第3075日目 〈できないことを目標にしてみる。〉 [日々の思い・独り言]

 ちょっと足を伸ばして郊外に出掛けた帰り、都議選選挙で候補者の声喧しい街路を抜けてと或る新古書店を覗いてきました。ここに来るのは1年以上ぶり? コロナ騒ぎが勃発した昨2月以後は来ていないから、まぁそんなところか。
 ここは首都圏最大級を謳うだけあり、とりあえず在庫の数だけは他店舗を圧している。探していた本をここで見附けたことも、何度かあります。今日も探していた本を見附けて買いこみ、意気揚々と帰宅しました。
 帰りのJRのなかでリュックの重さを腿に感じながら、ふと思いましたね。しばらく本を買うの、やめよう、と。大学生協でバイトしていた時分に買い揃えてその後うっかり手放し、以来なかなか当時所有していた版で全3巻を見附けられなかった文庫を今日、2つの店舗で買い揃えられたことがいちばん大きな要因かな。
 渡部昇一『甦る日本史』(PHP文庫 1996/07-09)が当該書籍となる。これは元版のタイトルを『日本史の真髄』(全3巻 PHP研究所 1990/06-1994/04)といい、上述の文庫が発売されたあとも(この人の他の著作同様)書題と装幀を変えて今日でも出版社の目録に載る代物だ。読むならそちらでじゅうぶんにもかかわらずそうしなかったのは、ひとえにノスタルジーと指が覚えた感触と眼球が覚えた版面からの記憶の連想ゆえだ。
 ……端本ではよく見掛けていたところが「この店とあの店にあるものを組み合わせれば、全冊揃いになる」ことが判明した今日、企みを実行してようやっと長きの渇きを癒やした次第。もう何遍も書いたことですが、渡部氏の日本史の本は基本的に変わらぬスタンスですべてが書かれているため、要となるものを押さえ、読んでおけばじゅうぶんなのです。その要の1冊が本書、『甦る日本史』であります。
 そうしてそれをようやっと買い揃えることができた安堵か憑きが落ちたか、はたまたいずれでもないか、ふと帰りの電車のなかで、しばらく本を買うのやめよう、と思うたのですね。家族に繰り言いわれたわけでも、空間欠乏が決定的になったわけでも、床が抜けたわけでも勿論ない。ただふと、そう思うただけなのです。
 端本で全巻揃いになっていないものがあるとすれば、ちくま文庫版『太宰治全集』と双葉文庫『松本清張初文庫化作品集』ぐらいかな。いずれも性急に揃える必要はなく、全巻を揃えるまでどれだけ時間がかかってもいいか、と気楽に構えている……前者に関してはいまも大きな新刊書店に行けば買えるしね。
 まぁそんなわけで明日からゆっくりと、積ん読で置いてある本を読み崩してゆこうと思うております。◆

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