第3192日目 〈『ラブライブ!スーパースター!!』第12話(最終回)を観ました。〉2/2【改訂版】 [『ラブライブ!スーパースター!!』]

 「まだまだ書き残したことはある。この最終回に関しても書き切れていないことは幾つもあるのだ。東京大会進出が決まったと知った澁谷ファミリーの喜びようとか、Liella!の面々が会場に向かうときの様子とかね(とりあえずここでは、すみれ、名前を呼んでもらえて良かったね、とだけ涙ぐみながらいうておきましょう)。形の上では第12話最終回に関しては前編後編みたくなるのかもね、この感想文」(第3185日目 〈『ラブライブ!スーパースター!!』第12話(最終回)を観ました。〉より)

 終わってしまって今日で10日目。新しいドラマが提供されないことに虚脱感を覚えていた或る日、先日のことだが、悦ばしいニュースがさっそく入ってきました。確定事項ではあったけれど、まさかこんなに早く、その報道が為されるとは……!
 いうまでもなく、『ラブライブ!スーパースター!!』第2期製作決定の報であります。具体的にいつから放送、とは(『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第2期と異なって)アナウンスされていないが、まぁ、早くても来年2022年の秋口からの開始、なのかな。いずれにせよ、こちらはただおとなしくして、妄想と想像を膨らませて新しい情報の開示を待つのみ……。
 第2期製作決定の報に触発されたためではないが、前回なにげなく予告していた『ラブライブ!スーパースター!!』最終回感想の補遺となる文章を綴ってゆきたく思います。短く終わらせるので(たぶん)、しばしお付き合いの程を。
 ──前稿ではかのんの気持ちの移ろいに注目したので触れる機会を逸してしまったのが、東京大会出場を知った澁谷ファミリーの喜ぶ姿でした。
 お母さんの台詞からすると、どうやらかのんは東京大会出場の件を誰にも話していなかった様子。両親と妹ありあから「おめでと〜っ!!」とクラッカーを鳴らされたときのかのんの表情、御覧になったでしょうか。第1話のときからは想像もつかないような、自信とはにかみと心底からの喜びとありがとうの気持ちが混ざった顔でした。あんなにやさぐれていて、大丈夫なのかしら、この子が主人公で……と不安にさせたかのんは、もうここにはいません。回を重ねるにつれて、彼女は着実に成長した。
 基本的に『ラブライブ!』シリーズは登場人物の成長を描いてきましたが、かのん程成長著しいキャラクターはいなかったのではないか。
 そも小学校時代のトラウマが尾を引いて結ヶ丘女子高等学校の音楽科受験に失敗した、それゆえに希望する道へ進めなかった、というのが、われらが初めて目にした澁谷かのんであった。そんな女の子が、ひとりのクラスメイトの言葉に動かされて前に一歩、新しく踏み出すことができた。
 それ以後はゆっくりと、1歩進んで2歩下がるような事態に直面したこともありと雖も、周囲に支えられて、または周囲に応えようと、精一杯の力を尽くして、そのときの自分にできることを悔いのないように行って、最後には「ラブライブ!」東京大会の大舞台へ立つまでになった。──うむむ、これを成長といわずに何というや。
 むろん、かのんばかりではない。千砂都はかねてからの希望通りかのんの隣りに立って彼女の役に立てることをやることを実現したし、すみれは子役時代からの不遇と周囲との間にあった見えない壁をスクールアイドルを始めることでぶち壊し、恋は両肩に重くのし掛かって誰にもいえない学校存続の使命から解放されて本来の自分を取り戻しました。可可に至ってはスクールアイドルをやりたいという夢をかのんとの出会いによってかなえることができ、その類い稀なる行動力と熱意で体力ならびにスタミナ(殆ど)ゼロてふ圧倒的ハンデを克服し、かのんたちLiella!メンバーと一緒にステージを重ねていった。帰国問題が第2期にどんな形で引き継がれるか、可可に関して問題視されるのはそこのみ、か。
 メンバーの数が5人というのが、最終的には功を奏したというべきなのでしょう。1人1人の内面描写をどれだけ掘りさげ、影の生活を作品に滲み出させることができたか。そのあたりは放送回数と1話の尺の制約もあって難しい挑戦だったろうが、概ね吉と出たのではないか、とわたくしは思うております。第2期では後輩加入の可能性が濃厚だけれど、安易なキャラクター造形とプロットはやめてほしいな──そうした意味では、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第2期が1つの試金石になるか……でも、脚本も監督も違うからなぁ……どうだろ? ←第3話のかのん風に。
