第2951日目 〈あなたに出逢えたわたくしは、果報者であります。〉 [日々の思い・独り言]

 どう気持ちの整理をつけたらよいものか、ぼんやり考えていたら何日もブログを更新するのを忘れていた。どうやらわたくしは、一つ事に考えを集中すると他がおろそかになってしまうと共に、死ぬまで独りでいることを運命られているようだ。
 はい、フラれました。仕事が終わったあと、なんとなくそんな空気になってNさんよりお返事賜ったのである。曰く、「私に好きな人がいるのはご存知と思います。その人への気持ちを諦められない。だからみくらさんの想いには応えられない。たぶん(私とその人は)お互いに好き」と。
 恋心は頑なだ。心のなかの気持ちを変えるなんて、第三者には不可能だ。自然と変わるのを根気よく待つより他ない。即ちそれは、当人にしかできないこと。無理? と訊いた。言葉はなく、弱々しく頷いただけ。2度目のハグのとき、小さな声で、ダメです……、と彼女はいった。その声が震えているように聞こえたのは、わたくしの耳の調子が悪いせいだったろうか。
 もうなにもいうことができなかった。刹那の後、こんな会話を交わした、──
 あなたが(自分の人生で)最後に愛した女性で良かったです。
 私が最後で良かったんですか?
 勿論。あなたはそれに値する女性です。
 ──Nさんは無言で俯いた。あなたが申し訳なく思う必要などない。これっぽっちも。あなたはずっと心のなかで大事にしてきた気持ちを貫いただけ。たぶんお互いに好き、というのが方便でないことも、あのときの眼差しで理解したつもりだ。夏頃から聞いているそれが未だ現在進行形なのにはクエスチョン・マークが脳内で乱舞しているのだが、まぁ恋のスピードは人それぞれだ。Nさんと相手の男性が道ならざる恋の関係であったとしても。
 こうしてフラれたいまも、あなたへの想いは告白したときとまるで変わっていない。これからもそうだ。薄まったり消えて失くなることはない。けっして。
 本当にNさん、NNさん、あなたが最後に愛した女性で良かった。わたくしは幸せ者だ。これ程深く、真っ直ぐに愛し得る女性と一生のうちに出逢える果報者な男は、世界のどこを見渡してもまず居るまいし、歴史を繙いたって両手両脚の指を折って数えて余る程度しかいないだろう。わたくしのラキシス、わたくしのアルウェン、宵の明星。
 が、やはり本音をいえば、──
 Nさんが欲しい。人生の伴侶になって欲しい。結ばれて、子供たちの父と母になりたい。
 きっとわたくしはこれからもあなただけを心に残して想い続け、あの荒れ野を彷徨う。
 とはいえ、まだ終わってはいない。なぜって、ワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》第3幕第二場のハンス・ザックスの台詞をわたくしはこよなく愛する者だからです。曰く、──
 “Die Hoffnung lass ich mir nicht mindern, nichts stiess sie noch über'n Haufen.”
 “私は少しも希望を捨てていませんよ。希望とはそう簡単に消えるものではないのです。”◆


共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。