第3762日目 〈病床からのレポート──2024年02月09日「夜明け前のみなとみらいを脇目にしながら」篇〉 [日々の思い・独り言]

 諸君、おはよう。おはようとしか言い様のない時間に、これを書いている。
 只今午前6時12分、まだ外は暗い。闇夜である。先刻ブラインドを開けた。マンション屋上の公園や道端のイルミネーション、生活臭が感じられない海の向こうの白銀灯、ちらほら混じる小さな灯りの群れ群れ群れ、港湾の埠頭の突端を示す橙色の灯し火。それだけである、みなとみらいの街をどうにか彩るのは。
 目が覚めて窓のブラインドを開けたり洗顔したり、この時間の病棟の様子を知りたい一心も手伝ってロビーへアクエリアスを買いに行った。戻ると、疲れが一斉に出た。ベッドでぐったりしているところへ看護師さんが来て、点滴の仕度を始めてゆく。起床時間05時から1時間以上経過してこれを書いているのは、そんな夜明けの散歩とMac Book Airの準備に手間取ったからである。
 それにしても病院って、本当に24時間稼働の現場なのだね。故あって個室に入っているため大部屋の状況はわからないが、少なくとも個室に関しては、殆どの部屋に電気が点き、そこにそれぞれ夜勤の看護師さんたちがいて、入院患者の採血やら検査やら、点滴や輸血やら、それぞれの作業に専心している。廊下から見るその後ろ姿はとても心強く、どんな職業のどんな立場の人よりも凜々しい。ジャンヌ・ダルク──その名前しかわたくしは彼女たちの姿を見て思い浮かべるところがない。
 阿鼻叫喚。やはり病棟ゆえ様々な人が入院している。夜半に止むなく奇声を発する事でしか意思表示できない人たちに較べれば、こんな早朝から呑気に原稿を書いていられるわたくしは、まだ幸福の部類にカテゴライズされるのだろう。
 朝まだき。──みなとみらいの街は、曇り空の向こう側に確かに存在する太陽の恩寵の下、漆黒の闇からゆっくりと建物群がその輪郭をはっきりさせてきた。いい換えれば冒頭で述べたような人工の灯し火の美しさは徐々に影をひそめてゆく、と云う事だ。それでいい。これからは人工の光ではなく、自然光が世界を統べる時間である。
 早くも通勤途上の人の姿や、明らかな社用車の姿が目に付き始めた。
 病院の周りで、街は、動き始めた。

 ……で、この前から気に掛かっているんだけれど、あすこにかすかに見えているのって、東京タワーだよなぁ。もうすこし窓が西側へ向いていたら、クイーンズタワーと同じ位置になるから東京スカイツリーや羽田空港を離発着する飛行機が見えたりするんだけれどね。
 ただそれだけの小っちゃなお話っす。◆

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