重ねて、できた山は4つ、腰高のため殆ど連峰というてよかった。そうしてその向こうにある書架の本の出しづらきこと、腹立たしくも時間が経てば馴れてしまい、なんとなく昨日までそのままにしておいた。
 もっとも、昨日になっていきなり片附けを再開、どうにかほぼ完成形までこぎ着けたわけではありません。左右いずれの列も最上段はパソコンやプリンタの箱が占拠しており、それらは部屋を、就中蔵書と書架の整理を始める前から温めていたプランで、遅かれ早かれそれらを撤去、空いたスペースに棚板を渡してスティーヴン・キングか村上春樹の単行本と文庫本をずらり、並べる魂胆でありました。が、そうはうまいこと問屋はおろさなかった。
 1つの棚へ収める本には、なにかしらのテーマを持たせたい。書架の前に積み重なって人間の可動領域を狭める4つの山を眺め、続けて書架を見あげて、ふむぅ、と考えた。さいわいとそこに積まれた本はみな、日本の古典文学である、そのテキストと、専門的な読み物である──じゃぁ、和歌・歴史・日記・随筆・俳諧俳文・思想・物語、と分ければいいさ、と結論が出るまでにさしたる時間を必要としなかったのは、読者諸兄もご想像されたことと思います。然り、わたくしは期待を裏切らないのだ。
 そのプランに基づいて山を切り崩し、書棚に入る本も引っ張り出して、作業開始。件の空き箱については埃の積もり具合に閉口したけれど、すべて拭いてから廊下に放り投げ、もとい積みあげて日曜日にバラシを行うとし、棚板も雑巾で綺麗にして、いよいよ作業開始。夕食をはさんで日付が変わった10分後に、じゅうぶんに満足できる、完成形に極めて近いと思うてよろしかろう姿がわたくしの前に現れた。
 左列の最上段には歴史・日記・随筆・物語・思想・俳諧俳文・折口信夫研究の単行本/雑誌を収め、対する右列の最上段は歴史小説と上田秋成関係の本でまとめた。むろん、秋成は国書刊行会版・中央公論社版の全集を含む(前者については、「遺文」も、勿論)。手前にはどうにも行き場がなかった中公文庫版『折口信夫全集』全31巻別巻1を並べました。
 右列に収めたものは上から順番に、古典の専門的な単行本や大学紀要、奢灞都館から出版された近代文学、そうして反町茂雄の著書を中心にした棚、小学生の頃に1冊ずつ買ってもらった集英社版『学習漫画 日本の歴史』全18巻と、貧書生の時分にこれも1冊ずつ買い集めていった中央公論社『日本の近世』全18巻を中心に、小学生の頃使っていた国語辞典や、日本語教師の勉強をしているときにかった日本語辞典、アクセント辞典、そうして郷土史の本を添えました。その下はクラシック音楽にまつわる本(難聴ゆえに音楽書を大量に処分した折、その別れから逃れ得た愛惜おく能わざる本)とお気に入りの現代小説数冊、渡部昇一の著書やその他の新書を収めた。その下の棚にはいよいよ村上春樹の単行本・文庫本を一ヶ所に集め(それでも文庫数冊があぶれるの)、さらに下の棚には分散しておかれていたコミックをまとめました。
 これで書架の前にはもう、床に積み上げ本はありません。すっきりした。なににもぶつかることなく歩けるのは、精神衛生的にも極めて良いことでありますね。これから多少の出入りはありましょうが、それは記すに値しないぐらい微々たるものでありましょう。
 今回の書架の整理で棚には幾らかの余裕が生まれた。そこを使って、或るコーナーを設けました。わたくしは10年以上前、ハンドル式のシュレッダーを使っていたことがあります。シュレッダー部分は疾うに刃が駄目になってしまい棄ててしまったのですが、紙片が落ちてくるプラスチック部分はなにに使うともなく部屋の片隅にありました。
 それを活用して、今後読む/読まなくてなならない本を置くようにした。透明なのでなにが入っているのか一目瞭然、しかもそこに本が入ると、あきらかにまわりとの違和感があるので、まぁ、目立つ、目立つ。「読まなくちゃ! 読んで参考にしたい/読むに値すると判断したから、お金払って買ったんだろ。読めよ、おれ!!」と自らに訴えかけてきて手を伸ばさせる効果は大。幸運にも来週からようやく働くことができるので、往復の電車のなかや隙間時間を使って、2日で1冊は読みあげるようにしよう、と心に決めたのであります。太宰はどうしたのだ、なんて野暮天なこと、訊かないでね。
 さて、まもなくCSで映画が始まるな。筆を擱いて、腰をあげよう。Let’s call it a day.ビールは2本、冷やしてある。そうそう、チーズも忘れないように、と。◆

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