 澁谷ファミリーにも長女の成長は嬉しいことであったろう。娘の成長をその目で確かめられるのは、偏に喜び以外の何物でもない。<歌で皆を笑顔にしたい>という夢を受験失敗で見失い、自暴自棄になってしまった娘が(事情がどうあれ)入学早々クラスメイトを家に連れて来、スクールアイドルの相談をしている光景を見たとき、お母さんはあんな反応を取っておりましたけれど、内心ではきっと相当嬉しかったんだろうな。親というのはそういうものです。
 無印第1期第4話で真姫の家に花陽が訪ねてきたとき、真姫ママが「高校に入ってから友達を家に連れてくることがなかったから、友達がいるってわかって嬉しい」旨話しておりましたが、かのんパパ&ママも同じような気持ちだったに相違ないでしょう。
 それはおそらく、或る意味で両親以上にかのんを近い場所で見ていた妹ありあにもいえることでなかったでしょうか。最終話に於けるありあのかのん評は、確かこういったものでした。曰く、「熱い、ウザい、暑っ苦しい」と。加えて、浮き沈みが激しくて、いつまで過去の失敗を引きずっているんだろう、早く立ち直ってほしいな、そうしてお姉ちゃんの歌をまた聴きたいな、なんて想いもその背景にはあった、と考えます。
 雪穂と同じ立ち位置といってしまえばそれまでですが、顧みれば雪穂ってμ’sの全体評は口にしていても、姉穂乃果個人について特に発言したことがないのですね。その役はμ’sメンバーに奪われていたのが実際ですが、もし、雪穂が自分の口から穂乃果評が出ていたら、ありあと同じような内容になっていたのでは? ──穂乃果が陽で、かのんが陰、そうして妹が両者をシームレスにつなぐ役割を担っている、というのが、高坂家と澁谷家の姉妹の構図なのでしょう。
 顧みて、かのんはあたたかい家庭に生まれ育ったな、と感じます。両親の愛と妹との間も良好、この調子であれば、物語には登場しませんでしたがスペイン人の祖母からもかわいがられている様子は、容易に想像できてしまうのです。
 ふと思い出すのは、かのんが可可の詞をアレンジし、曲を付けるにあたって、父の書斎から各国語の辞書を借りだして廊下で父と鉢合わせする場面であります。そのとき、父は後ろ姿からでもわかるぐらいちょっとびっくりした様子を見せていました。それにかのんはどう応対したかといえば、取り繕うようなそれではなく、心を許した相手だけに見せるような屈託のない笑顔で応じたのでした。あんな笑顔を見せられてはねぇ、パパとしてはもう心を蕩けさせられるばかりでありますよ。
 どちらにせよこの関係性は、仲睦まじい親子でないと見せることの難しい点であるといえましょう。前述の澁谷ファミリーのクラッカー鳴らしてかのんを祝う場面に、パパも真正面から描かれていたのが自分的には高ポイントかな。うーん、良いな、羨ましいな、こういう家庭。いやぁ、かのんパパ、幸せ者ですよ。
 ──ああ、会場へ向かうときの光景について触れるのを忘れるところだった! わたくしが前回、いいたかったことは、煎じ詰めればただ1つなのであります。即ち、斯くもあざとく、ストレートな無印第2期第9話の<スノハレ>リスペクトの流れにもかかわらず、まったく違う印象を覚えさせられたのは、『ラブライブ!スーパースター!!』こそが『ラブライブ!』正統後継作であると宣言したも同然のように感じたためかもしれません。他の視聴者、ライバーの方々はどうだったのだろうか。

 さて、今後について。
 新しいエピソードの供給はしばらく止まる。が、告知された第2期の情報解禁を待ちながらわれらは、第1期のBlu-rayの初回特装盤を──或いは放送時に録画してたものをDVDなりBlu-rayに焼いたそれを──繰り返し視聴して、Liella!の音盤、番組のオリジナル・サウンド・トラックを耳タコになるまで、否、なってもなお聴き返し、(時に『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』に浮気しながら時間を過ごすのを自分に許して、)YouTubeの「ラブライブ!シリーズ公式チャンネル」で配信される「ラブライブ!スーパースター!! 結女放課後放送局 リエラジ!」」と「ラブライブ!スーパースター!! Liella!生放送」を楽しみながら、<その日>の訪れを坐して待つことに致そう。

 ……あ、サニパのこと書くの、忘れた。体育館を覗いたときのかのんの打ちひしがれた姿とヤエを睨みつけたときの場面についても書くのを、忘れた……あれ、もしかしてこの感想文、「3/3」がある?◆


付記;本稿を第12話最終回の感想「2/2」とするにあたり、第3185日目の感想を「1/2」としてタイトル変更致しました。なお、上記理由により今後、分母が「2」から「3」になる可能性があることをお伝えしておきます。□

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