第0028日目 〈ヒルティの言葉:その2〉 [日々の思い・独り言]

聖書と並行してヒルティを読んでいます。何度目の読書でしょう。

『眠られぬ夜にために・第一部』の11月01日、02日の条にてヒルティは「死」について言葉を綴っています。
「死ぬことは、毎日の眠りと目覚めの過程とあまり本質的な違いのない、一つの大きな経過的事象だと思われる。
(中略)
(死に至る)過程そのものについては信頼できる報告は一つも持たないが、
それは眠りに入る過程をだれも正確に思い浮かべることのできないのと同じである」(『眠られぬ夜にために・第一部』p303 岩波文庫)

ヒルティは、こうも語りかけます。
自殺は不誠実な手段であり、そのようにして死を得てのちも困難な生活が続くだろう。(11月01日)
愛する人といつまでも結ばれていると信じるのは、人情のやみ難き願いである。(11月02日)

すべて、初めて読んだときは、心にぐさり、と突き刺さりました。いまでもそうです。
なぜなら、果てなく続くいじめに自殺を考え、死んだ婚約者を想いいまでも涙に枕を濡らす夜があるからです。
なお、ヒルティも愛妻を存命中になくし、哀しみに沈んだそうです。生まれ変わるなら、ふたたび妻と逢っていっしょになりたい、とはヒルティ自身の言葉です。


エドゥアルド・フェルナンデスのギター曲集を聴いています。メランコリックな音色がなんともいえない。
いまスピーカーから流れているのは、アグアドという19世紀前半に活躍した人の《序奏とロンド》op.2-2です。このまま永遠の眠りに就いたっておかしくなさそう……。◆

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