第2639日目 〈MYDY作戦、発動! ダニ第3章2/2-第6章編withつぶやき・なう:なんてこったい……。〉 [聖書読書ノートブログ、再開への道]

 ダニエル書第3章2/2から第6章です。

 第3章2/2(全3節)&第4章(全34節)
 ネブカドネツァル王が見た夢の話。大地の真ん中に1本の木があり、それはたくましい巨樹に生長した。葉も実もゆたかに茂らせ実らせて、野の獣、空の鳥の憩いの場となった。いつしか巨樹は倒され朽ちるに任され、葉も実も落とされて獣も鳥も追い払われた。そうして7年が過ぎる。
 ダニエルは逡巡の後、夢解きした。曰く、王の支配は地の果てまで広がるが、やがて滅ぼされる、と。また曰く、王は追われて野を彷徨い露に濡れ、獣とともに草を食み、そうして7年を過ごす、と。
 それは現実となった。王は尊大の親玉となった。神の怒りを買って、放擲された。夢にあったとおり、王は7年を野で暮らし、獣のように過ごした。7年の時が満つと、ネブカドネツァルは理性を取り戻し、「いと高き神をたたえ、永遠に生きるお方をほめたたえた。」(ダニ4:31)
 王の上には再び栄光と輝きが与えられ、その御代に帝国は栄華した。それからというもの、王はダニエルたちの神を崇め、讃えるようになった。「その御業はまこと、その道は正しく、驕る者を倒される。」(ダニ4:34)
 【ぼくから、一言】
 ○イタリアの作曲家ヴェルディに《ナブッコ》という、全4幕のオペラがある。本章のエピソードを題材とした作品だ。イタリア第2の国歌ともいわれる合唱曲「行け、わが想いよ。黄金の翼に乗って」は《ナブッコ》第3幕にて捕囚のヘブライ人たちがユーフラテス川畔で唱う、望郷の歌である。
 ○夢解きの章は、どうしても長くなってしまう。なんとかしたいなぁ……。

 第5章(全30節)
 時は移ってネブカドネツァル王の皇子、ベルシャツァルの時代。ベルシャツァル主催の大宴会の席上、人々は人目に美しく映る貴金属を造った神を讃美した。すると宙に人の指が現れて壁に文字を書いた。
 それを読み解ける者がなかったのでダニエルが召され、その解読を任された。ダニエルは一時、父王ネブカドネツァルの事績と信仰を語り、壁に書かれた文字の意味を伝えた。曰く、「ベルシャツァルよ、あなたの御代は既に数えあげられ、終わりの時も定められた」と。また曰く、帝国はやがて二分されてメディアとペルシアに与えられる、とも。
 同じ日の夜、果たしてベルシャツァル王は暗殺されたのだった。
 【ぼくから、一言】
 ○本章に於いてベルシャツァルは「王」と呼ばれ(ダニ5:1)、父はネブカドネツァルとされる(ダニ5:18)。が、史実に則していえばベルシャツァルは王にあらざるなり、父王より国内統治を任せられていたのが実際のところ。謂わば摂政官である。そうして父王とは新バビロニア帝国第6代にして最後の王、ナボニドゥス(在:前555−539年)である。ネブカドネツァル王の皇子、とした理由は不明だが、ダニエルの物語に挿話を組みこむための恣意的改変に過ぎぬというのが真相であろう。
 ○夢の結びに関しては、まさしくナボニドゥス=ベルリン・フィルベルシャツァルの代で帝国は滅びてメディア人とペルシア人のハーフ、キュロス2世率いるアケメネス朝ペルシアが代わってオリエントの覇権国家となったのである。
 ○ベルシャツァルの大宴会は様々な文芸のモティーフとなって、各分野のクリエイターにインスピレーションを与えた。画家レンブラント、詩人ハイネ、作曲家シューマンやウォルトンなどである。特にウォルトンのオラトリオ《バルタザール(ベルシャザール)の饗宴》はカラヤンが「20世紀で最も優れた合唱曲」と評した作品。録音は数こそ少ないが、個人的にアンドルー・デイヴィス=BBC交響楽団他(プロムス100周年記念)、サイモン・ラトル=バーミンガム市響他はお気に入り。

 第6章(全29節)
 メディア人ダレイオス王の御代。地方からの報告を束ねる大臣の1人に、ダニエルは任命されていた。その働きはすべての面で傑出しており、不祥事もなく、王の信頼も篤かった。それを妬んだ官僚たちは王を欺き、だまくらかして、遂に向こう30日間王以外の何者も讃え、また祈ってはならぬ、という禁令を発布させた。
 この禁令を知りつつ、ダニエルは変わらず自分の神を信じて、祈りをささげた。官僚たちはこの背反行為を報告して、王にダニエルの処分を迫り、首を縦に振らせることに成功した。彼らはさっそくダニエルを、獅子の潜む洞窟へ投げこんだ。翌朝、王が洞窟に馳せ参じてダニエルの名を呼ばわると、果たしてかれは怪我1つない姿で現れた。天使が獅子の口を閉ざしたのだった。
 ダレイオス王はダニエルに対して奸計を巡らせた官僚たちを、洞窟へ投げ入れて獅子の餌とした。そうして「全地に住む諸国、諸族、諸言語の人々に」(ダニ6:26)向けて、ダニエルの信じるイスラエルの神を恐れ、畏み、敬うようにせよ、と勅令を発したのだった。
 【ぼくから、一言】
 ○王たるメディア人、ダレイオスとは誰か? 新バビロニア帝国に代わってオリエントの覇権国家となったアケメネス朝ペルシアには、たしかにダレイオス王1世なる君主がいた。ならば、かれのことか──? 否! この王は捕囚解放を宣言したキュロス2世の次の次に帝位に就いた人。
 もとより「ダニエル書」は史実に関しては著しく正確性を欠いて無頓着な、言い様によっては歴史を自由にパッチワークした書物である。とはいえ、かつてのバビロン王やキュロス2世ではなく、敢えてダレイオスの名を持ってきたのは、なぜか? なんらかの意図ありや? そう邪推してしまう。本章末尾では、ダレイオスに続いてペルシアの王キュロス王の御代までダニエルは活躍した旨わざわざ言い添えているのが、余計に疑問を深くする。果たして真相や如何に──?
 なお本章でいうダレイオスとはキュロス2世の即位前の別名である、と述べるものもあるが、その信憑性はとても低いといわざるを得ない。かというて、無下に扱ってよい説でも勿論、ない。



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